『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』コリン・トレボロウ監督&ディワンダ・ワイズに聞く「自分の“エゴ”の度合いが測れる作品になっている」
巨匠、スティーヴン・スピルバーグが“恐竜”に命をふきこみ、誰も観た事がなかったリアルでスリリングな映像体験に世界中の人々が心を躍らせ、映画史に偉大な足跡を残した『ジュラシック・パーク』、そして『ジュラシック・ワールド』シリーズ。累計5000億円以上の世界興行収入を記録しているこの『ジュラシック』シリーズに関して、全世界待望のシリーズ最新作にして完結編となる『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』が7月29日(金)より大ヒット上映中です!
作品のプロモーションのため、来日したコリン・トレボロウ監督と、物語を大きく動かす新キャラクター・ケイラを演じるディワンダ・ワイズさんにお話を伺いました!
――ディワンダさん演じる、新キャラクター・ケイラはとてもカッコ良い人物でした。監督は彼女をどの様に描きたいと思いましたか?
コリン・トレボロウ監督:ケイラというキャラクターは、最初から僕ら(監督と共に脚本を務めたエミリー・カーマイケル)とディワンダで一緒に作っていったという感じなんだ。ケイラに彼女自身(ディワンダ)を入れ込む余地を作るべきだと思った。役者さんが自由に演じることが出来る可能性も残したい。新しい役者さん、新しいキャラクターが映画に登場する時、色々な“マジック”が起こるものなんだ。
――ディワンダさんからこの魅力的なキャラクターのインスピレーションを受けた部分も多いのですね?
コリン・トレボロウ監督:そうだね、その通りだ!
ディワンダ・ワイズ:嬉しいわ!(笑)2019年の12月頃の話だから、監督はこれを言った事を覚えていないかもしれないんだけど、「ケイラはファム・ファタール的な要素も持っている」という事を聞いて、なるほどな、と思いました。ケイラはミステリアスだし、自分を守っている部分も多い。私たちは映画を通して少しずつ彼女の事を知っていくのだと。
コリン・トレボロウ監督:ケイラの様なミステリアスで全てを明かさないキャラクターというのは、実は最近少なかったと思うんだよね。これまでの映画史にはたくさんいるのだけど。
――オーウェンとクレアともまた違う、ワイルドさと知的さを持っているキャラクターですよね。
コリン・トレボロウ監督:この作品はそれぞれのキャラクターがたっているよね。『ジュラシック・ワールド』(2015)では、オーウェンはベストを身につけていて、クレアは白いブラウスで走り回った。そういった特徴的なアイコンがケイラにもある。飛行機の操縦が出来て、ジャケットをクールに着こなしている。映画の登場からすぐ彼女がみんなのお気に入りになってくれると確信していたよ。
――今年のハロウィーンはケイラのコスチュームを真似る子供たちも多そうですね!
ディワンダ・ワイズ:そうなの!!私もそれをすごく楽しみにしているのよ!
――ディワンダさんはこれまでのシリーズをどの様にご覧になっていましたか?
