食品製造業で初!豆乳製造における熟達者の知見伝承プロジェクトを開始
日本ではさまざまな分野で熟練者の技術伝承が課題となっています。
このような課題に対し、AIを活用した技術伝承、知識共有プラットフォームを提供する株式会社LIGHTz(以下、LIGHTz)は、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社(以下、ポッカサッポロフード&ビバレッジ)と共同で、生産現場における熟練者の知見やノウハウのAI化、現場学習ソリューション構築の取り組みを開始しました。
「豆乳」製造における熟達者知見の技術継承の難しさ
LIGHTzはこれまで、主に製造業をメインとした技術伝承DXのサポートを行ってきました。しかし、これまで取り組んできた金属素材や加工機械を扱う工場とは異なり、「豆乳ヨーグルト製造」の食品工場では、工場内での手作業はほとんど行われず、生産設備における製造工程での技術伝承です。対象となるのは「豆乳」を製造する工程です。原料である大豆のコンディションが日々変化する難しい現場であり、安定した製造を行うために、熟達者が各工程をどのような視点で見ているのか、どのような判断をしているのかという重要なノウハウの共有が困難でした。
その中でノウハウの『汎知化』を行い、現場学習に繋がるソリューションを構築するプロジェクトを行いました。
元々、ポッカサッポロフード&ビバレッジの商品である豆乳ヨーグルトは、豆乳ヨーグルトのためだけに手間暇をかけて搾ったこだわりの「豆乳」から作られています。独自製法で作られており、大豆から豆乳を搾汁し、充填、発酵、そしてパッケージングに至るまで自社工場で一貫製造されています。
「大豆」という状態が不安定な原料を相手にしているため、製造時の温度管理、時間設定など細部にわたる確認が重要となります。しかし、その豆乳製造に必要な各工程の知見やノウハウが熟達者に属人化しており、会社全体の資産として共有されていないという課題を抱えていました。
熟達者へのヒアリングによりブレインモデルを作成
ソリューション構築にあたって最初に取り組んだのは、熟達者の持つ豆乳製造の知見やノウハウを専門スタッフがヒアリングし言語化することでした。
さらにそのデータを分析し、言葉の繋がりとして体系化することにより、「ブレインモデル」と呼ばれる知見データをはじめ、原理原則を分かりやすくビジュアルで説明した解説書などを作り上げました。
それらのデータは作業工程・検討工程の見える化を実現するLIGHTzのソリューション「IndstPark(インダストパーク)」を利用することで、熟達者知見から作成した「ブレインモデル」や手順書・解説書などの重要ドキュメントが作業工程と共に一目で確認することができるようになっています。
『汎知化』をもとにでき上がった学習ソリューションを活用して自学自習することで、製造現場で従事している社員は、豆乳の製造工程の背景にある原理原則、工程の運用方法までを従来よりも短い期間で把握することができるようになります。このシステムにより、経験の少ない社員でもひとつの作業工程だけでなく、製造工程全体を理解することが可能となり、工場全体の生産能力アップにも貢献します。さらに美味しさへのこだわりを追求した新たなチャレンジにもスピーディーに取り組むことが期待できるとのことです。
LIGHTzは今後も生産改善のパートナーとして、美味しさにこだわり続けるポッカサッポロフード&ビバレッジをサポートしていきます。食品産業を代表する取り組みを牽引することで、企業としてのさらなる発展、地域の工場で働く人の活力づくりへと繋げていくということです。PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000099017.html
(文・Motohashi K.)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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