おたまじゃくしの飼い方は?コツと飼育NGの種類を解説!

おたまじゃくしの飼い方は?コツと飼育NGの種類を解説!

春から夏にかけて田んぼや池で目にするおたまじゃくし。子供がつかまえてきたものの、飼い方がわからなくて困った、なんて経験はありませんか?おたまじゃくしを元気に育てるには、それなりにコツが必要です。おたまじゃくしの飼い方をご紹介します。

おたまじゃくしって何?

おたまじゃくしはカエルの子供です。似ても似つかない姿をしていますが、やがて手足が生えてきて、しっぽもなくなります。そのため、カエルが苦手な方にとっては飼いたくない生き物かもしれません。飼うか飼わないかは子供とよく話し合って決めましょう。

 

採種方法

おたまじゃくしはペットショップでも買うことができますが、一番よいのは初夏から7月ごろにかけて、田んぼなどで泳いでいるのをつかまえてくることです。成長してカエルになると飼うのも大変になるため、逃がすことも考えると自然採種が一番問題になりません。

 

おたまじゃくしをつかまえる時は、コップや容器を使って水ごとすくい取りましょう。手で直接触れると、おたまじゃくしの皮膚を傷めてしまいます。環境の変化にも敏感なので、採取時に小さいペットボトル1~2本分の水もいただいていくと、飼い始めの水に困りません。

 

おたまじゃくしの種類の見分け方

日本には40種類を超えるカエルが住んでいます。身近なおたまじゃくしで飼いやすい種類は、二ホンヒキガエルや二ホンアマガエル、トノサマガエルなどです。意外と身近なところに様々な種類のおたまじゃくしが住んでいるので、水のある場所を探してみるとよいでしょう。

 

おたまじゃくしで見ると、二ホンヒキガエルは色が黒っぽくて体長は35~40mmほど、ニホンアマガエルはやや赤みがかった茶色をしていて体長は大きめの50mmほどです。トノサマガエルになるとさらに大きくなり、約70mm近くになります。

 

日本でつかまえられる最大のおたまじゃくしは、全長120~150mmほどにもなるウシガエルです。ただしウシガエルのおたまじゃくしの飼育は法律で禁止されています。つかまえた場合は移動させず、その場で殺処分することが義務付けられているので要注意です。

 

 

おたまじゃくしを飼うのに必要な道具

おたまじゃくしを飼うためには、いくつかの道具が必要になります。まずはおたまじゃくしを入れる水槽を用意しましょう。成長後のことも考えると、蓋つきの爬虫類用水槽がおすすめです。

 

水槽のサイズは幅60cm、奥行き30cmのいわゆる60cm規格水槽を選びます。この水槽で飼えるおたまじゃくしの適切な数は、最大5cmほどの二ホンアマガエルのおたまじゃくしでも10匹前後です。

 

実はおたまじゃくしは大量に飼おうとすると共食いします。どんなに上手な飼い方をしても、餌を十分に与えていても、共食いを避けるには適切な飼育数を守る以外にありません。飼いきれる数を考えて、つかまえてくる数にも注意してください。

 

水槽のほかでは、水を浄化するためのろ過器、おたまじゃくしが休む場所となる水草、水道水に含まれる塩素を中和するためのカルキ抜き剤もあると便利です。ただし、エアーポンプはおたまじゃくしが速い流れに弱いため、あまりおすすめできません。

 

また、カエルになった後も飼い続けるなら、陸地も用意する必要があります。石や砂などを使って、陸地部分も用意してあげましょう。ただし、カエルの飼い方はおたまじゃくしよりも難易度が高いです。カエルになったら、もとの水場近くに放してあげてください。

 

 

おたまじゃくしの飼い方

おたまじゃくしの飼い方は比較的簡単な部類に入ります。それでもほかの種類の生き物のように、飼い方にコツがあるのは一緒です。おたまじゃくしの飼い方をまとめました。

 

おたまじゃくしをつかまえてきた時は、一緒に持ってきた水に入れれば大丈夫です。水が汚れてきたら交換しますが、飼い方のコツとして水道水を直接使うのはやめましょう。水道水に含まれる塩素でおたまじゃくしが死んでしまうことがあります。

 

水道水の塩素を抜くためにカルキ抜き剤を使ってもよいですが、簡単で確実なのは汲み置きしておくことです。自然と塩素が抜けて、無害な水に変化します。

 

おたまじゃくしの飼い方の別のコツとして、水の温度にも注意が必要です。水温は25℃前後がよいとされますが、直射日光が当たらない明るく温かい場所が最適とされます。交換する水はあらかじめ近くに置いておき、同じ温度にしてから入れるとよいでしょう。

