金融緩和しただけで儲けられるというアホな考えの人たち

金融緩和しただけで儲けられるというアホな考えの人たち


今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

金融緩和しただけで儲けられるというアホな考えの人たち

なんか馬鹿が多いよね。アベノミクスで金融緩和しただけで景気が良くなるわけがない、と批判してる人が多い。そんなのあたりまえじゃん?

金融緩和というのは資金を提供しているだけ。それを使ってどう儲けるかは、企業の責任なわけで、有益なことに使えば儲けられるし、溝に捨てるようなことをすれば、儲からない。当たり前のこと。

金融緩和というのはその前提として、手にした金を有益に投資してくれる人間の存在があるわけで、そういう人間がただの一人もいなければ、端から意味はない。というかそんな国ならどんなことをやっても経済回復は無駄。

有能な企業も有能な人材もいるけれど、デフレで商品開発の資金がないから、売れる商品を作れない。だから資金を提供すれば良い商品が生み出され、その結果として景気も回復するというのが、金融緩和の考え方なわけで、なんか勘違いしている人が多い。

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以前も書いたけど、商品が売れるということは、それを作った人件費も含めたコストを差し引いても儲けが残るということ。その儲けを次の商品の研究開発に投入することで、売れる商品が作られる。

儲けがゼロで十年一日のように同じ商品を作っているだけなら、毎年同じ数しか商品は売れないのだから、景気が拡大するわけがない。

金融緩和しても景気は良くならないとか、公共事業でバラマキをしても景気はよくならないと主張する人は、この点を勘違いしてるんだよね。せっかく商品が売れても、儲けを全部商品開発とは関係ないところで使いきって、次の年も同じ商品を売ってたら、儲けが増えるわけないじゃん。

そういう人たちはメーカーの人たちを馬鹿だと思ってるのだろう。

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売れている商品にさらに研究開発の資金が投入され、優れた商品が発売され、より多く売れる。この好循環が景気拡大。売れない商品に資金を投入して売れるようにする物好きな人はあまりいない。まあ中にはそういう大穴狙いの人もいるだろうけどね。

商品は売れるから改良されるのであって、売れなければ改良されない。だから売ることが大事。その意味で消費が拡大すれば好循環が生まれ景気が良くなるということであって、金融緩和を批判している人というのは根本的にそういうことがわかってない。

というかそうでないなら、好景気というのはどういうことだと思ってるのだろう。意味もわからず漠然とフィーリングで捉えてるだけなんじゃないの?

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円高で日本の製品は海外で売れなくなった。売れなければ新製品を開発する金も確保できないから、ろくな製品が出てこない。だからますます売れない。それを打破するには開発資金を投入することだ。

あとこれも勘違いしている人が多いが、金融緩和でばらまいた金が直接開発資金になるのではない。金融緩和で金の価値を下げれば、金を持っている人間はなんとか価値が残っている間にそれを増やそうとする。放って置くとどんどん価値が目減りしていくのだから。

その結果、資金が投資され、研究開発が活発になり、売れる商品が開発されることで、企業の活動が活発になっていく。金をばらまくのは一にも二にも金の価値を下げ、金を持っている人間に金を何とか増やそうと投資させるためだ。

新製品を作るための工場だって、資金を調達しなければ作れない。なにしろ「これから売れる」製品なんだから、まだ金はないわけで、借金して作るしかない。投資してくれる人がいるから工場を作れ、新製品を売り出せる。世間ではアベノミクスで儲けてるのは投資家だけだとか批判するが、投資家に金をつぎ込んでもらわなければ、新製品は作れない。

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まあ、結局自分が商品を買った時に払った金が、企業の中でどう使われるかをわかってない人が大半なのだろうな。作った人間の給料になって終わりだと思っているのだろう。それじゃ新製品は永遠に出てこないはずなのだが。

もしくは逆に新製品を開発するのに金が必要ないと思ってるのだろうか。開発者は霞でも食べて生きていて、開発に必要な設備や資材はどこかから夢のように湧いてくると思ってるのかもしれない。戦前のように金がなくても根性さえあれば、良い製品は開発できる!みたいな精神論なのか。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年05月10日時点のものです。

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