#推ししか勝たん #本人不在の誕生日会 !? 話題のカスタムオーダーケーキ『Cake with』に直撃取材してみた!

あなたはいま好きな人はいますか?

いまの時代、いろんな娯楽や時間の過ごし方があって、個人の趣味嗜好が尊重されるダイバーシティ。愛の形も様々で、その相手がパートナーであったり推しであったり。それが2次元であろうと3次元であろうと、誰かを愛で愛おしむ。実に尊いではないですか。

最近SNSでめちゃくちゃカラフルなケーキを見かけることがありますよね。自分の推しのカラーのケーキやデコレーションで生誕を祝っている写真がタイムラインに流れてきたりします。微笑ましい。筆者は元々そういう色のケーキが売られているのかと思っていたんですが、実はこれ自分で好きにカスタマイズしてケーキをオーダーメイドしているらしいという情報が……。

実に興味深い。これは昂まる!! 自分の推しに想いを馳せながら、一個いっこパーツを選び抜き、色を変えデコレーションに悩み、自分だけの激アツの愛情をケーキに注入することができるんだぜ?(早口)最高じゃないか……。激るわ!!このケーキどんなところで作られてるんだ……。気になる!気になるぞっ!てなわけで、今回webで簡単にカスタマイズケーキを発注できるという、『Cake with(ケーキ ウィズ)』さんに直撃取材を申し込んでみました。

歌舞伎町のラボに行ってみると……

辿り着いたのは新宿歌舞伎町の一角。様々な“NO.1”のかっこいいお兄さんやキレイなお姉さん達の看板がこちらに微笑みかけてくる。みんなが一番!それがいい!Cake withさんはそんな繁華街のマンションの一室にラボをかまえていて、全国配送からラボでの直接受け取りまで対応している。

ラボに通されると、三人のパティシエールに迎えられた。ラボの中は外の喧騒とは打って変わって、こじんまりとしながらも整頓されシンと冷えた空気が佇んでいた。職人のいる場所はいつだって神聖なのだ。ここが日本の推しへの愛を一手に引き受けているのかと思うと熱いものが込み上げてくる。ありがとうパティシエール三人の女神達よ!と大声で叫んだ。心の中で。

今回は三人を代表して、moeさんにいろいろ質問しながら、発注したケーキを作っているところを見せてもらうことにした。

そう! 事前にwebから今回のケーキのデザインをオーダーしていたのです。このカスタマイズの注文画面が、出来上がりのサンプル画像を見ながらなので、イメージしやすいし、なんせ楽しい!いろいろ試したくなる。色だけでも24色あるのだ。迷う~!

今回推しのケーキを作ろうと思い悩みに悩んで作ったのが、この“ガジェット通信”ケーキ! 本当うちの推しかわいい。まず赤い。文字の白が映える。あと黒が差し色になって美しい! かわいさと美しさを兼ね揃えてるなんて、『ガジェット通信』は生まれ持ってのアイドルだね! あと『ガジェット通信』って名前が“カタカナ+漢字”って本当にかわいいよねー。「トリンドル玲奈」さんとか「トラウデン直美」さんとか「ピエール瀧」さんみたいで!

ケーキの上面に写真のプリントもできるということで、今回はロゴマークをドドン!とあしらってみました。作ったデザインがどのくらい再現されるかも楽しみですね。

moeさんインタビュー

――まずはmoeさんの経歴を教えてもらえますか?

moeさん:二年制の製菓の専門学校を卒業して、都内のフランス菓子の普通のパティスリーで3年ぐらい正社員で勤務していました。その後そこと並行して原宿の『KAWAIIMONSTERCAFE』とか、他の飲食店でお菓子以外にも料理とか作りながら、ちょっとふらふらしてたんですけど(笑)、Cake withに誘ってもらって、ここの立ち上げから携わって、今に至ります。

――立ち上げに携わったということで、最初からカスタムケーキをやりたいという感じだったのですか?

moeさん:元々オーダーケーキっていうのはあったんですけど、webでカスタムケーキのオーダーができるサイトを作ってあるのを私も知らなくて、「あっそうなんだ!」みたいな(笑)。でも、お客さんとの一個ずつのやり取りに凄く時間が掛かるのが、オーダーケーキの大変なところではあるので、それが少しでも省略できるのは画期的かなと思いました。

