兵庫・有馬温泉への旅。元湯「金の湯・銀の湯」巡りに温泉街散策
三度の飯より温泉が大好物! 温泉家の北出恭子です。温泉に魅せられ、温泉が私のライフワーク。温泉の素晴らしさを1人でも多くの方へ伝えられるよう温泉研究と情報発信をしています。
さて今回は、日本三古湯・日本三名泉にも数えられる歴史ある温泉地、兵庫県の有馬温泉へ。「金泉」と「銀泉」という2つの泉質や、温泉街散策を楽しんできました!!
東京駅
東京駅から新幹線で新神戸駅へ
先ずはJR東京駅から東海道・山陽新幹線で、JR新神戸駅へ! 約2時間40分で到着です。
新神戸駅から、神戸市営地下鉄・北神線の谷上駅、神戸電鉄・有馬線の有馬口駅を経由して、有馬温泉駅へ向かいます。新神戸駅から30分ほど。
金の湯
有馬温泉のシンボル! 金の湯
有馬温泉駅から徒歩10分ほどの、有馬温泉に来たなら外せない!「金の湯」へ。有馬温泉の元湯として長い歴史と由緒のある温泉です。
男湯の「一の湯」は、有馬温泉の伝統工芸にはかかせない竹をイメージした浴室で、女湯の「二のゆ」は、美しい瑞宝寺公園のもみじをイメージしているそう。
浴槽には有馬温泉のなかでも成分が濃厚な天神泉源と有明泉源の2つの金泉(源泉)がブレンドされ、かけ流されています。豊富なミネラルによるキシキシ感と、濃厚な塩分でコーティングされたしっとり感のある肌触りになります。
日ごろの疲れが湯にどっと流れ出るよう……極楽です~。44℃のあつ湯と42℃のぬる湯があるのでお好みで。
金の湯に隣接する源泉かけ流しの足湯「太閤の足湯」は、無料で楽しめます。
銀の湯
2種類の銀泉をブレンドした湯はここだけ
金の湯に入ったら、やはり「銀の湯」も湯巡りしたい! ということで、金の湯から坂を上って5分ほどの銀の湯へ向かいました。
ここでポイント! 金の湯と銀の湯の2ヶ所を巡るなら、「2館券(金の湯・銀の湯)」(税込850円)を購入するとお得です。
銀の湯は、石垣のような壁に太閤秀吉の旗印である「ひょうたん」があしらわれ、湯船もひょうたんのような形。ほかにも、太閤やねねも入ったとされる蒸し風呂をイメージしたサウナやうたせ湯、バイブラバス(気泡風呂)など施設も充実しています。
銀の湯は、19.4℃の単純二酸化炭素冷鉱泉と23.8℃の単純放射能温泉の2種類の銀泉がブレンドされています。
金の湯とは対照的に、無色透明でサラッとした肌触り。成分も金の湯よりやさしいので、子どもからご年配の方まで、幅広い年齢層に好まれる泉質だと思います。
銀の湯から歩いて5分ほどの場所にある炭酸泉源公園内には、銀の湯で使用されている炭酸泉の泉源「炭酸泉源」があるので是非とも立ち寄って、飲泉もしてみてくださいね。
カフェ・ド・ボウ
大正ロマンを感じるレトロカフェ
金の湯の前にある「カフェ・ド・ボウ」は、地元の名士が住んでいた白い洋館を改装して1986年に開業。生洋菓子や焼き菓子、こだわりのお茶や珈琲などが店内でゆっくりと味わえます。
カフェ・ド・ボウは建物の2階。1階は「パン・ド・ボウ」としてベーカリーショップになっています。
和製アンティークのシャンデリアやクラシカルな木製家具など、大正ロマンを感じさせる店内。ノスタルジックで落ち着いた雰囲気が漂います。
パン・ド・ボウで購入したパンをカフェ・ド・ボウで食べることもできます。珈琲と一緒にいただきました。
金泉塩パンは、数日かけて金泉の源泉から抽出した塩を使ったパン。周りはサックリ、なかはふわふわで、バターの風味と金泉塩の塩味がベストマッチ! シンプルながらリッチな味わいです。
有馬山椒パンは、サクッとしたフランスパンに香ばしい黒ごまの風味、なかにはなんとピリッと痺れる名物の有馬山椒の佃煮がたっぷり。ビールやワインとも合いそうな、ちょっと大人なパンです。
また、ここでしか飲めないオリジナルブレンドの神戸萩原珈琲は、深みのある香りで、炭火焙煎のほろ苦さがありながらもまろやかな口当たりで癖がなく、どんなスイーツとも相性が良さそうです。
兵衛向陽閣
700年以上続く有馬温泉の老舗宿
カフェから徒歩約5分のところにある、有馬温泉随一の歴史を誇る「兵衛向陽閣」に宿泊。
こちらは、太閤秀吉から「兵衛」の名を賜ったという700年以上も続く老舗で、有馬温泉の中心街にほど近い、高台に建つお宿です。
チェックインすると、広々としたロビーで有馬芸妓さんが出迎えてくれました。芸妓さんのウェルカムサービスは不定期なのでついてました! ほかにも、湯上がり処での無料ドリンクサービス、チェックアウト前の抹茶と和菓子のサービスなど、さまざまなおもてなしに感激です。
