マイケル・ベイ監督最新作『アンビュランス』ジェイク・ギレンホールに聞く「名監督というのはリアルなもの、生き生きとしているものに従っていく」

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『トランスフォーマー』シリーズのマイケル・ベイ監督最新作『アンビュランス』が現在公開中です。

LA史上最高額の銀行強盗を企てた血の繋がらない兄弟が逃走のために乗り込んだのは、瀕死の警官を乗せた救急車だった。警官を死なせずに大金を奪い逃げきれるのか⁈究極の選択を迫られる、超ド派手ノンストップ・アクション。

本作で主演を務めたジェイク・ギレンホールに映画についてお話を伺いました!

――銀行強盗というこれまでも描かれてきた題材でありながら、ジェイクさんが演じたダニーのキャラクターが新鮮でした。ダニーというキャラクターをどの様に演じようと意識されましたか?

僕は銀行強盗の話が大好きなんだ。今までもたくさん、銀行強盗の映画があったけど、何本観ても足りない。銀行強盗の役をできるのは子供みたいに本当にワクワクするんだ。ダニーに惹かれたのは、より良い場所に行きたいという野望を持っていながら、弟を愛そうとしている。銀行強盗を成功させることよりも、弟が一番自分の人生にとって大事なこと。そういうところにすごく惹かれたんだ。ダニーの人生はドラマティックだと思ったから、僕もマイケル・ベイの現場を楽しみながら演じてみたいと思ったんだ。

――マイケル・ベイ監督とは初タッグになると思うのですが、ご一緒していかがだったでしょうか?

毎日驚かされたよ!だからこそ、マイケル・ベイと一緒にするのが楽しいんだ。知っているかもしれないが、彼はメガホンを使ったり、いつも叫んでいることでエネルギーや緊迫感を作っていて、その波に乗っていければ最高なんだ。今まで世界一流の監督たちと一緒に仕事をしてきたけど、マイケル・ベイもその一人だと思う。名監督というのはリアルなもの、生き生きとしているものに従っていく。「最高なものしか受け付けない」というところがマイケル・ベイで、正に名監督だったよ。

――大変危険な状態での手術シーンにハラハラしました。走行中の車シーンはスタジオで行われたかと思うのですがどの様に撮影されましたか?

全てのシーンは3回撮影されたんだ。1回目はステージ、2回目は実際の道、3回目はクローズアップのシーンを撮るのでステージ。ほとんどのシーンは実際の道路で撮影された。手術のシーンの3/4は実際にLAの道路で運転している車の中で撮り、1/4はステージでクローズアップのものを撮ったんだ。そのことによってものすごく緊張感のあるリアルなものが撮れたと思う。50マイル(80km)ほどの速度でLAの道を走っている緊張感は、実際に撮らないと出てこないということをマイケルはわかっているんだよね。

――空からの撮影など、カメラワークが斬新でしたが、ご覧になってどのシーンが印象的でしたか?

ドローンの撮影が凄かった。ドローンパイロットが、ミニチュアのドローンを運転していることや、難しい指示を出す監督に応えているシーンが驚愕だったよ。一番好きだったシーンは、ヘリコプターが橋の下を低空飛行するシーンで、観ていて楽しかった。勿論危険だけど、世界一流のスタントの人がいるし、十分に危険を考慮して守られていると分かっていたので子供のように楽しんだ。ヘリコプターのパイロットは本当にすごいなと思ったよ。

――本作はクライムアクションでありながら、兄弟の絆や自身のキャリアについてなど切ないシーンも多かったです。

ストーリーで惹かれたのは兄弟の関係性の複雑さだ。お互いに愛そうと努力している部分にも惹かれたんだよね。ヤーヤも僕も兄弟のことを分かっていて、深い愛があると同時にすごく複雑なものがあるとわかっていたので演技に入れた。また、ストーリーの中心にいるエイザ・ゴンザレスが演じた救命士の役は自分を表現するのがすごく下手だ。一生懸命やっているし、ものすごくその人(患者)のことを気にかけているが、表現するのが下手でクレイジーな状況に追い込まれて、予期しないことが次々と起きたことでやっと自分自身に繋がることができたり、他の人とも繋がることが出来た面にもすごく惹かれた。沢山の人が狭いスペースに閉じ込められて生き延びようとするところも素晴らしかった。

――大作からインディペンデントな作品まで、幅広い作品に出演されていますが、作品選びで一番大切にしていることはどんなことでしょうか。

何が大事なのかというのは年によって変わってくる。今の自分にとって大切なことは、一緒に仕事をする人と楽しめるかということ。映画を作るプロセスは、1年のうち、3,4か月も使うこともあるので、ある意味人生の多くの時間を使っていることになるんだよね。作品がどんなジャンルなのか、どういった人がいるのか、どういった視点があるのかも大切だけど、その人たちと楽しめるのかということも大事だし、心をオープンにして楽しむことを期待するし、僕も彼らに期待しているんだ。

――素敵な回答をありがとうございます。今後チャレンジしたい役はありますか?

実は日本で撮影したいと思っているんだ。軽く思っているだけでなく、本当に日本で役があれば行きたいよ。役については、こういった役を演じたいというのではなく、役と自分が引き合いあって決まると思っている。僕の演技のコーチが言っていたんだけど、的が矢に当たるのではなく、的が矢を引き寄せるんだと言っていて、俳優という仕事もそうなのだと思う。僕は良い役がくるまでの忍耐力を持っているからね。

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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