注目俳優・円井わんインタビュー 主演作への想い「本番中なのにわたし自身が面白すぎて笑ってしまうこともありました(笑)」
『14歳の栞』がロングランヒットを記録した監督・竹林亮の劇場映画2作目、『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』が公開になります。本作は小さなオフィスを舞台に、社員全員が同じ一週間を繰り返していくという“新感覚オフィス・タイムループ・ムービー”で、斬新な設定と予想外の展開に夢中になる必見の一作です。主人公・吉川朱海役を演じる円井わんさんにお話をうかがいました。
■公式サイト:https://mondays-cinema.com/ [リンク]
●「私たちの繰り返しのような日々が本当にループしていたらどうする?」という着想の物語ですが、いろいろなことを考えました。最初の印象はいかがでしたか?
わたしは絶対繰り返したくない、キツいなと思いました。飽き性なので、絶対無理です(笑)。ただ、この出来事を経て、映画に出てくる会社にある展開が起こっていくのですが、それはシンプルに感動しました。
●巻き込まれていく主人公・吉川朱海役は、どう準備をしたのですか?
竹林亮監督に人物像の相談をしました。吉川みたいな人物はいるのか、何か作品を観たらいいのか聞いたら、「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」の石原さとみさんです、と。きびきびしていて早口で野心があって、ドラマを拝見して納得しました。仕事に生きる感じですよね。あとはオフィスが舞台の物語なので、わたしにはほど遠くて、どうしようかなと本当に思いました(笑)。
●主人公に共感するところはありましたか?
ありました。ちょうど撮影している時、わたしはひとりでやりますと、わたし自身も人のありがたみにまったく気付けない時期だったんです。忙しかったということもあり、そう思っていた。でも芝居中に人の温かさを踏みにじってはいけない、人はひとりでは生きていけないので手と手を取り合ってやっていかないといけないものだと、すごく考えさせられました。
●共演者のみなさん息ピッタリのチームワークでしたが、撮影現場はどのような感じでしたか?
1回だけリハーサルをしたのですが、みんな息が合っていて面白かったですね。監督もとっても面白いんですよ。声が小さくて「今何て言った?」みたいなことがすごく多くて「もう1回いいですか?」と聞き返すことも多かったのですが、自分の軸もとても強い人で、そこは絶対譲らないタイプの方。なのでとても信頼できる方だなと思いました。
●この作品を通して監督は何を言いたかったと思いますか?
それを私が決めたりはしたくないので、お客さんの反応が楽しみですね。ずっと面白いと思うんですよ。マキタスポーツさんも(笑)。共演者の方々のちょうどいいバランスのお芝居で、素敵なコメディーになっています。わたし自身、面白すぎて本番なのに笑い過ぎてしまいました。
●ところで2017年に映画『獣道』でスクリーンデビューされ、5年が経ちますが、この期間を振り返って思うことはありますか?
公開から5年なんですよね。わたしは運がいいほうだなって思っています。2016年から活動しているのですが、仕事は毎年ありました。1年に2~3本出演できていた。初主演映画『KONTORA-コントラ-』で賞をいただいた効果なのか、『鳩の撃退法』『うみべの女の子』などの映画作品も決まり、すごい恵まれたなと思います。毎年年末に充実していたなと思うんです。
●お芝居の楽しさや難しさ、向き不向きを感じることはありますか?
向いているとは思います。というか、これしかできないんです。生涯、ほかの仕事はたぶんできない。ただ、最初の頃は何をしても楽しかったですが、年々役柄が難しくなるなど、だんだん楽しめなくなってくると思うことも出てきました。
●今日はありがとうございました!最後にメッセージをお願いします。
とにかく観てほしいです。途中「しんどー!」と思うかも知れないですが(笑)、いつか終わりは絶対来るというようなメッセージ性もあると思いますし、この映画を観て大切な何かに気付いていただければと思います!
■ストーリー
とある小さな広告代理店で働く主人公・吉川朱海は、「この仕事が終わったら、憧れの人がいる大手広告代理店へ転職する」と燃え上がる野心を持って仕事に取り組んでいた。しかし、次から次に降ってくる仕事で、余裕はゼロ。プライベートも後回し。月火水木金土日、休みなく働き続けていた、ある月曜日の朝。後輩2人組から、こう告げられる。
「僕たち、同じ一週間を繰り返しています!このタイムループを、夢の出来事だと思って忘れないために、合図を覚えてください。鳩です…」
そして訪れた、新しい月曜日。
バンッ!!!
鳩が窓にぶつかる大きな音を聞き、吉川はハッとした。
これは……先週と同じ?
ひとり、またひとりと、「鳩」の合図に導かれ、タイムループの中に閉じ込められているのを確信する。だが、その脱出の鍵を握る部長は、いつまで経ってもタイムループに気づいてくれない。
「もう仕事なんて放り出してしまいたい」
「新しいスキルを身につける、いい機会かも?」
「仕事をうまくいくまで繰り返して、最高の状態で転職してやる!」
社員たちの様々な思惑が交錯する、“社員全員タイムループ”。そしてまたやってくる、同じ月曜日……。絶望の月曜日を迎える彼らは、チームプレイで無事脱出できるのか。
映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
公開日:2022年10月14日(金)より先行公開、 2022年10月28日(金)より全国にて順次公開
先行公開場所:東京・渋谷シネクイント、大阪・TOHOシネマズ梅田、名古屋・センチュリーシネマ
(執筆者: ときたたかし)
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