ディワンダ・ワイズ:長年に渡って多くの人に愛されているこのシリーズに携われて本当に光栄でした。これだけ長い時間、最初から色々なものを受け入れる懐の広い作品という所が素晴らしくて、様々な作品が生まれているけれど、すぐに受け入れることが出来ました。たくさんのシリーズ物があるけれど、『ジュラシック・パーク』『ジュラシック・ワールド』のファンは一番“あたたかいファン”の様な気がするわ。
コリン・トレボロウ監督:本当にそうだよね。あたたかいファンばかりだ。そして、このシリーズのファンには“恐竜ファン”も含まれているわけだよね。もちろん映画のストーリーを楽しみながらも、元々恐竜が大好きな方が多い。恐竜の大ファン、生物学者、研究をしている学生さん、そんな方からの期待にも応えないといけない。それは少し大変だけどね(笑)。
――今回も一緒に来日していますが、俳優の先輩であるブライス・ダラス・ハワードさんとの共演で感銘を受けた事があれば教えてください。
ディワンダ・ワイズ:性格診断で2人とも“提唱者”型 (INFJ) だったの。だから性格も似ているし、仕事に対して100%力を出しきるという姿勢も全く一緒だったので、すぐに打ち解けることが出来たわ。ケイラとクレア自体はちょっと摩擦があるキャラクターではあるのだけど、ブライスとは本当に素晴らしい時間を過ごさせてもらったの。ブライスは、「自分自身が良い演技をする為に動ける“監督”」でもあって、作品の為に何をすれば良いか、現場の為にリーダーシップを発揮することが出来る。彼女が言ったことで絶対に忘れないと思ったのは、コールシート(進行表)に自分の名前が1番上にあった時は、その現場で自分が役者のトップである責任があるのだと。座長的なポジションであるという考え方をブライスに教わりました。
――そして、本作には『ジュラシック・パーク』初期3作で中心人物であった博士3人が登場しますね。
コリン・トレボロウ監督:僕自身、彼らが出演している映画を観て育ってきたのでとても光栄だったよ。僕は「観客としての彼らへのイメージ」という感覚も持っているから、たとえば「ジェフ(ゴールドブラム)であれば、こう振る舞うに違いない」と観客が思う部分が分かる。だからこそ、あえてちょっとイメージとは違う一面を描きたいと思った。今までの部分をリサイクルするのではなくて、新しい部分を見せていきたいなということもチャレンジの一つだった。
――このシリーズはフィクションで、エンターテイメントでありながら、人間のエゴや自然の脅威など、現実世界とリンクする部分もあります。お2人は自然や動物との共存などなど、感じていらっしゃる部分はありますか?
コリン・トレボロウ監督:僕は監督としてこの映画にメッセージ全てを託しているし、それをふまえて今あなたがそういう質問をしてくださっていると思ったので、とても嬉しいです。ありがとう。
ディワンダ・ワイズ:私たちはこれだけのもの(取材部屋の窓から見える建物を差しながら)を作れる種であるのだから、謙虚でいなければいけないと思います。人間もこの世界の動物王国の中の一員であるわけです。この映画が、これまでのシリーズと少し違うのは、「お互いを思い合って、面倒を見合わないといけない」という事を改めて思い出させてくれる部分なの。それは人間と動物だけではなくて、人間同士もそうです。この映画を観ることで、自分の“エゴ”の度合いを測ることが出来る。そんな素晴らしい作品になっていると思います。
――素晴らしいお話をありがとうございます!最後に、お2人の“推し教習”を教えてください。
コリン・トレボロウ監督:爪の長い「テリジノサウルス」が好きだよ。こんな生き物が実在したの?って本当に興味深いですよね。
ディワンダ・ワイズ:私は、映画の中で戦った「ヴェロキラプトル」ね。あそこまで追いかけられていなかったらペットにしたいくらい魅力的よ(笑)。
――爬虫類の様で、お顔が可愛いですよね(笑)。今日は楽しいお話をありがとうございました!
撮影:オサダコウジ
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』
【出演】クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ローラ・ダーン、
ジェフ・ゴールドブラム、サム・ニール、ディワンダ・ワイズ、マムドゥ・アチー、
BD・ウォン、オマール・シー、イザベラ・サーモン、キャンベル・スコット、
ジャスティス・スミス、スコット・ヘイズ、ディーチェン・ラックマン、ダニエラ・ピネダ
【監督】コリン・トレボロウ
【脚本】エミリー・カーマイケル、コリン・トレボロウ
【キャラクター原案】マイケル・クライトン
【ストーリー原案】デレク・コノリー、コリン・トレボロウ
【製作】フランク・マーシャル、パトリック・クローリー
【製作総指揮】スティーヴン・スピルバーグ、アレクサンドラ・ダービシャー、コリン・トレボロウ
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