アメリカで開催された世界最大のダブステップフェス『Lost Lands』日本人アーティスト唯一の出演となった「Dubscribe(ダブスクライブ)」さんに色々聞いてみた!
皆さんは「Dubstep(ダブステップ)」という音楽ジャンルをご存知ですか? ロンドンで発祥したというこの音楽はクラブミュージックとして、独自に進化、世界中の音楽好きに愛されています。そんな、ダブステップだけを楽しめる大型フェス『Lost Lands Music Festival』が9月23日から25日の3日間、アメリカ・オハイオ州のレジェンドバレーにて開催されました。
そんな、『Lost Lands』に唯一の日本人アーティストとして出演したのが「Dubscribe(ダブスクライブ)」さん。
I dropped my 2 remixes for @Excision at @lost_lands 🦖🦕
My dream finally came true.
Hard work pays off!!!•1 on 1(Dubscribe Remix)1️⃣
•Robo Kitty(Dubscribe Remix)😼 pic.twitter.com/h1EYI74Tnq— Dubscribe😼⚡️ (@Dubscribe_) October 7, 2022
まずはこのツイート(https://twitter.com/Dubscribe_/status/1578428629750796290)を見ていただきたいのですが、
「超盛り上がってる」そして、「超カッコいい」
この大規模フェスに日本人アーティストが出演してガンガンお客さんを踊らせているってすごくないですか?
というわけで、Dubscribeさんご本人に色々とお話を聞いてみました! ダブステップというジャンルをご存知の方はもちろん、筆者の様にダブステップを知らなかったという方もぜひご覧ください。
――今日はよろしくお願いいたします! まずは、ダブステップという音楽のジャンルについて簡単に教えてください。
ダンスミュージック、EDMのジャンルの一つで、主に低音を強調した音楽です。サブベースという低音を強調している点と、一般的なEDMや4つ打ちが1小節にスネアが2拍4拍で2回入るところ、ダブステップは1小節スネアが3拍目に1回だけ入り、遅く感じるビートである点が特徴です。
10年少し前は、歪んでうねるような音色のWobble Bass(ワブルベース)と呼ばれる音を使っているのもダブステップの特徴だったのですが、今はWobble Bassに限らず様々な音が使われています。多くのアーティストはオリジナル曲はもちろんのこと、様々なリミックスをリリースしながら活動しています。
Excision & Downlink – Robo Kitty (Dubscribe Remix)
https://www.youtube.com/watch?v=fp-cbKzyOFY
――Dubscribeさんがダブステップに目覚めたきっかけを教えてください。
もともとバンドをやっていたのですが、なかなかうまく行かず解散してしまった後、一人で出来る音楽がいいなと思い、様々なジャンルのダンスミュージックの曲を作り始めました。そして『Lost Lands』を主催している「Excision」というアーティストの曲に衝撃を受けてダブステップを作ってみました。そして初めて完成させた曲をm-floの☆Taku Takahashiさんが開催したコンテストに出したら優勝したんです。それでダブステップは自分に合っているのかなと思い、ずっと続けています。
――初めてのダブステップの曲で優勝!すごいですね。曲作り、REMIXなどはどの様なペースで進めているのですか?
基本的に家にいるときは食事をする、お風呂に入るなど日々の生活に必要な時間以外はサウンドデザイン(音色作り)だったり曲の構成を組み立てたりとずーっと何かしら曲作りの作業をしています。日々のルーティーンとして生活に組み込むようにしています。曲作りの方法って色々あって、「こういう曲を作ろう」と向き合う人もいると思うのですが、僕の場合はずっと機材を触って音を出しながら「おっ!かっこいい」となる瞬間を待っている感じです。
――どんな機材を使っていますか?
機材は本当にスタンダードなものを使っていて、iMacに「Ableton Live」というDAWソフト、「SERUM」や「MASSIVE」などのダブステップにおいてはメジャーなシンセサイザーなどを使っています。ちょっと専門的な話になってしまいますが、ここ数年はオーディオ波形をレイヤー(音を層のように重ねること)したり、波形編集して曲を作る事が多いです。
――ダブステップというジャンルは、今世界や日本でどの様に楽しまれているのでしょうか?
