【京都・ローカル線の旅】叡山電車「ひえい」と初夏の青もみじ
毎度ご乗車ありがとうございます。鉄道大好き芸人ダーリンハニー吉川正洋です。今回は京都へ出かけましょう。京都といえばお寺や神社のイメージがありますが、実は、列車も大充実している街なんです。それではさっそく鉄分補給をしに京都へ出発!!
東京駅
旅の始まりは東海道新幹線
京都までの車窓はバラエティ豊かです。左には海、右には富士山。浜名湖や田園風景も。たくさんの列車も見えますし、運が良ければ線路や架線の状態を調べる「ドクターイエロー」ともすれ違います。私のオススメは……JR品川駅を出てすぐの「反射スポット」!
ビルに新幹線がばっちり反射! 「さぁ旅が始まるぞ!」という気持ちにさせてくれる美しい反射です。車窓を眺め、めちゃくちゃかたいアイスを食べたりしながら2時間15分ほどでJR京都駅に到着しました。
京都駅
叡山電車の観光列車「ひえい」に乗ろう
京都駅からは出町柳駅へ。JR奈良線と京阪電車を乗り継いで20分ほどで到着です。
この駅から乗るのは、大胆なデザインの観光列車、その名も「ひえい」!
2018年にデビューした観光列車「ひえい」は、出町柳駅と八瀬比叡山口駅を結んでおり、特別料金はかかりません。車両は新造に見えますが、700系732号を改造して運行しています。比叡山や鞍馬寺が持つ荘厳で神秘的な雰囲気を楕円で表現した列車です。
斬新な見た目に思わず「ひえ〜!」と叫びたくなりますが、この車両が浮いて見えないのが京都のすごいところ。さっそく発車です!
叡山電車の沿線にはお寺や神社、一乗寺ラーメン街道もあります。また多くの学生さんも利用していて、生活感と観光ムードが見事に両立している路線です。
「ひえい」は宝ケ池駅で鞍馬方面と別れ、八瀬比叡山口駅へ。15分ほどで終点に到着しました。
1925年(大正14年)に誕生した八瀬比叡山口駅もまた素晴らしい駅!
ここから先も見どころたっぷりなので行ってみましょう!
ケーブル八瀬駅
八瀬もみじの小径で自然パワーをチャージ
八瀬比叡山口駅から歩いて約5分。「叡山ケーブル」の駅、ケーブル八瀬駅に到着です。新幹線→在来線→ケーブルカーという流れ、乗り鉄にはたまりません。
看板に「八瀬もみじの小径」と書いてありますね。ケーブルカーの発車まで時間があるので寄ってみることにしました。
見渡す限りの青もみじ。綺麗だなぁ。真っ赤なもみじもいいけれど青もみじも美しい。これでもかというくらい緑が目に飛び込んできて、自然パワーをフル充電できます。街からちょっと来ただけで自然の中に飛び込める。さすが京都。ケーブルカーを待つのにちょうどいいスポットでした。
叡山ケーブル
高低差日本最大! 叡山ケーブルに乗車
それでは叡山ケーブルに乗りましょう。ケーブルカーはロープで繋がれていて、上にある巻上機が車両を引き上げる仕組み。この叡山ケーブルは高低差がなんと561mもあり日本最大!
列車は前から見る展望が好きですが、ケーブルカーは後方展望がオススメ。先ほどまでいた駅が離れていったり、遠くに街が見えたりして「おー! 登ってる!」というのを実感しやすいからです。
叡山ケーブルの最大勾配は普通の列車ではあり得ない530パーミル(パーミルとは1,000m進むと何m昇降するかを表す勾配の単位です)。角度にして約27度! 列車(粘着式)の最大勾配は箱根登山鉄道の80パーミルですから、いかに急角度を登っていくか、数字だけでもわかっていただけると思います。
ケーブル比叡駅
パノラマ広場でかわらけ投げ?
