映画『鋼の錬金術師 完結編』原作ファン・本郷奏多が推せるポイントはハズレ無しの<納得のキャスティング>!「クレジット順考えるの大変だっただろうな、と思います(笑)」
二部作連続公開で完結となる映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』より、エンヴィー役の本郷奏多さんの撮り下ろしインタビューをお届けします。
連載開始20周年新プロジェクトとして発表された実写完結編二部作は、エドとアル兄弟の物語を、原作の最終話まで映像化することにこだわった国家錬金術師の抹殺を誓う男スカーとの対決を描く『復讐者スカー』(5月20日より上映中!)と、国家を揺るがす巨大な陰謀に導かれ物語の壮大なラストを描く『最後の錬成』(6月24日公開)で完結を迎えます。
2017年12月に公開された1作目から引き続きエンヴィーを演じる本郷奏多さんに、今作の見どころや原作ファンとしてのオススメポイントなどお話を伺いました。
――1作目から5年ぶりとなる続編ですが、制作並びに出演が決まったときの心境をお聞かせください。
本郷:正直、驚きました。続編をもし撮るとなったら、こんなに期間が空いてからということはなかなかないことだと思うので。1作目を作っているときにも続編を撮りたいとは言っていたんですよ。でも、1~2年経って話がなかったので、もうないんだろうなと思っていたところに、今回のお話が来たのですごくビックリしましたし、実際に撮ってみたら、1作目に出演していたキャストが1人も変わらず同じ役を演じるということだったので、すごく素敵なことだと思いまして、楽しみながらやらせていただきました。
――前回、ネタバレ込みでインタビューを掲載させていただいたのですが、1作目の最後に本体が出るシーンは、監督の好意で付け加えてくださったというお話だったので、その伏線が回収されて良かったなと思いました。
本郷:確かにそうですね(笑)。監督とも続編が作れたらいいなと話していたので嬉しかったですし、小さいエンヴィーのシーンは1作目の台本になかったのに付けてくれて、その子までちゃんと出てきてくれて嬉しかったです。
――本郷さんご自身は変わらないように何か意識したことはありましたか?
本郷:1回やっていることなので、特別何か新しく意識したことはないですね。一応、期間が空いたから原作を読み返したり、1作目の映画を見返したりして、多少の調整のようなことは心がけましたけど、特別意識したことはなかったです。
エンヴィーは正直よくわからないキャラクターじゃないですか。実際に最後まで見切らないとホムンクルスたちの目的もわからない部分があるので、たぶん1作目のときはそこまで描かれていなかったし、謎めいたキャラでよかったと思うんですけど、2作目、3作目ではホムンクルス達にも目的があるということが明らかになってきて。でも、やっぱり“得体の知れない謎の敵感”みたいなものを一番大事にしていたかな、と思います。ホムンクルス側は特に一癖も二癖もあるようなビジュアルのキャラクターが多いと思うので、なんだコイツらは?みたいな感じは大切にしていました。
――撮影で印象的だったことはありますか?
本郷:今回、エンヴィーは犬や馬など動物に変身することも多くて。なので、犬からエンヴィーに変わるときなどは、犬だった四つん這いの体勢から始めなければいけないので、変なポーズをいっぱい撮りました(笑)。「もうちょっと左手を前で」「首を上げて」とか言われて、何をしているんだろう、と思いながら撮っていました。
――肉体的につらかったなどはなかったですか?
本郷:肉体的につらかったのはあまりないかな。エンヴィーってそのままの姿でバトルをすることがあまりないので。他の皆さんは頑張っていました、アクションチームが毎日筋トレや準備運動をしているのを横目に僕は普通に座っていました(笑)。
――前回もご相談の上、特に筋肉をつけなかったと仰っており、『復讐者スカー』を観て、本郷さんが前作とまったく変わっていないな!という印象だったのですが、改めて1作目を見返してみると、本郷さんの体が今回のほうが締まっているように見えました。
本郷:そうなんですか? ダメじゃないですか(笑)。
――いえいえ! 進化しているという意味で、時間を経て劣化どころか逆に美しくなっている!と思って。お腹周りなど引き締まっているように感じました。
本郷:特に何もしていないですけど(笑)。まあエンヴィーは自分の好きなように外見を変化させられるので、何でもいいんじゃないですか(笑)。体づくりは自由にということだったので、僕は自由にやりました(笑)。
――また、ホムンクルスメンバーは前回イタリアに行けなかったので、続編があれば行きたいと仰っていましたが……。
本郷:今回は全体で日本の撮影だけだったと思いますし、基本的にはスタジオでグリーンバックの世界でやっていました。
――またイタリアには行けず……。
本郷:そうですね……(笑)。
――撮影はコロナ禍だったのでキャストの皆さんとお会いすることは難しかったのでしょうか。
本郷:今回はポスターに映っている方の半分くらいしかお会いしていないかなという印象です。だから、試写会で初めて皆さんのビジュアルも見るという感じでした。
今回、(エド役の)山田涼介くんが一番一緒に居たんじゃないかなと思います。山田くんは本当にすごいな、といろんなタイミングでひしひしと感じますね。やっぱり現場に居ても、もちろんお芝居も素敵だし、すごく忙しいだろうに疲れた感じを一切出さないし、周りにも気を使っているし。出来上がった作品を観ると、いろんな見せ方や体を使うのも上手いし、本当に絵に描いたような「ザ・スター」だなと常々思います。山田くんのおかげでこの作品は成り立っているという感じがすごくしますね。
――リン役の渡邊圭祐さんとの共演シーンも多かったですね。
本郷:明るくて素敵な若者だなと思いました(笑)。僕は仙台出身なんですけど、渡邊さんも仙台出身で、そんな話を現場でした記憶があります。「仙台なんです」ということで盛り上がった気がします。……けど、正確に思い出せてない時点で盛り上がってないですよね(笑)。
※この詳細は後編公開時の渡邊さんのインタビューをお楽しみに!
