吹替放送やプラモデルブームで昭和の人気作に!『サンダーバード』が起こしたムーブメントに迫る!

完全新作で蘇る、日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』が2022年1月7日より劇場上映、2022年1月8日よりオンライン上映することを前に、TVシリーズ放映当時の日本独自のサンダーバード文化の盛り上がりや影響について紹介します。  

1965年にイギリスで、翌1966年には日本でも放送が開始され、英国テレビ界の名匠ジェリー・アンダーソン氏の代表作にして、スーパーマリオネーションと呼ばれる独自の撮影手法を駆使した特撮人形劇の最高傑作として名高いマリオネット・エンターテインメント『サンダーバード』。

なかでも日本での人気は絶大で、「ウルトラセブン」をはじめとした黎明期から、今日では『シン・ウルトラマン』監督の樋口真嗣氏や『シン・仮面ライダー』監督の庵野秀明氏がファンであることを公言するなど、数々の日本特撮、ロボット・SFアニメ作品にも多大なる影響を与え、世界でも、『2001年宇宙の旅』『スター・ウォーズ』『007』など錚々たる作品に影響を与えた伝説的作品として知られている。その伝説が、当時の技術を再現した奇跡の完全新作として帰ってくる!

手の込んだ日本語吹替やプラモデルの登場によって人気を獲得! 本記事では、特撮映像がブームを巻き起こしていた日本放送当時の歴史を深堀りします!

『サンダーバード』の日本放送スタートから特撮番組は流行の最前線に!

日本では、イギリス本国での放送から1年後にあたる1966年(昭和41年)4月10日より、NHK総合にて『サンダーバード』の放送がスタート。同タイミングで、円谷プロダクションが制作する特撮テレビ番組『ウルトラQ』が放送しており、その3か月後には番組の国産初のカラーで制作された特撮テレビ番組『ウルトラマン』の放送が開始されるなど、特撮番組のブームが起こっていました。

「ウルトラマン」の生みの親である円谷英二氏は、『サンダーバード』に大きく影響を受けた人物のひとりであり、フィルムを取り寄せたり、イギリスの撮影現場を見学していたことも。のちに円谷が制作した『ウルトラセブン』は、『ウルトラマン』よりもメカの描き方に注力されており、『サンダーバード』にインスパイアされた作品として知られています。

また当時の子供向け番組は、現在のアニメーション等と同様に原則30分間でしたが、『サンダーバード』は異例1時間枠で放送され、途中にCMも入らず没頭して作品を楽しむことができたのも、視聴者をくぎ付けにした理由の一つとなっています。

日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』では、樋口真嗣氏による構成のもと、懐かしい日本版要素がたくさん詰まった特別版となっており、どこかレトロな雰囲気が垣間見える本作をぜひご期待ください!


動画:『サンダーバード』樋口真嗣監督構成パート公開[TB55 Shinji higuchi]
https://youtu.be/scsnu053YAo

プラモデルの登場で『サンダーバード』人気は急上昇!

『サンダーバード』放送開始直後に、いち早く版権を取得した模型メーカーの今井科学は1966年12月に日本初のプラモデルとなる、ゼンマイ走行ギミックを持つサンダーバード2号を発売。折り畳み式の支柱を立てると劇中の着陸シーンを再現でき、さらに着脱式コンテナには高速エレベーターカーが3台収納できるという非常に洗礼されたギミックと低価格から大ヒット商品になりました!

これを皮切りにプラモデルブームが起こり、『サンダーバード』プラモデルのシリーズ化が決定。他の救助メカやペネロープ号(FAB1)、トレーシーアイランドをキット化したものなど様々な商品が開発されました。中にはトレーシー兄弟のフィギュアとそれぞれが乗るミニサンダーバードメカがセットになった「マスコット隊員」シリーズや、小さい子供でも気軽に手を出せる低価格のアイテムなども展開。

やがて2年の間に42点もの『サンダーバード』プラモデルが発売され、イラストレーターの小松﨑茂氏がイラストを担当することでさらに完成度を増していき、プラモデルを通じた『サンダーバード』人気は確実に盛り上がりを見せていたことが分かります。

テレビで観るリアルなメカを、そのままプラモデルで楽しめることが相乗効果となり、劇中シーンをプラモデルで再現して楽しむ「ごっこ遊び」を楽しんだファンは多く存在し、日本独自のサンダーバード文化が盛り上がっていったのです。


動画:『サンダーバード』3分でわかる<メカ解説篇>
https://youtu.be/4CvNUXauDhQ

日本で放送された『サンダーバード』は吹替にも差をつけている!