 

おたまじゃくしの飼い方でも餌やりは重要です。おたまじゃくしは雑食性なので、植物質と動物質の両方を与えた方が元気に育ちます。

 

おすすめの餌はまずは浮き上がらないものです。おたまじゃくしの口は下に付いているため、浮いてしまうと上手に食べることができません。おすすめは金魚やメダカ、プレコなど別の魚用の人工飼料です。

 

ただし、同じ餌ばかりだと栄養バランスが偏ることもあるといいます。そこで茹でたほうれん草や鰹節、煮干しなどをあげるのも、おたまじゃくしの飼い方のコツです。餌やりは1日2回とし、残した餌は取り除いて水が汚れないようにしましょう。

 

世話

餌をやりすぎたり、共食いを始めたりしない限り、水質はそこまで悪化しません。それでも4~5日に1回、水槽の汚れを落とし、半分ほど水を交換してあげましょう。先にもご紹介した通り、すべての水をまとめて交換すると、おたまじゃくしが環境の変化についていけません。

 

水面の高さも重要で、おたまじゃくしによっても好みが分かれますが、5~10cmの深さで充分です。むしろあまり水を入れすぎると、なぜか育ちも悪くなってしまいます。おたまじゃくしが育ちやすい環境をそろえることも飼い方のコツです。

 

脚が出てきてカエルへと体が変わり始めたら、陸地や水から出て落ち着ける場所を用意してください。カエルは肺呼吸のため、陸地がないとおぼれてしまいます。ホテイアオイなどの浮き草を浮かべるのもおすすめです。

 

カエルになった後も飼い続ける場合、まずは水槽の中のカエルの数を調節する必要があります。60cm水槽でもアマガエルで2~3匹程度しか飼えません。さらに動物質の餌しか食べない、生餌が最適など、先にもご紹介したように飼い方の難易度が一気に上がります。

 

カエルになったおたまじゃくしは初心者ではまず飼いきれません。つかまえてきた場所に戻してあげるのが一番よい方法です。

 

 

おたまじゃくしを飼う時の注意点

おたまじゃくしの飼い方でもいくつか注意点をご紹介しましたが、ほかにもいくつか注意したいことがあります。おたまじゃくしを飼いきるためにも確認しておきましょう。

 

ほかの種類の生き物と一緒にできる?

金魚やメダカなど、ほかの魚などと一緒に飼ってみたい。そんな風に感じる方もいることでしょう。同じくらいの大きさならばそれも可能ですが、おたまじゃくしが小さい場合、食べられてしまうことがあります。

 

ほかの種類のおたまじゃくしと一緒に飼うのも、避けた方がよい飼い方です。カエルの種類によっておたまじゃくしの成長速度にも差があるため、飼育環境の維持に手間がかかります。同じ群れの同じようなおたまじゃくしだけで飼うのが理想の飼い方です。

 

毒を持つものもいる

アマガエルやヒキガエルは毒をもちます。毒といっても弱いものなので、手に触れるだけならば問題はありません。しかし、おたまじゃくしを触った後に、手を洗わないまま目などの粘膜を触ってしまうと、毒によって炎症を起こすことがあるため要注意です。

 

ヒキガエルは昔から毒を持っていることが知られ、「ガマの毒」というのはヒキガエルの毒を指します。おたまじゃくし自体は小さくてかわいいですが、触った後は必ず石鹸を使ってキレイに洗い落してください。

 

飼ってはいけないおたまじゃくしの種類

先にもご紹介しましたが、飼ってはいけない、つかまえたらその場で殺さなければいけないおたまじゃくしもいます。特定外来生物のウシガエルのおたまじゃくしです。

 

ウシガエルの繁殖期は長く、5~9月まで何度も卵を産みます。卵は50cm幅のシート状で、最大40,000個もの数をいっぺんに産むのです。かえったおたまじゃくしは大型で、120~150mmにもなります。

 

卵もおたまじゃくしも、見つけた場所から移動することも、家に持ち帰って飼うことも法律で禁止されているため要注意です。もしウシガエルのおたまじゃくしを見つけた場合は、手を出さずにすぐに役所に連絡するとよいでしょう。

 

 

おわりに

おたまじゃくしはしっぽを振り振り泳ぐ姿がかわいらしい生き物です。そのため子供はなおのこと飼ってみたがることでしょう。飼い方もコツさえ守れば簡単なので、子供の自由研究を兼ねて飼ってみるのもおすすめの生き物です。

 

ただし、成長してカエルになった後は飼いにくい生き物になります。その時はそっと元の場所に戻して、また翌年に子供たちが生まれるのを期待して待つようにしましょう。

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