――撮影もだいぶ前だったと思うので(笑)。渡邊さんのリンもピッタリだと思ったのですが、いかがでしたか?
本郷:ちょっと何を考えているかわからない飄々とした感じとか、要所要所で気合いが入ったときの強い目つきとか、すごくリンに合っていると思いました。3作目でグリードになるところは難しいことを要求されていると思うので、どういうお芝居をなさっているのか、楽しみに観たいと思います。
参考記事:
リン/グリードVSブラッドレイ!映画『鋼の錬金術師 完結編』カッコ良すぎるバトルシーン本編映像公開 渡邊圭祐「舘さんが”いい目だな”と言ってくださったんです」
https://otajo.jp/108502[リンク]
――改めて完成した『復讐者スカー』をご覧になった感想を教えてください。
本郷:相変わらずCGすごいな!と思ったり、1作目も含めですけど、新しいキャストの皆さんにこんなすごい人たちをよく揃えたな!という感じです。あれだけの名前がズラッと並ぶのは本当にすごいですし、クレジット順とか考えるの大変だっただろうな、と思いますね。めっちゃ大変だったと思います。電話何百本のやり取りがあったんだろうなということが伺えますよね、あのクレジットだけでも(笑)。
――舘ひろしさんや内野聖陽さんなど豪華キャストが新キャストとして加わって。
本郷:そのベテランの方々というか、渋い素敵な方々が演じられたことによって、作品が一気にドシッとした感じはありますよね。それはすごく素敵なことだと思いました。
――興奮したシーンは?
本郷:『復讐者スカー』では、やっぱりイシュヴァール殲滅戦の若き日のマスタング大佐とヒューズさんが素敵でしたね。あと、キンブリー役を山田裕貴くんが演じていて。山田裕貴くんはものすごく素敵な俳優さんだと僕は思っていて、普通にファンなので素敵でした。
――寺田心くんの“只者じゃない感”もすごいな!と思いました。
本郷:でも、こんな事言うのもあれなんですけど、心くんが出てきたときに、「あ!心くんだ!!」と思いました(笑)。ちょっとほっこりするというか。めちゃくちゃ可愛かったですね。
――前作に登場していなかったキャラクターの中で、本郷さんが注目する新キャラは誰ですか?
本郷:オリヴィエ役の栗山千明さんは、キャスティングが決まったときに、「めちゃめちゃいいな!」と思いました! 栗山さんのクールなビジュアルは完璧だろうなと、すごく楽しみになりました。でも、『復讐者スカー』にはまだ登場しないので、3作目を観るのが楽しみです。
『復讐者スカー』の中で言うと、ブラッドレイ役の舘さんが素敵ですね。ダンディーで、実はホムンクルスでめちゃくちゃ強いみたいな、超カッコイイおいしい役どころで素敵でした。
本郷:あと僕が嬉しかったのは、前回死んでしまったんですけど、佐藤隆太さん演じるヒューズが登場する、昔のイシュヴァール殲滅戦時代のシーンもきちんと新規映像として作ってくれたのはワクワクしました。僕は1作目では一番ヒューズさんが推しなのでとても嬉しかったです。
――原作ファンとしてオススメポイントや、楽しみにしてほしいところは?