僕が始めた頃は日本でやっている人はほとんどいなくて、5、6年前から一気に増えてきて、海外の有名DJも来日する様になって。海外でヒットした曲が日本のクラブシーンでも注目されてきて…という流れなのだと思います。このジャンルが一番盛んなのはアメリカなのですが、アメリカの方って激しい音楽が好きなのですごく肌に合っているのだと思います。元々はイギリス発祥で、レゲエやサウンドシステムの流れを汲みながら発展したジャンルですが、アメリカではメタルやラップと融合されて、盛り上がっていった感じです。
――色々なジャンルの影響を受けながら、とても間口の広い音楽ジャンルですね。Dubscribeさんは世界最大のダブステップフェス『Lost Lands』に出演されました!
ある日突然、オファーのメールが来ました。これまでつながりがなかった海外のプロモーターからのメールだったので、最初は「詐欺かな?」なんて思いつつ(笑)。そのオファーメールにはもうすでにタイムテーブル案が書かれていたので、そこに載っている知り合いのアーティストに連絡をして、これは本物だと確認しました。4月にオファーが来て開催が9月なので、大急ぎでアーティストビザを取りました。アーティストビザをとるのがめちゃめちゃ大変でした。手続きをすれば必ず取れるものでもありませんし、時間も労力もすごくかかりました。費用も100万以上かかりました。
◆このアーティストビザ取得までの敬意は、DubscribeさんのNoteに詳しく書かれています。
「米国アーティストビザ取得の経緯」https://note.com/dubscribe/n/n7457f5daaf7b [リンク]
――実際にフェスに参加していかがでしたか?
最高でした!の一言なのですが、まず感動したのは規模です。これまでも様々なジャンルが混在する日本の大型ロックフェスなど色々なフェスにいってきましたが、1つのジャンルだけでそれら以上に大きなフェスが開催出来るのかと。メインステージは今まで行ったどのフェスよりも大きかったですし、大きなステージが計4つも組まれていました。
また、音の良さにも驚きました。会場やステージが大きいとやはり低音の迫力を出すのが難しかったり、音が散ってしまったりするのですが、ダブステップの特徴であるお腹に「ズン!」と来る低音がしっかり出ていて、音も散らずにしっかり届いていて、今まで行ったフェスの中で一番音がいいなと思いました。
正直自分の出番のときにお客さんはいるのか…?と不安でしたが、やってみると多くのお客さんが集まってくれて盛り上がっているのを見れて最高に嬉しかったです。また、出番以外の時間で会場内にいる時に「Dubscribeだよね?」ってバンバン声をかけられるんです。「Dubscribeだ!」「写真撮って撮って!」と、自分との記念撮影を待つ列が出来たり、目をキラキラ輝かせながら感想を話してくれたり、自己肯定感が爆上がりでした(笑)。
――カッコいいです! お写真を見るだけでもその盛り上がりが伝わってきますが、現地では相当な熱気でしょうね。
自由に踊ったり、激しくヘドバンしたり、モッシュしたりと本当に楽しそうにしていたので、僕も最高に楽しかったです。アーティストが泊まっているホテルで、今までやりとりはしたことあるけど初対面のアーティストとも色々な話が出来て、それも良い経験になりました。
――最近ダブステップが気になっている方、Dubscribeさんの活動をきっかけに音を作ってみようかなという方、初心者にオススメの動画などはありますか?
僕がSNSに僕の曲がプレイされた『Lost Lands』やダブステップのイベントの動画や写真をアップすると、「映像とレーザーがすごいね!」とよく言われます。大規模なダブステップのフェスやイベントでは音と映像とレーザーを同期させて演出することにとても力を入れていて、音はもちろんですがそのシンクロがとてもカッコ良いので、そういう動画を見ると「ダブステップを作ってみよう!」というモチベーションがあがると思います。実際に自分はそれでモチベーションを上げています。作りたくなったらYouTubeに作り方もたくさんアップされているので分かりやすいと思います。僕が始めた頃にはこういった動画は無かったので羨ましいです(笑)。
▲音楽とシンクロするVJや演出がすごい!