――moeさんがパティシエになりたいなと思ったきっかけはなんですか?”

moeさん:元々お菓子とか料理を作るのが好きだったのと、やっぱり専門職で職人的な仕事がしたいなと思っていたので。親もそういう専門的な仕事だったのもあり、あんまり会社に就職して働くみたいなイメージはなくて、もう中学生ぐらいの時からずっと進路は製菓に行くことを考えていたので、迷いなくその道を進みました。

――もしかしたら他の料理の道を進んだ可能性もあったのですか?

moeさん:うーん、でもお菓子ですね。最初からお菓子でした。料理も好きですけど、専門的にやるならお菓子かなと。そもそも専門に入る前から自分でお菓子作りを家でしょっちゅうやって、学校に作って持って行ったりとかしていました。

――カスタムケーキって、どんなお客さんに喜ばれているなって感じますか?

moeさん:“推しケーキ”がやっぱり流行っていて、InstagramとかSNSが普及してきてから特にだと思うんですけど、男性アイドルファンとかK-POPファン。後はゲームやアニメのキャラクターとかのお誕生日にハッシュタグとかをいっぱい付けて投稿するのが、ここ何年もずっと流行っていて、その需要がやっぱり一番大きいですね。もちろんお誕生日の個人的な利用も多いんですけど、やっぱり“映え”とかSNSの利用っていうところでは、10代後半から20代ぐらいの女の子が一番多いですね。

――今まで作ったデザインで印象に残っている物や面白かったものはありますか?

moeさん:造形とかではないんですけど、本当にただのシンプルなクリームを塗ったケーキに、外国人のサッカー選手みたいな写真がペッて付いたケーキの注文があって、多分大学生ぐらいのスポーツマンの男の子達が友達同士で取りに来てくれて、「お友達のお祝いですか?」って尋ねたら「そうなんです!」って、ニコニコの笑顔で受け取って行くってのがあって。

何か自分たちが狙っていた層以外にも、ちゃんと届いていて、カスタムケーキって凄く安いものじゃないのに、ちょっと面白いネタっぽいケーキにも使ってもらえるようになったんだなって思って、お客さんの手に届くまでの過程も含めてそういうケーキは印象に残っていますね!

――人気のデザインとかあったら教えてください

moeさん:2022年の8月で、Cake withを始めて丸一年になるんですけど、つい先日サイトをアップデートしまして、追加のデコレーションを増やしたんですよ。おっきいリボンの飾りとか、絞るクリームのデザインの種類をいっぱい増やして、さらにデザインの幅が広がったんですね。そしたらやっぱりリボンが乗ってるケーキの注文がすごく増えて!毎日リボン作っています(笑)

――えっ!? このリボンもここで作ってるんですか?

moeさん:そうですね。細工用のチョコレートがあって、粘土みたいに扱えるのでスタッフで手作りしています。

――今までこれは手応えがあったなという企画はありますか?

moeさん:6月にレインボープライドのタイミングに合わせて、LGBTQ+コミュニティを支援するためにレインボーカラーのケーキを作って、その売り上げの一部を、子育てをするLGBT家族の会「にじいろかぞく」へ寄付しました。そんなにめちゃめちゃいっぱい注文があったという訳じゃないですけど、今まで関わりがなかった他の団体の方から問い合わせがあって、「是非使いたい」と結構反響があってお声がけいただきました。考え方とか意識づけの部分でも“ケーキ作る”っていうところに加えて、貢献という程じゃないですけど、何か少しでも社会の一員になれたのかなと。今後もそういう企画は積極的にやって行きたいです。

――素敵な企画ですね!

moeさん:ありがとうございます!もっといろんな人が多様性について考えてくれるきっかけになったらいいなと。継続したいなと思っています。

――さまざまな取り組みをしているようですが、このCake withで働く最大の魅力ってなんですか?

moeさん:そうですね、今までは普通の“THEパティスリー”みたいな、“THE職人”みたいな働き方のお店にいたというのもあるんですが、Cake withは働き手側の自由度は高いですね。もちろん作るケーキに対しての責任感は同じですけど。それと、ケーキの業界って割とその業界の中で完結することが多いんです。ここはグループ会社の中にいろんな業種があって、バーとかネイルサロンがあったり自分達のお菓子の業界以外の他業種とかかわりが結構持てるんです。世界が広がるじゃないですけど、企画とかでアパレル経営の人たちとか、色んな業界の人と会えたりお話することがあるので、それはCake withならではかなと思います。