本郷:ハガレンって登場人物がすごく多くて、そのたくさんの登場人物をよくここまで集めたな、というくらいの素晴らしい豪華キャストが演じていて。「え、それはないだろ?」みたいなキャスティングが僕はなくて。僕も「新キャラのキャストは誰がやるんだろう?このキャラとかめっちゃ難しくない?」と思っていたんですけど、「なるほど、すごい!」と納得するキャスティングがすごく多くて。本当に素敵なキャラを素敵なキャストさんが担当して演じることになったなと思うので、そこが見どころかなと思いますね。
――場面写真やキャラクターPVなどを解禁するたびに大きな反響があります。キャスティングは前作以上に推せるポイントですよね。
本郷:そう思いますね。前作の人がそのまま全員同じ役を演じているというのが本当にすごいことだと思いますし、今作からのキャストも含めてこれだけの方々がよくスケジュールを合わせたなって。
――今、本郷さんが代価を払ってまで等価交換で得たいものはありますか?
本郷:すごく個人的な話なんですけど、最近メインで使っているパソコンの調子が悪くて。もう定価の3倍を支払うから、あの頃の状態に戻してほしいですね。
――新しいものが欲しい、ではないんですね。
本郷:新しいものはもう注文したんですけど、設定作業だったり、同じ環境に持っていくまでの作業がちょっと考えるだけでも大変でトホホって感じなので、代価を払ってでもあの頃の快適さを手に入れたいです(笑)。
――PCと言えば今ご自身で編集してYouTubeも精力的に更新されていますが、そちらでやっていきたいこともありますか?
本郷:基本的には自分が楽しいと思えることをやっているだけなんですけど、でも色々お出かけが出来る世の中になったらやりたいことはたくさんありますね。もうちょっと自由に出歩ける世の中になったらロケ企画もしたいなと思っています。
――では、エンヴィーとしての見どころを教えてください。
本郷:やはり巨大化してエドたちとガチでバトルするところですかね。原作の中でも、一番エンヴィーがしっかり戦っているところだと思うので。1作目を撮っているときも、「あそこは続編があったらやりたいんだよね!」と監督が言ってくださっていたので、それが実現したのは嬉しかったです。
――『復讐者スカー』はエンヴィーの今後が気になるラストになっています。ハガレンはエピソードが全編通して繋がっている作品ですが、映画はいいとこ取りのような構成なので、『最後の錬成』でもエンヴィーの名シーンは凝縮されていく感じですか?
本郷:そうですね、印象的なシーンというか、エンヴィーの最期や原作で印象的だったものは、すごく丁寧に考えて良いところを選んで3本の映画にしたな、というのは全体的にあるので、エンヴィーに関しても印象的な部分はちゃんと丁寧に描いていただけたかなと思っています。
――『最後の錬成』も楽しみにしています、ありがとうございました!
[撮影:曽我美芽]
1作目の本郷さんのインタビュー記事はコチラ↓
CMのオファーが欲しい!本郷奏多の中のエンヴィー<嫉妬>炸裂!? 映画『鋼の錬金術師』撮り下ろしインタビュー
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作品情報
国家錬金術師ばかりを狙った連続殺人事件が起きる中央(セントラル)を訪れたエドとアル。犯人は正体不明ながら、額に十字傷を持つことから”傷の男(スカー)”と呼ばれていた。兄弟も命を狙われ応戦するものの、圧倒的な強さの前に機械鎧(オートメイル)を破壊され、絶体絶命となる。果たして二人はこの危機を乗り越え、元の身体を取り戻すことができるのだろうか。隠されたこの国の秘密と”約束の日”、そしてエドとアルの父親の過去。幾重にも重なる謎と真実が解き明かされ、物語は圧巻のフィナーレへ。最後に兄弟が出した答えとは…?
原作の最終話まで描き切った”完結編”―伝説は二部作で完結する。
『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』
原作:「鋼の錬金術師」荒川 弘(「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
監督:曽利文彦 脚本:曽利文彦 宮本武史
出演:山田涼介 本田 翼 ディーン・フジオカ
蓮佛美沙子 本郷奏多 / 黒島結菜 渡邊圭祐
寺田 心 内山信二 大貫勇輔 ロン・モンロウ 水石亜飛夢
奥貫 薫 高橋 努 堀内敬子 丸山智己 遼河はるひ 平岡祐太
山田裕貴 麿 赤兒 大和田伸也
舘ひろし(特別出演)
藤木直人 / 山本耕史 / 筧 利夫
杉本哲太 栗山千明 風吹ジュン
佐藤隆太 仲間由紀恵 ・ 新田真剣佑
内野聖陽
製作:映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会 企画・制作プロダクション:OXYBOT 配給:ワーナー・ブラザース映画
オフィシャルサイト:hagarenmovie.jp オフィシャルTwitter:@hagarenmovie #ハガレン完結編
(C)2022 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会
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