純和風の客室の窓からは、丸山や畑山などの山並みが見渡せて、有馬温泉街からすぐとは思えないほど。緑に囲まれた静かな環境です。
兵衛向陽閣
3つの湯処と2つの貸切露天風呂を湯巡り
兵衛向陽閣には、趣向を凝らした3つの湯処と庭園つきの2つの貸切露天風呂(予約制)があり、館内で湯巡りが楽しめます。そして、そのすべてで金泉を堪能できます。
こちらは和風の湯処「一の湯」にある金泉の露天風呂。庭園を眺めながら入ることができます。
兵衛向陽閣では、3つの源泉(金泉)をブレンドしています。茶褐色の湯は、金泉に豊富に含まれる鉄分が酸化した色。海水の1.5倍の塩分濃度なので、薬効が高く、ポカポカに温まって保温・保湿効果も絶大です。
通常の温泉に比べて成分が濃厚のため、長湯や入りすぎにはご注意を! 入浴前後には水分補給と休憩を忘れずに。
一の湯には露天風呂のほかに、内湯が2つ(1つは金泉)とサウナ、水風呂もあります。
ローマ風の湯処「二の湯」の内湯。柱のシンメトリーが印象的です。こちらも、金泉の露天風呂と内湯、サウナと水風呂も完備。
湯治場風の「三の湯」は、内湯と金泉の露天風呂の間にあるガラス戸を開けることができる開放的な湯処。露天風呂の横には、ジャグジーやリクライニングチェアも。
※編集部注:「一の湯」と「二の湯」は日替わりで男女入れ替え制。「三の湯」には男湯・女湯があります
さて! 入浴後はお楽しみの夕食タイム☆です。
本日いただくのは「有馬四季菜ブッフェ」。バイキング形式になっているので、好きなものを食べたいだけ選ぶことができます!
地元食材をつかった和洋中の約50種類の料理が、ところ狭しと並んでいます。
オープンキッチンもあり、料理人のパフォーマンスを見ながら、揚げたて天ぷらや黒毛和牛の鉄板焼きなど、アツアツのできたてを食べられるのがうれしい。
じゃぁーーーん!!!
さらに! バイキングのお料理とは別に、メイン料理として「神戸牛銀せいろ蒸し」(写真右上)までついてきます。口にいれると、神戸牛がやわらかくとろける!!!
お世辞抜きでどれも本当に美味しい!
デザートもとろんとろんの舌触りの「自家製プリン」などの充実ぶり。つい美味しくて食べ過ぎてしまい、お腹いっぱい(笑)。
明日に備えて、早めに就寝。
有馬温泉街
有馬温泉街を散策
おはようございます!
朝風呂に入り、美味しいバイキングで朝食を食べてチェックアウト。天気も良いので有馬温泉街を散策しましょう。
午前中にもかかわらず多くの人たちで賑わっています。
有馬温泉のランドマークといえば、豊臣秀吉にちなんだ「太閤橋」。有馬温泉街の入り口に架かっていて、眼下には有馬川や親水広場が見渡せる写真スポットです。夜にはライトアップされ、温泉街を幻想的に映し出すそうです。
太閤橋の向かい側には、秀吉と見つめあうように正室・ねねの「ねね像」と、朱塗りの「ねね橋」があります。なんだかロマンティックですよね。
有馬温泉には6つの源泉があります。ゴウゴウと噴気が立ち上る姿を見ることができるのは、金の湯にも使用されている「天神泉源」。有馬天神社の境内にあり、迫力ある温泉のパワーを間近で感じることができます。
温泉街の散策で欠かせないのが、やはり食べ歩き!
有馬温泉にはたくさんのグルメがありますが、私が立ち寄ったのは創業90年以上の精肉店「竹中肉店」。
こちらのお店、コロッケが人気で連日大盛況!!!
1日に1000個以上売れる日もあるという「お肉屋さんコロッケ」は、北海道産の男爵いも、淡路産の玉ねぎ、黒毛和牛が入り、味付けはとてもシンプル。
毎日手づくりしているそうで、揚げたてのアツアツをいただけます!
サクッとした食感の薄めの衣。じゃがいもと玉ねぎの甘みに、黒毛和牛の旨みが溶け合って……絶品! シンプルな味付けが素材の美味しさを引き立てます。エンドレスで食べられそう(笑)。神戸牛と黒毛和牛がゴロゴロ入っているという、平日限定の「ゴロッケ」(数量限定)も美味しそうでした。
まったく泉質の個性が違う「金泉」と「銀泉」、2種類の温泉を堪能でき、食べ歩きや観光スポット巡りなど、温泉街を歩きながら回れるのが有馬温泉の楽しいところ。ほかにも、美味しいグルメやお土産屋さんなど、まだまだ魅力がたくさん。皆さんも歴史ある温泉地・有馬温泉へ是非行ってみてくださいね。
東京駅
掲載情報は2022年12月26日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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