現実の指名は関係なく、その順位でなら全12球団が必ずその選手を指名できたという夢のドラフトを考えてみるという企画。現実で最初に1位指名された選手は対象外。そのため
ドリームドラフト1位指名→現実ドラフトハズレ1位or2位指名以下
ドリームドラフト2位指名→現実ドラフト3位以下…
と実際に指名された順位よりも上位指名になるように選手を選んでいく。今回は2005年度から導入されていた高校、大学・社会人の分離ドラフト制度が撤廃された2008年編。
第一巡選択希望選手:浅村栄斗(現実ドラフト3位)
2008年ドリームドラフトの1位指名は、現実では西武ライオンズから3位指名を受けた浅村選手を選出。ハズレ1位か2位指名の選手から選ばなければ“もったいない”このドリームドラフト(この年の2位指名には長野久義選手がいる)。しかし次の選手を指名したい都合で現実3位の浅村選手を選んだ。
浅村選手は3年目に1軍に定着すると、2013年には打点王のタイトルを獲得。2018年に日本人としては球団初の3割30本100打点を達成。オフにFA権を行使して楽天に移籍。2020年は自身初の本塁打王のタイトルを獲得した。
第二巡選択希望選手:中村悠平(現実ドラフト3位)
どうしても指名したかった中村悠平選手。浅村・中村のダブル獲得がしたかったので泣く泣く長野選手の指名は見送りに。
中村選手はヤクルト3位指名で福井商から入団。2015年に初の規定打席到達を達成し、リーグ優勝に貢献。その後打撃で苦しんだ時期もあったが2018年に選手会長に就任。名実ともにチームを引っ張る立場となり、2021年のリーグ優勝・日本一に貢献。日本シリーズではMVPにも輝いた。
第三巡選択希望選手:攝津正(現実ドラフト5位)
3位指名はソフトバンクホークスから現実では5位指名を受けた攝津投手。高卒後に社会人のJR東日本に進み、プロ入り後は即戦力として活躍。1年目はリリーフとしてフル回転し、70登板で防御率1.47という新人離れした成績で新人王を獲得。2011年から先発に転向すると、2012年は沢村賞、最多勝、最優秀投手のタイトルを獲得。5年連続2ケタ勝利を達成するなどエースとして君臨した。2018年オフに引退。
第四巡選択希望選手:中島卓也(現実ドラフト5位)
現実では福岡工高からドラフト5位で北海道日本ハムファイターズに指名を受けた中島選手。2011年に初めて一軍昇格を果たすと、2015年には盗塁王とベストナインのタイトルを獲得。オフにはWBSCプレミア12の日本代表に選ばれた。2016年はシーズン歴代3位タイとなる62犠打をマークし、つなぎ役としてチームの優勝・日本一に貢献。2017年7月30日の対ソフトバンク戦で通算2287打席目でのプロ初ホームランという史上最遅記録を達成した。
第五巡選択希望選手:谷元圭介(現実ドラフト7位)
大学、社会人を経験し、ファイターズの入団テストを受けて合格しプロ入りの切符を勝ち取った苦労人。現実ではその年のファイターズ最下位指名である7位で指名されている。ルーキーイヤーにいきなり開幕一軍入りを果たし、NPB12球団新人一軍公式戦初勝利を挙げた。2011年からは安定した成績を残し、救援陣の一角を担うように。2016年の日本シリーズでは胴上げ投手にもなった。2017年途中で中日ドラゴンズにトレード移籍した。
第六巡選択希望選手:西野勇士(現実育成ドラフト5位)
6位指名はロッテの育成指名からクローザーにまで成り上がった西野投手。育成指名を受け入団すると、2012年オフに支配下選手として登録。2013年には先発ローテーションに入り9勝を挙げる活躍を見せると、2014年から3年間はクローザーとして君臨。2020年6月に靭帯を再建するトミージョン手術を受け長期離脱となったしまうも、2022年にセットアッパーとして復帰。37登板15ホールド、防御率1.73と見事にカムバックした。2023年は先発再転向に挑戦。
(Written by 大井川鉄朗)