「ウクライナ人の子供は溺死させるか燃やすべきだ」 ロシアのニュース番組ディレクター発言をウクライナ外相が「虐殺の扇動」の非難ツイート

ロシアの実質的な国営メディアのニュース専門局『ロシア・トゥデイ(RT)』は、プロパガンダやフェイクニュースを拡散させているとして問題視されていますが、ある番組で司会者が「ウクライナの子供たちを溺死させるか焼き殺すしかない」と発言して非難が殺到しています。

この番組では、『ナイト・ウォッチ』『特別大使との夕暮れの会』などの作品で知られるSF作家のセルゲイ・ルキヤネンコ氏が出演し、1980年にウクライナでロシア語話者のソ連兵の子供たちが「ウクライナはモスカル(モスクワの蔑称)どもに占領されていて苦しんでいる」と話していたというエピソードを披露。それに対して、放送ディレクターのアントン・クラソフスキー氏が「そんな子供たちは川に投げ込んでやるべきだった」と発言。さらに「カルパチア山脈の小屋に押し込めて燃やしてもいい」と続け、「ウクライナなど存在してはならない」として「さあ、撃ちましょう」と締めくくっています。なお、ルキヤネンコ氏はクラソフスキー氏の発言には終始批判的でした。

この番組の映像は、イギリスの女優・監督のジュリア・ディビス氏がTwitterで「ウクライナの子供たちを溺死させたり燃やしたりすることを提案し、ウクライナでのロシア兵による陵辱について恐ろしいコメント。ウクライナは存在すべきではなく、ロシアに抵抗するウクライナ人は射殺されるべきだと述べている」と紹介。約18000のRTと22000以上の「いいね」を集めています。

このツイートには、ウクライナのドミトリー・クレバ外相が反応。「『RT』をまだ禁止していない政府は、これを見る必要がある。これは言論の自由とは全く関係ない虐殺の扇動だ」として、『RT』の放送を禁止するように呼びかけています。

すでにEU内でウクライナ侵攻が開始されてまもない2022年3月に放送を禁止されている『RT』ですが、「子供を殺すべき」という発言は過激に過ぎたようで、マルガリータ・シモヤン編集長の名で「こんな非常識な考えは許すことができない」としてクラソフスキー氏の契約を一時停止すると発表しています。

※画像はTwitterより

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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