国葬は多くの国で執り行われています。国葬決定のプロセスや基準の違いおよび基準の有無も国によってさまざま。王室や政治家以外の著名人が国葬となる国も少なくありません。
◆テレサ・テン(台湾)
台湾の美空ひばりと言われ、日本でも「時の流れに身をまかせ」などが大ヒットした歌姫「テレサ・テン」。1995年に気管支炎で亡くなった際には国葬が執り行われ、世界から3万人もの彼女のファンが詰めかけたといいます。
◆ボブ・マーリー(ジャマイカ)
レゲエの神様「ボブ・マーリー」は1981年に36歳の若さで死去。ジャマイカのキングストンで国葬にされます。葬儀の前には、残されたザ・ウェイラーズのメンバーによるバンド演奏が行われたといいます。
◆アイルトン・セナ(ブラジル)
1988年・1990年・1991年にF-1の年間王者に輝いた伝説のレーサー「アイルトン・セナ」。
1994年にレース中の事故で亡くなった彼も国葬になっています。
悲しい事故や事件で亡くなった方は世界的に見て国葬になるケースが多いようです。安倍さんの件もそうですね。
◆エドモンド・ヒラリー(ニュージーランド)
名前だけではピンと来ない人も多いかもしれませんが、テンジン・ノルゲイと共に、1953年に人類初となるエベレスト山頂到達に成功した人です。存命中に紙幣の肖像に選ばれるほどニュージーランドでは英雄。2008年に亡くなった際に国葬されています。
◆ヴィクトル・ユーゴー(フランス)
「レ・ミゼラブル」で知られる作家で1885年に国葬になっています。議員を務めていた期間もありますが、作家としての評価だと思います。
フランスには「Obseques nationales」と「Hommage national」があります。どちらも大統領令によって執り行われるもので、大きな違いは儀式について首相が責任を持つか、国家が責任を持つかの違いだそうです。(他にも細かな違いはあるようです)
フランス政府のHPを見ると厳密には国葬は前者を指すっぽいですが、報道では後者も国葬と訳されることが多いです。ちなみにユーゴーは前者です。
後者の「Hommage national」に関して、マクロン大統領は年2回ペースで行っています。俳優のジョン・ポール・ベルモンドやシャンソン歌手のシャルル・アズナブールの葬儀もこれに当たります。
まさに、マクロン大統領はケビン・ランデルマンならぬケビン・ランパツマンと言えるでしょう。
(written by 山崎健治)