IoT文具で発達に特性のある子どもの学習を支援。コクヨと5大学1施設が共同研究開始
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コクヨ株式会社(以下、コクヨ)は、京都橘大学・大阪公立大学・藍野大学・白鳳短期大学・大阪人間科学大学および合同会社BASEともかな(児童デイサービス施設)との共同研究を開始。
IoT文具「しゅくだいやる気ペン」を用いて、発達に特性がある子どもに対する学習支援の方法を追求します。
コクヨのIoT文具「しゅくだいやる気ペン」
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普段の鉛筆に装着して書くことで、センサーが勉強量を計測。書けば書くほど“やる気パワー”が溜まり、デバイスに搭載されたLEDの色が変わります(全11色)。
溜まった“やる気パワー”はスマートフォンアプリに反映され、パワーに応じて「やる気の木」が成長。また、アイテムをゲットして「やる気の庭」を作ることもできます。なお、アイテムは200種類、庭は全18ステージ。
アプリでは、学習時間や集中の度合いを確認でき、がんばった日には花マルをつけて記録するなど保護者が子どもをほめるきっかけも与えてくれるといいます。週に1回、キャラクターからやる気パワーの変化を知らせるつぶやきも届くようです。
教育・療育現場における活用法を検討
同研究では、この「しゅくだいやる気ペン」を発達に特性がある子どもに対する学習支援ツールとして活用。その有効性を検証し、教育・療育現場における適応の方向性や個性に応じた学習支援方法を模索していくとのことです。
具体的には、100名規模の対象者に「しゅくだいやる気ペン」を使った家庭学習を行ってもらいます。研究チームは、質的な変化を分析する班とIoTデータを分析する班にわかれ、相互に連携を取りながら研究を進める方針です。
研究成果は、2023年12月を目途に「しゅくだいやる気ペン」ホームページおよび各学会にて発表するといいます。
試用段階では顕著な成果を確認
文部科学省の調査では、公立小中学校の通常学級において、学習面または行動面で著しく困難を示す児童は6.5%。現状、支援ニーズに供給が追いついていないといいます。
そんななか、発達に特性のある子どもの学習習慣獲得を支援している医療専門職のひとつ“作業療法士”が「しゅくだいやる気ペン」を試用したところ、顕著な成果を得た例があったため本格的な研究へと移行したようです。
なお、IoTデータや観察結果から、子どものタイプによってやる気を引き出すポイントが異なることも分かってきたといいます。
(文・Higuchi)
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