冷蔵庫配達アルバイトからプロサッカー選手へ!苦労人メシアスのシンデレラストーリー

今季も盛り上がりを見せているイタリア・セリエA。ミラン、インテルのミラノ勢、名将モウリーニョ監督率いるローマの好スタートやユヴェントスの大不調など、早くもトピックスが満載。
そんなイタリアでこの夏、ひとりのサッカー選手がとんでもない夢を叶えた。
ジュニオール・ウォルター・メシアス。ブラジル国籍、30歳の攻撃的MFで、セリエBに降格したクトローネから買い取りオプション付きの1年間レンタルで名門ACミランに入団した。

クロゼイロで生まれたメシアスは、2011年に兄弟を頼って単身イタリアに渡る。目的はプロサッカー選手になるためだ。しかし、代理人もなくプロとして契約ができなかったため、滞在許可証を得ることができなかった。当時すでに養わなければならない家族もいたメシアスは苦境に陥ってしまう。

そんなとき、「仕事を紹介する」という条件で、アマチュアチームへの入団が来まる。アマチュアサッカー選手として試合やトレーニングを重ねながら、メシアスは家電量販店のアルバイトとして冷蔵庫の配達を行っていた。

すると、「すごい選手がいるから見に来てくれ」と誘われたトリノOBのレジェンド、エツィオ・ロッシ氏の目にとまる。ロッシは試合後にピッチに降りて、「彼のような選手がこんなところにいちゃいけない」と進言。2015年にロッシ氏が選手兼監督だった下部リーグのASカザーレ・カルチョとの“契約”を果たした。それでもこのときの月給はわずか1500ユーロ(約19万円)。しかしメシアスは「これでようやくサッカーだけで食える」と涙したという。

メシアスはこの年シーズン21ゴールと大活躍。2016年にセリエD(4部)のキエーリ・カルチョに入団すると、2017年にセリエゴッツァーノに移籍しセリエD優勝。セリエC(3部)に昇格し、活躍を見せて2019年にセリエB(2部)のクトローネに移籍。ここでキャリア初のプロ契約を交わした。

そして2019年12月にセリエB初ゴールを記録すると、チームのセリエAに貢献。2020年に29歳にしてセリエAの大舞台でプレーする機会を得たのだった。

2020-21シーズン、メシアスは36試合に出場し、9ゴール4アシストを記録。チームが1年でセリエBに降格してしまったが、メシアスはセリエAで通用すると評価され、攻撃的MFを求めていたミランに2021年の夏、レンタル移籍が決まったのだった。

朝から晩まで重たい冷蔵庫を運んでいたアルバイトスタッフが、数々のスーパースター達がプレーしたサン・シーロのピッチにプロサッカー選手として立とうとしている。ロッソネリに袖を通し、久しぶりのスクデットを狙うチームの一員としてどのようなプレーを見せてくれるのか、30歳苦労人の新たな挑戦に期待したい。

(Written by ミステル鉄朗)

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