――最後にmoeさんにとってケーキ作りとは?

moeさん:仕事……。仕事ではあるんですけど、例えばあんまり最近会ってないなっていう人とかから「moeちゃんケーキ作ってるんだよね?」って急に連絡がきて、「子どもの誕生日があるから急だけどお願いできる?」とか言って、そこから久しぶりのコミュニケーションが生まれたりとかするんですよ。

他にも親の仕事関係の人が突然、「息子が何かこういうクッキー欲しいって言ってるんだけどできる?」とか。謎の交流が生まれて、それって自分がそういう専門的な技術があるからこそ構築される人間関係があるのかなと。そういう出来事に仕事を続けていく中で遭遇したので、ケーキ作りは仕事であり、そういう普段遊んだり交わることはないコミュニティとの繋がりを作りだす、コミュニケーションツールにもなる技術かなと思っています。

ーー深い!本日はありがとうございました!

moeさん:ありがとうございました。

ガジェ通推しケーキ鑑賞タイム!

さあ、そうこうしている間にケーキが出来上がったので、見ていただきたい! ゴスロリのドレスに身を包んだかのように飾り付けられたガジェット通信ケーキのなんてかわいらしいことっ! もうこれは、『ガジェてゃん』ですよ! これは捗るなあ!

サンプルの画像と実際の出来上がり見比べてみましょう! どうですか? 実際の方がもちろん断然いいんだけど、再現度高くて満足度高い!!

ここでぶっちゃけ話なのですが……。こんだけカラフルなケーキだとどうしても、アメリカのヒャッハー! な激甘お菓子の味を想像してしまって、そこまで味は期待していなかったのすが(失礼)……。食べてみたら、アレ? 普通に美味しいぞ。生クリームもくどさがなく、全体的に甘さも控えめ。スポンジとかボソボソしてるのかなと思っていたけど、ふんわりしっとりしていて、逆に予想を裏切ってきてびっくり! 嬉しい裏切りですね! 美味しい!

もう一つのカスタムケーキその名も『純白』

そして今回もう一つ漆黒のケーキをオーダー! 新色のクリーム『真夜中ブラック』をふんだんに使用してみました。実際のところ予想していたより黒くなかったのですが(笑)、これはきっと東京の真夜中なんだなあー。東京の夜は街明かりでずっと明るいからね! 眠らない街トウキョウシティ。とは言えこの黒いケーキかなりのインパクト。普通ケーキって白いからね。自らの存在を否定するかのような“純白”の文字が鈍く輝く。儚い。

Cake withさんの最新情報としては、この夏サービス開始一周年を記念して、2022年8月8日から人気アーティスト4名とコラボキャンペーンがスタート!「憧れのレトロ」をテーマにJENNY KAORIさん、電Qさん、おまけ星さん、HOHOEMIさんがオリジナルケーキをプロデュース。かわいさと工夫を凝らしたケーキを販売するとのことなので、こちらの特設サイト(http://retro.cakewith.com/)も要チェック!

webのオーダーシステムがしっかりしているので、もっとシステマチックに工場で作られているのかと思ったら、実は職人さんたちが一個いっこ丁寧に愛情を込めて作っていたとは。かわいいものから、クールでかっこいいもの、面白くてネタになりそうなものまで、幅広くカスタマイズできるオーダーケーキの世界。アイデアと個性豊溢れるセンスで自分だけのケーキ作りを試してみてはいかが?それがお前のオリジナリティ

Cake with(ケーキ ウィズ) 関連情報まとめ

・公式サイト:https://cakewith.jp/ [リンク]
・Instagram:https://www.instagram.com/cakewith_tokyo [リンク]
・TikTok:https://www.tiktok.com/@cakewith_tokyo?_t=8UewLig9d9V&_r=1 [リンク]
・Twitter:https://twitter.com/cakewith_tokyo [リンク]
Cake with|1周年記念企画「憧れのレトロ」特設サイト
 http://retro.cakewith.com/ [リンク]

(執筆者: 周二郎)

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