Dubscribe @ Lost Lands 2022 Day 2 – Robo Kitty (Dubscribe Remix) & Laser Sound + more
https://www.youtube.com/watch?v=XBllVBWoROQ
――とても刺激になるフェス出演となったと思いますが、今後の展望を教えてください!
やりたいことはたくさんありますが、まずは来年も『Lost Lands』に出演したいです。4つステージがあって、僕は3,4番目の大きさのステージに出させてもらったのですが、いつか1番大きいステージに立ちたいです。アメリカのエージェンシーにも所属したので、アメリカでの活動も増えていけば嬉しいですし、もちろん日本でも色々なイベントでプレイしたいですね。
▲Dubscribeさんがダブステップにハマるきっかけとなった「excision」さんとの2ショット。
――ぜひ来年も大きなステージに立つDubscribeさんを私も楽しみにしております。ところで、『Lost Lands』にて着ているTシャツが「GANG PARADE」のテラシマユウカさんですよね!
テラシマユウカさん推しのGANG PARADEのファンです!(笑)もう5年以上応援しています。
――お好きになったきっかけなどはありますか?
元々アイドルの楽曲は追っていなかったのですが、違うジャンルの音楽を聴きたいなと思っている時に、友人に「BiSH」をオススメされました。すごくカッコいいと思ったら次に「同じ事務所にGANG PARADEってグループもあるよ」とオススメされてGANG PARADEの曲も聴く様になって。そしてその友人に誘われてGANG PARADEのライブに行きました。アイドルのライブは初めてだったのですが、GANG PARADEのライブのかっこよさと多幸感に衝撃を受けました。音楽が好きなのでそれまでにも色んなライブやフェスに行ってきましたが、まだこんな楽しいライブがあったのかと。そして特典会(チェキやサインがもらえるイベント)という存在を知り、そこからはもう一気にハマってしまいました。テラシマさんを初めて見た時は、「こんな可愛い人がこの世にいるのか…!」と。
――まさに“沼落ち”といいましょうか。アーティストさんに支持されるグループというのも素敵ですね。パフォーマンスももちろん、楽曲がカッコいいですよね。
WACK(GANG PARADEが所属する事務所)の楽曲を手がけている松隈ケンタさんが「アイドルの曲を作ろうとしているのではなく、自分らしいバンドサウンドのカッコ良い楽曲を作ろうとしている」とインタビューで仰っていたのが印象的です。それが僕がGANG PARADEの曲がかっこいいと思う理由の一つなのだと思います。アイドルという概念を覆されました。最近、元「EMPiRE」である「ExWHYZ」のシングル『Obsession』のプロデュースを「80KIDZ」が担当していて、クラブミュージックとの融合も増えてくるのかな? そうしたらいつか、僕にもGANG PARADEに曲を提供するチャンスが…。と考えていたりします。夢ですね。先ほど、展望の部分で『Lost Lands』の話をしましたが、『Lost Lands』はもちろん、いつかGANG PARADEの楽曲に携われる様に頑張ります。
――私もいちファンとして、いちユーザーとして楽しみにしておりますね。今日は素敵なお話をありがとうございました!
◆Dubscribe
https://twitter.com/Dubscribe_/ [リンク]
https://soundcloud.com/dubscribe_produkt/dubscribe-lost-lands-mix-2022 [リンク]
アメリカで開催された世界最大規模DubstepフェスLost LandsでMIGMA SHELTERの曲をかけるオタク@MIGMASHELTER @koji210 pic.twitter.com/2XzIU5AXYY
— Dubscribe😼⚡️ (@Dubscribe_) October 5, 2022
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