初心者でも楽しめる!水草を使った水槽レイアウト

初心者でも楽しめる!水草を使った水槽レイアウト

水草を使ってレイアウトした水槽は、鉢植えとはまた違った雰囲気が楽しめます。魚も入れて泳ぐ姿を楽しんだり、あえて水草だけで独特な世界観を楽しんだりと、人によって楽しみ方もそれぞれです。誰でも楽しめる水草水槽レイアウトの基本をご紹介します。

水草水槽レイアウトを始める前に

水草水槽レイアウトを始めるには、水槽をはじめとして様々な道具が必要です。まずはどのような道具を用意したらよいのかからご紹介します。

 

水槽

水草水槽レイアウトを始めるにあたって、絶対に欠かせないのが水槽です。初心者の場合は一見扱いやすい小型水槽に目がいきがちですが、水質を管理しやすいのは大型の水槽になります。

 

水槽は規格で大体の大きさが決まっているため、選ぶだけならそんなに苦労はありません。初めて水草水槽レイアウトを始めるなら、60cmサイズの水槽がおすすめです。意外と大きいと思うかもしれませんが、水質管理に慣れるまでは大きめの水槽を使いましょう。

 

水槽を購入する時に一緒に用意しておきたいものもあります。水槽台と水槽マットです。特に水槽マットは水槽台との間に敷くことで水槽が傷むのを予防し、ひび割れや水漏れといったトラブルを防いでくれるので、必ず用意することをおすすめします。

 

ライト

ライトは水槽の中を美しく見せてくれるだけでなく、水草を育てる上でも重要な役割を果たすものです。水草も植物のため、光がなくては光合成ができません。水草が光合成をすることで水質浄化効果もあるため、しっかり光を当ててあげましょう。

 

ライトは「蛍光灯」「LED」「メタルハライドランプ」の3種類が、一般的に取り扱われています。蛍光灯は安価で水草も育ちやすいため、初めて水草水槽レイアウトに挑戦するという人でも扱いやすくおすすめです。

 

ろ過装置

水草は光合成をすることで水質を浄化する能力があります。しかし水草任せでは不十分なため、不足分を補うために必要になるのがろ過装置です。水草の多くはキレイな水を好むため、水質維持が欠かせません。必ず用意してあげましょう。

 

ろ過装置にも「上部フィルター」や「底面フィルター」など様々なタイプがありますが、水草水槽レイアウトに使うならば「外部フィルター」が一番おすすめです。

 

外部フィルターの特徴は、動作音が非常に静かで二酸化炭素が逃げにくいこと。音に悩まされることがなく、水草の光合成に欠かせない二酸化炭素も維持できるため、水草水槽レイアウトにピッタリなフィルターです。

 

デメリットとしては、水槽に水をろ過するためのタンクを外付けするため、それなりに場所が必要になることでしょう。水槽の大きさだけでなく、外部フィルターも込みで置き場所を確保する必要があります。

 

底砂

水草も根から栄養を吸収しているため、水槽の底に敷く底砂にもこだわる必要があります。おすすめの底砂は「ソイル」と呼ばれるものです。水草が必要とする栄養を作り出す、バクテリアをはじめとした微生物が住みやすい特徴があります。

 

あると便利なもの

水草が育ちやすい水温に一定に保つためのヒーター、水温を確認するための水温計、水道水のカルキを抜くための水質調整剤、定期的に水を入れ替えるためのホースやバケツ、水草を植えつけるためのピンセット、伸びすぎた水草を剪定するためのハサミなど、必要に応じてそろえていくとよいでしょう。

 

中でもヒーターは水温を25℃前後に保てる場所に水槽を置くなら、無理に取り付ける必要はありません。取り付ける時には消耗品のため、約1年たつごとに交換する必要があります。

 

さらにヒーターの中には、電源が入った状態でヒーター部分が水面から出てしまった場合、火事の原因になるものもあるため注意が必要です。購入時には安全装置がついているものを選ぶようにしましょう。

 

 