イギリスでの撮影時は、先に役者が声を録音し、声に合わせた演技をさせる“プレスコ”方式が用いられており、オリジナル版においても、声を演じる役者の数を増やすのは大変なため、“プレスコ”を担当した役者はひとりで複数の役が振り当てられていました。

しかし、日本語吹替版では、主要キャラクターの兼ね役が存在しないように配役するという丁寧さと、絶妙な翻訳がなされた吹替台本の効果もあり、日本の『サンダーバード』ファンは、オリジナルの英国版音声よりも日本語吹替版の方に原点的なものを感じるほど、馴染み深いものになっています。

当時のテレビシリーズでは、ペネロープ役を黒柳徹子さんが演じていますが、日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』では『トットてれび』で黒柳さん役を演じた満島ひかりさんが受け継ぐ形でバトンタッチ。更にビデオ版でトレーシー一家の長男・スコットを演じていた大塚芳忠さんは、本作ではその父であるジェフ・トレーシーを演じており、半世紀の時を経てトレーシー家の一員として舞い戻る感慨深い起用が実現しました!

そのほか実力派の豪華吹替声優陣が揃い、日本のファンがより楽しめるよう製作された日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』をぜひお楽しみください!


動画:『サンダーバード』3分でわかる!<入門編>
https://youtu.be/48kWMjrMwtY

公式サイトでは「サンダーバード」の魅力が盛りたくさん!

日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』公式サイト:https://tb55movie.com/

「サンダーバード」55周年記念特設サイト:https://www.tbjapan.com/
日本放送開始55周年を記念した特別情報をサイト内でお届けいたします。「サンダーバード55周年プロジェクト」では本作の公開のほか、シネマコンサートや希少なグッズの発売情報などを掲載。

スターチャンネル「サンダーバード」長期徹底特集特設サイト:https://www.star-ch.jp/thunderbirds/
BS10 スターチャンネルではSTAR CHANNEL MOVIES『サンダーバード55/GOGO』公開を記念して、「サンダーバード」長期特集を放送中。
TVシリーズのHD完全版や過去の映画シリーズなど、関連作や特集企画を毎月お届けします。幻の復刻版フィギュアやTシャツがもらえる加入キャンペーンも実施中!2022年には庵野秀明氏が1985年当時に構成・編集した「サンダーバード」のダイジェスト映像を、再び庵野氏のもと最新技術を用いて復元するデジタル・リマスター版「シン・コンプリート・サンダーバード」を放送予定。ぜひご注目ください!

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『サンダーバード55/GOGO』
2022 年 1 月 7 日(金)劇場上映開始/1 月 8 日(土)オンライン上映開始
プロデューサー:スティーブン・ラリビエー
監督:ジャスティン・T・リー(「サンダーバード登場」)、スティーブン・ラリビエー(「雪男の恐怖」)、デヴィッド・エリオット(「大豪邸、襲撃」)脚本:アラン・フェ
ネル(「サンダーバード登場」、「大豪邸、襲撃」)、デヴィッド・グラハム、デスモンド・サンダース(「雪男の恐怖」)
特殊効果監督:ジャスティン・T・リー、スティーブン・ラリビエー、デレク・メディングス 音楽:バリー・グレイ
スーパーバイザー:デヴィッド・エリオット オリジナル製作:ジェリー・アンダーソン、シルヴィア・アンダーソン
原題:THUNDERBIRDS THE ANNIVERSARY EPISODES(「INTRODUCING THUNDERBIRDS」, 「THE ABOMINABLE SNOWMAN」, 「THE STATELY HOMES ROBBERIES」)
製作国:英 配給:東北新社/STAR CHANNEL MOVIES
Thunderbirds TM and (C) ITC Entertainment Group Limited 1964, 1999 and 2021. Licensed by ITV Studios Limited. All rights reserved.
【映画公式サイト】tb55movie.com[リンク]
【55 周年特設サイト】https://www.tbjapan.com/
【公式 SNS】@thunderbirds_jp 【ハッシュタグ】#サンダーバード55

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