[ごぼうの栄養]あく抜き不要!?その理由とレシピ2選
中国で薬草として用いられてきたごぼうは、食物繊維などの栄養素に加えて、ポリフェノールも含んでいます。今回は、ごぼうに含まれる主な栄養素を紹介すると共に、ポリフェノールを効率よく摂取する調理法やレシピを紹介します。
ごぼうの栄養の特徴は?
ごぼうの栄養の特徴は、なんといっても食物繊維の多さです。下は、ごぼう、レタス、キャベツ、ほうれん草(通年平均)、かぼちゃ(西洋かぼちゃ)、さつまいもの食物繊維量を比較したグラフです。食物繊維は、人の消化酵素では分解できない成分で、意識して摂らないと不足しがちになりますが、ごぼうは水溶性食物繊維を2.3g、不溶性繊維を3.4gと、よく食べる野菜の中でも食物繊維を含みます。その他にも、ごぼうは葉酸68μg(マイクログラム)やマグネシウム54mgを含みます(可食部100g当たり)。
ごぼうのあくはポリフェノールの一種、あく抜きは?
ごぼうを水にさらすと出るあくには、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が含まれています。クロロゲン酸は、色素や香りの成分でもあり、強い抗酸化力を持ち、活性酸素の発生を抑えてくれます。よってゴボウを食べる際は、ごぼうに含まれるポリフェノール“クロロゲン酸”を無駄なく摂ることができるよう、あくを抜きすぎないなど、工夫することが大切です。
ポリフェノールを摂取する調理法
●皮をむき過ぎない
ごぼうの香りと旨みは、皮付近に多く含まれています。なるべく皮をむかずに、たわしなどでよく水洗いするか、包丁の背で皮の表面を薄くこそげ落とす程度にしてください。
●油で炒める、揚げる
油で調理することによってあくを抑えられるため、水にさらすなどのあく抜きをしなくても食べることができます。
●加熱処理をしてから調理する
~さらにポリフェノールの抗酸化作用を高めるために~
加熱によってごぼうに含まれるポリフェノールの抗酸化作用が大きくなるという実験結果があります。
①生のごぼうと、②50℃で蒸したごぼう、③500Wの電子レンジで加熱したごぼう、それぞれを材料にして調理したきんぴらを使い比較をしました。加熱処理をした②③の方が、①の生よりもポリフェノールの効能である抗酸化作用が大きく、特に③の電子レンジ加熱は3つの中で最も高い数値になっています。日頃の調理にひと手間加えるだけで、機能性が高く、おいしいごぼう料理を作ることができると考えられます。
ごぼうの栄養を活かせるレシピ ~サラダ、スープ~
●ごぼうサラダ
ごぼうがやわらかくて食べやすい
材料(4人分)
ごぼう:100g(中1/2本)
にんじん:50g(1/4本)
きゅうり:100g(1本)
[調味料]
すりごま:大さじ2
マヨネーズ:大さじ3
漬物酢(なければ米酢でOK):大さじ1
塩:少々
こしょう:少々
砂糖:小さじ1
作り方
ごぼう(※)、にんじん、きゅうりを6cmの長さの千切りにする。ごぼうは、あくが気になる場合は酢水(分量外)に軽くさらし、きゅうりは塩でもんで少々しんなりさせ、水気を絞る。
ごぼうは皮をむきすぎないようにしましょう。
蒸し器にごぼうを入れ、中火で10分蒸す。蒸し上がる寸前ににんじんも入れ、さらに1分蒸す。火を止めて3分ほどおき、ザルにあげる。
ごぼう、にんじんが冷めたらきゅうりを加え、調味料であえて盛り付ける。
●ごぼうポタージュ
野菜の旨みとコクが詰まったクリーミーな一品
材料(4人分)
ごぼう:200g(中1本)
長芋:45g(2cm程度)
タマネギ:100g(1/2個)
ご飯:75g(茶碗1/2杯)
コンソメスープの素:小さじ1/2
牛乳:150ml
水:150ml
バター:15g
塩:少々
こしょう:少々
作り方
ごぼう(※)、長芋、タマネギを細かく刻み、水と一緒に弱火でやわらかくなるまで煮る。
ごぼうは、皮をむきすぎないようにしましょう。
やわらかくなったら、炊いておいたご飯と牛乳、コンソメスープの素、バターを混ぜ、さらに煮込む。
塩とこしょうで味を調えて完成。
最後に
ごぼうの栄養を無駄なく摂る方法を、調理に生かしてください。
[ごぼう]ささがきやあく抜きなど、料理別の切り方と下ごしらえ
独特の風味と歯ごたえが特徴のごぼう。食物繊維が豊富で、かたいので、しっかり噛んで食べる必要がありますが、よく噛むことは食べ過ぎを防ぎ、肥満防止やダイエットにもつながるといえます。
最終更新:2023.01.24
文:アーク・コミュニケーションズ
写真(撮影):清水亮一(アーク・コミュニケーションズ)
写真(撮影協力):吉田めぐみ
監修:カゴメ
出典:
独立行政法人農畜産業振興機構
今月の野菜 ごぼう(2009年1月)(ごぼうに含まれる食物繊維)
今月の野菜 ごぼう(2012年12月)(ごぼうの含まれるポリフェノールと多く含まれる部位)
「四季の野菜の栄養と健康」(ごぼうを油で調理する利点)
文部科学省「日本食品成分表2020版(八訂)」第2章
JAグループ とれたて大百科 ゴボウ
j-stage「ごぼうの抗酸化成分と加熱による保護」(加熱処理によるごぼうのポリフェノールの変化)
JAいるま野 とれ蔵KITCHEN(ごぼうサラダ)
JAおいらせ おいらせの特産品を使ったレシピ(ごぼうポタージュ)
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