水草水槽レイアウトの基本構図

水草水槽レイアウトには基本となる構図が3種類あります。それぞれの特徴をまとめました。

 

三角構図

水槽レイアウトは初めてという方でも作りやすく、人気の高い構図です。水槽の左右どちらかの端の水草などを、水面に届くまで高く配置します。後は反対側の端に向けて斜めに下がるように水草を植えつけるなどして、三角形を描くように配置すれば完成です。

 

コツはボリュームのある水草や石、流木などを使って、見た目にもインパクトのあるポイントを作りながら高さを出すこと。目を引くポイントがあることで、見た目が平面的になるのを避けることができます。水草の量をおさえつつレイアウトできる点もメリットです。

 

凹型構図

水槽の両端にボリューム感が出るよう、水草や石、流木を配置する、こちらも人気の高い構図です。形が決まると見た目にも玄人っぽく見えるため、あえて挑戦してみてもよいでしょう。三角構図よりも必要とする水草量は多くなりますが、万人受けする構図です。

 

キレイにみせるコツは、左右をきっちり同じ比率にせず、あえて左右のどちらかに高さを出すこと。比率としては6:4くらいがベストです。左右と中央に配置する水草などの高さにもメリハリをつけましょう。レイアウトに迷った時におすすめの構図です。

 

凸型構図

3つの構図の中では作りにくくて維持しにくい、一番難易度の高い構図です。水槽の両端に低い水草などを配置し、中央に高さとボリュームを持たせます。レイアウトに使う石や流木はもちろん、メインとなる水草の選定が非常に難しいです。

 

さらにろ過器の設置が難しく、初心者におすすめの外部フィルターを取り付けると、フィルターのパイプが丸見えになってしまうために外観を損なう恐れがあります。だからといって中央にパイプを設置した場合は、水がスムーズに循環しなくなってしまうリスクがあるのです。

 

この凸型構図に挑戦する場合には、外部フィルターのパイプは透明なものを選び、目立たないようにするなどの工夫が必要になります。

 

 

水草水槽レイアウトおすすめの演出

水槽のレイアウトをさらに魅力的に仕上げるにもコツがあります。より華やかなレイアウトを作るための演出方法をご紹介します。

 

奥行き

石や流木、水草のレイアウト方法でも奥行きは出せますが、もう1つ奥行きを出す技があります。下に敷く底砂を、わざと傾斜をつけて敷くことです。水槽を置く時に前面となる側を低くし、奥にいくほどより高く底砂を敷いて傾斜をつけるだけで奥行きが生まれます。

 

このほかにも中央部分に凹むように傾斜をつける、砂丘のように凸凹に傾斜をつけるといった方法も試してみると面白いです。

 

配色

石や流木でアクセントとしての色を加えて引き締めるだけでなく、様々な色の水草を使って華やかさを演出する方法です。緑系でまとめる時には明暗を強調したり、緑系に赤系などを混ぜ合わせて彩り鮮やかにしたりしてもよいでしょう。

 

注意したいポイントは、水草を選ぶ時に共通した環境を好むものから選択することです。水草にも好む環境に違いがあります。相性の良し悪しで選ばないと、しばらくしたら一部だけ水草が枯れてしまった、なんてことにもなりかねないので要注意です。

 

石や流木の使い方

石や流木にも様々な色、質感があり、使い方次第で水槽内のレイアウト全体が引き締まります。ポイントは同じ種類のものは同じ色のものを使うことです。白い石を使うなら白い石のみ、黒い流木を使うなら黒い流木のみ使うようにしましょう。

 

さらに石や流木を複数使用する時は、大きさにばらつきを出すことも大切です。大小様々な素材を使うことで、立体感を出すことができます。

 

魚を泳がせるなら?

