自転車の防犯登録って?意外と知らない事実を解説

自転車の防犯登録って?意外と知らない事実を解説

自転車を一般の自転車店で購入すると、必ずすすめられるのが防犯登録です。しかしこの防犯登録、ほとんどの方はすすめられるままに登録していて、内容は知らないのではないでしょうか。防犯登録についてきちんとした知識を身につけておきましょう。

自転車の防犯登録って?

自転車の防犯登録は、平成6年6月から『自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律』の第12条第3項によって義務付けられました。

 

この法律によって各自転車の所有者が誰なのかが明確化され、窃盗や紛失、放置などを未然に防ぐことができるようになったのです。防犯登録をすませると、証拠のシールを自転車に貼りつけます。

 

自転車の防犯登録は、公安委員会によって委託された各都道府県の社団法人が運用している制度です。つまり、住んでいるところによって担当が異なります。そのため、防犯登録の有効年数や必要登録料も異なるので、登録時に必ず確認してください。

 

自転車の防犯登録は期限切れになった場合、改めて防犯登録をする必要があります。県によっては7年、東京都なら10年間有効なため、ほとんどの方は乗り換えることでしょう。しかし有効期間が切れた後でも乗り続ける場合は、再登録も必須です。

 

実はこの制度、義務ではありますが罰則はありません。そのため登録をしないという方も少なからずいるようです。ただし、警察も防犯パトロールの際にシールを確認することもあります。盗難車と間違えられないためにも欠かせません。

 

 

自転車の防犯登録はどこでする?

自転車の防犯登録はどこでするのでしょうか?自転車店やホームセンターなどで自転車を購入した場合、どこで購入したかが重要です。店頭に『自転車防犯登録所』の表示がある。それなら自転車を購入した、まさにその店舗でついでに登録することが可能です。

 

インターネットで購入する場合、ついでに防犯登録もできるサイトは少数派といいます。そのため購入した自転車が到着した後、自転車防犯登録所に持ち込んで自分で登録作業をすることが重要です。先に確認した上で購入しましょう。

 

防犯登録には決められた書類をそろえることが必要です。登録先やどこで登録作業をするかでも異なります。あらかじめ担当の自転車防犯協会のサイトを見て、確認してから用意すると安心です。資格を持つ自転車店などに直接問い合わせてもよいでしょう。

 

意外と忘れがちなのが、フリーマーケットなどで自転車を購入したり、中古の自転車をもらったりした時です。もちろん例外なく必ず忘れずに防犯登録の手続きをしましょう。

 

特に個人間での譲渡時は、前所有者の「譲渡証明書」が必要になることを忘れがちです。必ず発行してくれるか事前に確認し、必要な書類を受け取れる相手から購入しましょう。

 

個人情報が変わったら届け出を

自転車の防犯登録は、所有者の住所などの情報が重要です。もし盗難された自転車が見つかった時、持ち主とすぐに連絡がつくようでなくてはなりません。そのため、引っ越しなどで個人情報が変わった時には、必ず自転車防犯登録所で書き換え手続きすることが重要です。

 

手続きには防犯登録カードも必要になります。紛失しやすいので、取得後はなくさないように管理しましょう。自転車にまつわる様々な手続きで必要になります。なくすと再発行されないので要注意です。

 

 

自転車の防犯登録をしないデメリット

登録義務を果たさず、防犯登録シールがないままの自転車に乗っていると、様々なデメリットがあります。

 

まずは盗難されやすいことです。防犯登録されている自転車は、転売するにしても持ち主でないことが簡単にばれてしまいます。盗難届けも出される可能性が高く、いわゆる足がつきやすい危険な自転車と判断されるのです。

 

しかし防犯登録されていなければ誰のものかはわかりません。リスクの低い盗みやすい自転車ということになります。確かに防犯登録していれば、まったく盗難されなくなるわけではありません。しかし、盗まれるリスクが低くなることも事実です。

 

代わりに紛失した自転車が見つかった時、戻ってくる確率に大きな差が出ます。防犯登録していないと誰の自転車なのかわからないため、盗難届を出していても持ち主の確認ができないことに。そのため自転車が発見されても、まず連絡がくることはありません。

 

それどころか登録義務を怠っていると、防犯登録シールがはがされた可能性のある自転車に乗っているということで、窃盗犯の疑いをかけられる可能性もあります。自転車の窃盗事件は決して少なくない犯罪です。そのため職務質問をされる可能性があります。

 

防犯登録シールの照会ですむことが、疑いをかけられても晴らす証拠を提示するのに苦労する、なんてことにもなりかねないのです。警察もそれだけ重要視している制度ということを理解しておきましょう。

 

 

自転車の防犯登録を解除するには?

「自転車の所有権が移動する」「自転車を処分する」などの場合には、防犯登録を解除する必要があります。防犯登録カードをはじめ、解除手続きに欠かせない書類をまとめ、警察署や自転車防犯登録所に提出してください。

 

自転車の防犯登録解除の理由が「譲渡」の場合、譲渡証明書が欠かせません。その県を担当する自転車防犯協会のサイトで、譲渡証明書のテンプレートをダウンロードできます。後は必要事項を記入してから、自転車に添付するとよいでしょう。

 

気づきにくいことですが、別の県に引っ越す際も防犯登録の解除は必須です。防犯登録シールを見てもらうとわかるように、防犯登録は各都道府県ごとに行っています。違う県では使えないのです。そのため引っ越す前に解除し、引っ越し先で再登録する必要があります。

 

もちろん防犯登録を解除した時には、防犯登録シールをはがすことを忘れないでください。シールがついたままだと悪用されるケースもあります。たとえ廃棄処分する時でも、業者に引き渡す前にシールをはがすべきです。悪徳業者に悪用される心配がなくなります。

 

ただし防犯登録の期日が切れている時は、解除もシールをはがす必要もありません。期日が切れると防犯登録は自動的に抹消されます。しかし安全面では古いシールをはがすと同時に、あらためて再登録する方が安心です。

 

 

おわりに

自転車の防犯登録は、単なる義務だからやむなく登録するというものではありません。自分の愛車を守るだけでなく、自分自身の身も守ってくれます。運悪く自転車が盗難されても戻ってくる確率も上がるため、ありがたい制度といえるでしょう。

 

普段からお世話になっている自転車を守るためにも、自分自身があらぬ疑いをかけられないためにも、防犯登録をしっかりしてから自転車に乗るようにしてください。

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