アスパラの栄養は色に出る!?種類や名前の由来などまとめて紹介

アスパラの栄養は色に出る!?種類や名前の由来などまとめて紹介

アスパラガス(以降アスパラ)は、よく目にするグリーン以外にも、ホワイトや紫などいろいろな色があります。今回は、色による栄養や成分の違い、名前の由来、日本に入ってきた経緯などアスパラのうんちくを紹介します。

種類と、栽培方法は?

アスパラは栽培方法でグリーン、ホワイトの色の違いが出る

アスパラはユリ科の多年草です。
グリーンアスパラとホワイトアスパラは同じ種類で、その中には「ウェルカム」や「スーパーウェルカム」「ガインリム」などの品種があります。色の違いが出るのは栽培方法の差です。
グリーンアスパラは、発芽した後も日光に当てて自然のまま育てます。
一方、ホワイトアスパラは、芽が出る前に土をかぶせたり、遮光されたビニールハウス内で育てることで、白い状態で収穫します。

なお、紫アスパラは、グリーンやホワイトとは異なる種類で、表皮にアントシアニンという紫色の色素を多く含みます。糖度が高く繊維質が少ないため、生食としても適しています。

アスパラの栄養と味わい、色による違い

アスパラギン酸のほか、紫にはポリフェノールが含まれる

アミノ酸の一種のアスパラギン酸を440mg含みます。アスパラギン酸は、アスパラから発見された栄養素で、アスパラ特有のうま味や甘みの元になっています。
またその他の栄養素では、葉酸を190µg(マイクログラム)と多く含むほか、ビタミンC15mg、ビタミンK43µg、ビタミンE(α-トコフェロール)1.5mgなども含みます。(いずれも可食部100g中の含有量)。

●ホワイトアスパラ

[糖度]
糖度を計ると、先端部分ではグリーンが高いのですが、根元部分ではホワイトが最も高くなりました。盛り土をして育てるホワイトは先端から根元まで甘みが均一という特徴があります。
[苦み]
アスパラのほろ苦さはおもにサポニン化合物のプロトディオシンによるものですが、ホワイトは、プロトディオシンをグリーンや紫よりも多く含みます。サポニン化合物は、ストレスに対して防御物質として作用します。特に盛り土をして育てるホワイトは、土の中などストレスが多い環境で育つため、グリーンよりも多くのプロトディオシンを合成すると考えられます。

●紫アスパラ

ポリフェノールの一種である紫色の色素アントシアニンが、グリーンアスパラの約10倍も含まれています。アントシアニンは加熱すると褪色するため、紫アスパラをそのまま加熱すると濃い緑色に変わってしまいます。色を紫のままきれいに保つには、酢やレモン汁などを加えて茹でるのがおすすめです。

それぞれのアスパラの特徴についてはコチラ

アスパラのうんちく

●日本に入ってきた経緯

原産地は、南ヨーロッパからウクライナ地方だといわれています。日本には、18世紀末頃オランダ人によって伝えられましたが、当時は観賞用として葉を楽しんでいました。食用となったのは、明治時代にアメリカから北海道へ種子が伝わってからです。その後、大正時代に本格的な栽培が始まりました。

●名前の由来

「たくさん分かれる」というギリシャ語が語源で、新芽という意味があります。その名前の通り、茎、葉、根がたくさん分かれます。

●雄株と雌株がある

雄株の穂先は筆のような形で、雌株は丸い形

アスパラには雄株と雌株があります。穂先が「隙間のある筆のような形」をしているのが雄株(イラスト左)で、「締まった丸い形」をしているのが雌株(右)です。雌株の方が芽を出す数が少なく、1本への栄養が多く分配されるため、栄養価が高くておいしいといわれています。

最後に

日本では流通の大半をグリーンが占めますが、最近はホワイトや紫の人気が高まっています。ぜひ、いろいろなアスパラを食べてみてください。

[アスパラガス]栄養や選び方、保存や料理別の切り方まとめ

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アスパラガスは、冬の間に養分を蓄えた根から、春~初夏にかけて伸び出してくる若い茎の野菜。日光を当てて栽培したものがグリーンアスパラガス、土をかぶせ遮光して育てたものがホワイトアスパラガスになります。

最終更新:2022.11.28

文:アーク・コミュニケーションズ
イラスト:林タロウ
監修:カゴメ
出典:
文部科学省「日本食品成分表2020版(八訂)」第2章
独立行政法人 農畜産業振興機構 今月の野菜「アスパラガス」
2005年4月(分類、日本伝来のうんちく)
2008年7月(日本伝来のうんちく、語源、紫アスパラのアントシアニン)
国土交通省 北海道開発局 北海道の農産物食材カタログ「アスパラガス」(品種、栽培方法、雄株と雌株について)
J-stage
「アスパラガスの1年養成株全収穫栽培法における軟白の有無および異なる軟白法が若茎の収量および品質に及ぼす影響」(栽培法で異なるプロトディオシン含有量)
「異なる軟白方法がホワイトアスパラガス若茎中の糖類およびプロトディオシン含量に及ぼす影響」(苦味成分であるプロトディオシン)
JAさが 佐賀県農業協同組合 佐賀の農畜産物「アスパラガス」(ホワイトアスパラの栽培方法)
JA会津よつば 農畜産物「アスパラガス」(紫アスパラのアントシアニン)

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