魚がストレスを感じないよう、レイアウトを工夫する必要があります。まずは隠れ場所を用意してあげましょう。石や流木を使ってトンネルを作る、水草で茂みを作るといったことで、魚がストレスを感じにくくなります。

 

また、ゆったりと泳ぐスペースを確保してあげることも大切です。手前側は遊泳スペースとして空間を開放し、水槽の奥に向かってボリュームが増すようにレイアウトすると、観賞面でも優れたアクアリウムに仕上がります。

 

 

水草水槽レイアウトにおすすめの水草

初心者でも育てやすい、水草水槽レイアウトにおすすめの水草をまとめました。

 

水槽の前面

クリプトコリネ・ウェンティーグリーンは、二酸化炭素のない暗い場所でもよく育つ強靭な水草です。光量が多いと緑から赤茶色に変化するため、光量の調節が必要な点以外は手間がかかりません。

 

植え付け直後は葉や茎が溶けてしまうため驚く方も多いですが、根がなじめば新しい葉が出てくるので大丈夫です。根張りがよく抜けにくいですが、その反面、植え替えには向かない水草といえます。

 

水槽の中央

水槽の中央に置く水草は、一番奥に配置する水草の根元を隠す役割もあります。そのため、成長が遅くてトリミングの手間がかからない種類の水草を配置するのがおすすめです。

 

シダ類の水草のミクロソリウムは、流木に活着させても底床に植えつけてもよいため、使いやすい水草です。成長が遅くて二酸化炭素も不要、強い光も必要ないので手がかかりません。はじめから流木に活着した状態のものを買えば、すぐに配置することもできます。

 

また、アヌビアス・ナナも初心者におすすめの水草です。成長が遅くて強い光は不要、生き物と一緒なら二酸化炭素の追加もいりません。

 

流木などに根を張らせたものをレイアウトするのが一般的なため、初心者は活着ずみの株を購入するとよいでしょう。18℃前後の低温にも強いので、初心者にもおすすめしやすい水草です。

 

水槽の後方

水槽の後方の水草は、丈が長くなるものが適しています。丈夫であることはもちろん、早く伸びるタイプがおすすめですが、成長が早い分だけトリミングが必要です。

 

バリスネリア・スピラリスは、別名テープバリスとも呼ばれる水草で、独特な細く長い葉をしています。伸びると水槽内で育てていても60~80cmにもなり、よほど大型の水槽でも家庭用では高さが足りなくなる水草です。

 

丈夫で環境に慣れやすく、ランナーと呼ばれる地下茎で増えていくため、植え付けた場所以外からも生えてくる特徴があります。水草を扱うのは初めてでも気づけば増えているほど丈夫ですが、頻繁にトリミングして丈を詰める必要があるなど手間のかかる水草です。

 

同じく成長速度は速いですが、その分レイアウト維持に慣れるのに役立つ水草もあります。ハイグロフィラ・ポリスペルマは、トリミングされてもそうそう枯れることもなくボリュームも出しやすいため、初心者でも安心して扱える水草です。

 

二酸化炭素も必要とせず、光量が増すと緑から赤っぽく変色するため、好みで様々にアレンジできます。水槽内の挿し色としても使えるので、初心者におすすめの水草です。

 

もう1つ、なじみがあっておすすめの水草にマツモがあります。別名金魚藻とも呼ばれている水草で、こちらも丈夫で成長速度が速く、増えやすいのが特徴です。ほかの生き物を入れておいても養分の吸収量が多いため、水質浄化能力に長けています。

 

価格が安くて入手も簡単なため、使い回ししやすい点も魅力です。伸びすぎたらトリミングする必要がありますが、カットした芽はすべて取り除くようにしましょう。残しておくと水槽に浮いているだけで脇芽を出し、水槽の表面を覆って光を遮ってしまうため要注意です。

 

 

おわりに

水草水槽レイアウトは、初心者でも手を出しやすいもう1つの園芸といえるかもしれません。必要となる道具に違いはありますが、使う水草や石、流木などで様々な表情を演出できます。

 

ほかの生き物を水槽に入れることで、さらに魅力を増すのも水槽レイアウトの特徴です。興味のある方はぜひ一度挑戦してみてください。きっと自分だけの別世界を楽しむことができるはずです。

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