食品に添加物としてコオロギや便所バチが使用される可能性があるか消費者庁に聞いた結果

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コオロギやミズアブ(便所バチ)を食用・飼料として使用する展開が日本で進められており、インターネット上で不安の声が上がっている。

コオロギ由来の添加物をアミノ酸と表記する可能性?

一部のTwitterユーザーが昆虫食に関して消費者庁に問い合わせたところ、「コオロギ由来の添加物をアミノ酸と表記する可能性はある」「含合原材料5%以下ならば「その他」と表示することは可能」「コオロギはアレルギー指定されていないので注意喚起の必要はない」との情報を得たという。

それが事実なら「食品にコオロギと表記されてなくともコオロギが含まれている可能性がある」ことになる。

最大の問題はアレルギー

「コオロギや便所バチを食べるのは気持ち悪い」という感情的部分はひとまず置いておいて、最大の問題はアレルギーだろう。食べたら原材料が昆虫由来で、それが原因でアレルギー発症となれば、かなり恐ろしい展開だ。

甲殻類や昆虫にアレルギーがある方は注意が必要

インターネット上で調べてみたところ、ICS-net株式会社のメディア『シェアシマ』ではミズアブに関して「甲殻類や昆虫にアレルギーがある方は注意が必要」と書かれている。大阪府立環境農林水産総合研究所の『ミズアブ生産ガイドライン』によると、「生産物由来の食品はアレルギー源としてのリスクをもたらすことから、消費者庁に相談の上、適切な情報提供および注意喚起を行うことを推奨」とある。

コオロギはエビやダニとアレルギー的に重なる

医学博士であり日本アレルギー学会指導医の堀向健太さんが『Yahoo! JAPAN』に掲載した「コオロギを食べて起こるアレルギーはエビやダニアレルギーと関係する?」と題する記事では、「コオロギは、エビやダニとアレルギー的に重なることが知られています。これは、アレルギーを起こすタンパク質が同じような性質を持っているため」と解説している。

コオロギ添加物ないとは言い切れない

そこで今回、消費者庁に問い合わせて昆虫食について聞いてみた。2023年5月1日現在、消費者庁では、添加物(アミノ酸)としてコオロギやミズアブが使用されている食品があることを確認できていないという。「確認できていない」というのは「把握できていない」ともいえるようで、ないとは言い切れないようだ。また、コオロギやミズアブをアレルギー食品指定にしていないという。

消費者庁に問い合わせてわかったこと。インターネット上で話題になった「コオロギ由来の添加物をアミノ酸と表記する可能性はある」という情報は正しかった。「含合原材料5%以下ならば「その他」と表示することは可能」も正しかった。「コオロギはアレルギー指定されていないので注意喚起の必要はない」も正しかった。

つまり「食品にコオロギと表記されてなくともコオロギが含まれている可能性がある」というのもあり得ることが判明した。

食品メーカーに問い合わせで解決?

ただ、話を聞いた感じでは消費者庁としても早急に解決していきたい問題のようで、「このままでいい」とは思っていないようである。

解決したい意欲があったとしても、解決していない現状、消費者はどうすればいいのか? どうすればコオロギやミズアブなどの虫を使用した食品を避けることができるのか? ──消費者庁によると、食品メーカーに問い合わせをして、原材料に虫が使用されているかどうか確認するのもひとつの方法とのことだった。

河野太郎「私も政府もコオロギ食の推進などしておりません」

昆虫食に関して、政府はどのように考えているのか? 消費者及び食品安全担当の内閣府特命担当大臣・河野太郎さんは自身の公式Twitterで「私も政府もコオロギ食の推進などしておりません」「すべて悪意のあるフェイクニュースです」と断言している。

<河野太郎さんのTwitterコメント>

「以前にもツイートしましたが、私も政府もコオロギ食の推進などしておりません。すべて悪意のあるフェイクニュースです。ただ、コオロギを将来、タンパク質として利用しようと頑張っている日本のスタートアップ企業があります。悪意のあるフェイクを広めることが、そうした努力に与えている影響も考えてください」

「拡散にご協力ください。以前にもツイートしましたが、私も政府もコオロギ食の推進などしておりません。すべて悪意のあるフェイクニュースです」


「食べたい人だけが食べればいい」という流れに?

あらゆる分野に関してスタートアップ企業や団体が研究を進め、日本にとって、人類にとってプラスになる展開を目指すのは素晴らしいことだ。

昆虫食に関しても、「税金が使われるのでは?」「知らないうちに食べてしまうのでは?」「アレルギーが心配」など国民の不安要素が解消すれば、「食べたい人だけが食べればいい」という流れになるのではないだろうか。皆さんは、この昆虫食の一連の展開、どうお思いだろうか。




※記事画像はフリー素材サイト『写真AC』より食事のイメージ

(執筆者: クドウ@地球食べ歩き)

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