かつて日本にはゾンビがいた!復活する死者をとめる遺族たちの奮闘が怖すぎる
今回は恵美嘉樹さんのブログ『歴史ニュースウォーカー』からご寄稿いただきました。
※すべての画像が表示されない場合は、https://getnews.jp/archives/335256をごらんください。
かつて日本にはゾンビがいた!復活する死者をとめる遺族たちの奮闘が怖すぎる
かつて日本にもゾンビがいた。
今回、国史跡に指定するよう答申された、国富中村古墳(くにどみなかむらこふん)は、西暦600年ごろの出雲(島根県出雲市)の円墳です。
関連記事:
「画期的!液状化現象、津波石が「天然記念物」に指定。縄文発祥の地、西南戦争も史跡に」 2012年11月17日 『歴史ニュースウォーカー』
http://d.hatena.ne.jp/emiyosiki/20121117/1353080689
=内部。写真は出雲弥生の森通信*1(出雲弥生の森博物館公式ブログ)から
*1:「国富中村古墳シンポジウム・石室見学会」 2012年08月07日 『出雲弥生の森通信』
http://blog.canpan.info/izumoyayoi/archive/265(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
https://px1img.getnews.jp/img/archives/2013/05/zombie01.jpg
なにがすごいかというと、未盗掘の状態で見つかったからです。
古墳は、天皇陵を含めて、基本的にほぼすべてが盗掘されています。古墳は、高いですから目立ちますから、時代がたてば、死んだ人のことなんて、みな気にしなくなるのです、それがたとえ天皇陵であろうと。
この国富中村古墳は、偶然、埋葬されて、入り口に石の「扉」(閉塞石)で封印されたままだったのです。
で、開けてみると異様な状況でした。
手前のスペース(前室)には、上蓋のない箱形をした石の棺(A)があり、奥の玄室には家の屋根のような形をした石棺(B)がありました。
まあ、一つの「部屋」(石室)を何人かで使うということはよくあります。例えば、何世代かあとに、古墳を造る金がなくなったら先祖の穴を利用させていただくとか。
ところが、ここには棺が2つあるので、つまり二人埋葬されています。
その時には、ちゃんと普通に埋葬したわけです。
ところが、何年か後になって、(盗掘団ではなく)、遺族たちがやってきて、棺をあけて、中にいる骨になった遺体をめちゃくちゃにして、人間の形にならないパズルのようにしたのです。棺のふたは破壊したり、たたき割ったり、して。
死んだ人がよっぽど恨まれていたんだなぁと考えがちですが、どうやら出雲地方につたわる当時(古墳時代後期)のお葬式のやり方だったようです。
「よみがえらないでください」「もうあなたは死んでいるんで生き返らないでください」と祈りながら、悪臭と暗闇の中で、石の棺をたたき割り、骨もメチャクチャにしたのです。
いや~、そっちのほうが呪われそうです。
『映画『リング2』『死国』 予告篇』
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=kk4k1NlFKF4
出雲地方の風習と書きましたが、ほぼ同時期の愛媛県松山市の葉佐池古墳でも、同じように埋葬してからしばらくして木棺がバラバラに破壊された事例*2がありましたから、西日本でかなり共有された死生観だったのかもしれませんね。
*2:「特別展関連講座を開催しました!」 2012年08月05日 『出雲弥生の森通信』
http://blog.canpan.info/izumoyayoi/archive/264
東欧で「本物のドラキュラ」が復活しないように、遺体の胸に鉄の棒を打ち込まれていたという記事を書きましたが、同じような感覚だったのでしょう。
● 「閲覧注意!「考古学的に本物」の吸血鬼の画像です!」
「欧州最古の町のある国には吸血鬼がおるんや!」 2012年11月05日 『歴史ニュースウォーカー』
http://d.hatena.ne.jp/emiyosiki/20121105/1352111055
● 関連リンク
・出雲弥生の森通信(スタッフブログ)今回のネタもとはほとんどこちら、ありがとうございます。
「2012年特別展がはじまりました!」 2012年07月14日 『出雲弥生の森通信』
http://blog.canpan.info/izumoyayoi/daily/201207/14
・出雲弥生の森博物館
『出雲弥生の森博物館』
http://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1244161923233/index.html
執筆: この記事は恵美嘉樹さんのブログ『歴史ニュースウォーカー』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年05月07日時点のものです。
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