比叡山の中腹までやってきました。ここから叡山ロープウェイに乗ると比叡山山頂まで行くこともできますが、ケーブル比叡駅の周りも見どころがあります。
それが……
京都の街を豪快に一望でき、またフォトスポットもあるのでありがたいです。
そしてロープウェイ乗り場の近くには「かわらけ投げ広場」もあります。
「かわらけ投げ」とは土でできている丸い「かわらけ」にお願いごとを書いて、白い輪の中をめがけて投げる願掛け。かわらけは3枚100円で、料金はお賽銭箱に入れます。レッツチャレンジ!
かわらけ意外と飛ぶ! そしてコントロールが難しい! ピューっとあらぬ方向へ飛んでいってしまいました。輪の位置も絶妙でなかなか入りません。結局9回投げても私の腕では入りませんでした……。ただ、大自然の中にかわらけをポーンと投げるときの気分は爽快の一言。次に京都に来たときもここに来るぞ!
この後は京都駅へ戻り、駅近くのホテルでゆっくり1泊しました。さぁ明日は、いよいよあそこに行きますよ!
京都鉄道博物館
京都鉄道博物館はレジェンド車両の殿堂
2日目。京都といえば……もちろん、京都鉄道博物館! 最寄り駅は嵯峨野線のJR梅小路京都西駅。京都駅からは徒歩20分ほどで行くことができます。
2016年にグランドオープンしたこの施設。わたくし数えきれないほど訪れていますが、何度来てもウキウキします。入館料は一般1,200円です。
まず驚くのが保存車両の数。その数なんと53両!
正直このレジェンド車両を眺めているだけで1日が過ぎてしまいます。鉄道に詳しくない方も「あ! これ懐かしい!」という車両に出合えるはずです。
京都鉄道博物館
京都鉄道博物館といえば……動くSLたち!
この場所は元々「梅小路機関車庫」というSLの車庫があった場所。鉄道開業100周年を記念して「梅小路蒸気機関車館」が開館し、その後現在の京都鉄道博物館にリニューアルされました。SLだけでも20両保存されているのですが、その中で動く状態で保存されているSLが8両もあります。さすがSLの聖地!
さらに嬉しいのが実際に動くSLが牽引する客車に乗車できる「SLスチーム号」が運行されていること!(※)
※編集部注:運行スケジュールは京都鉄道博物館のホームページをご確認ください
「ポッポー!!」という大きな汽笛を合図に発車したSLスチーム号。片道500m、往復1kmをゆっくりゆっくり走ります。うおー、本物のSLが押してくれている!!
SLスチーム号のすごいところはバリバリの営業線である嵯峨野線と並走しているところ。通常の列車とすれ違うわけですから、もうここが博物館なのか列車の路線なのかわからなくなってきます。
京都鉄道博物館、伊達じゃありません!
京都鉄道博物館
ジオラマにシミュレータ、そして名物グルメも
幅約30m、奥行き約10mの巨大なジオラマでは鉄道模型が走ります。15分のショーになっていて、全然飽きません。ちびっ子が「サンライズ!」「スーパーはくと!」「ドクターイエロー!」と興奮していて可愛かったです。
こちらは電子チケットを事前に購入して体験できる運転シミュレータ(10分100円)。在来線6台と新幹線2台があります。私は新幹線を運転してみましたが、やっぱり楽しい。そして難しい。やるたびに本物の運転士さんへのリスペクトが増していきます。
体験や見学をしていたらお腹が空いてきましたのでレストランへ。
メニューにも列車っぽさが加わっていて思わずニヤニヤ。そしてこのレストランからの眺めもバッチリでまたニヤニヤ。
あと2万字くらい見どころを書きたいところですが、長文になりすぎるのでまたの機会にしましょう。
京都鉄道博物館、やっぱり最高でした!
梅小路公園
旅の締めは市電ひろばでお土産を
最後は「梅小路公園」の中にある「市電ひろば」へ。京都鉄道博物館からは徒歩5分ほど。
京都は日本で最初に路面電車が走った街。民間の手で1895年に運転を開始し、その後京都市電となり1978年まで走り続けました。その車両が今でも保存されており、市電カフェやグッズショップになっています。
最後はここで列車グッズを買って帰るとしましょう。
いや〜今回もいい旅になりました。京都で鉄分濃いめの旅ができて、私のテンションは800パーミル!
(あらためて、パーミルとは勾配の単位です)
東京駅
掲載情報は2022年7月19日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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