今さら人に聞けない!重曹の種類や、食用と掃除用の違いは?

今さら人に聞けない!重曹の種類や、食用と掃除用の違いは?

便利な重曹ですが、食用と掃除用の違いについてご存じですか?掃除に使いたいとき、食用で代用できるのでしょうか?他にも、重曹とベーキングパウダーの違いや、セスキ炭酸ソーダとの違いについても調べてみました。掃除の効果を高める方法も紹介します。

 

そもそも重曹ってどんなもの?

重曹とは

重曹は料理や掃除に重宝するので、使っているかたも多いのではないでしょうか。「炭酸水素ナトリウム」「重炭酸ソーダ」「重炭酸ナトリウム」と言われることもあります。

 

重曹は、少し水に溶けにくい性質です。重曹水を作ったときに、溶けきらず残ってしまった経験はありませんか?重曹はたくさん入れても、溶けずに残ってしまうので適量を使いましょう。

 

水に溶けると、とても弱いアルカリ性になり、おおよそpH8です。pHとは水素イオン濃度をあらわします。酸性なのかアルカリ性なのか、またその強さを示します。

 

酸性     pH < 3.0

弱酸性    3.0 ≦ pH < 6.0

中性     6.0 ≦ pH ≦ 8.0

弱アルカリ性 8.0 < pH ≦ 11.0

アルカリ性  11.0 < pH

 

重曹の種類は3種類

重曹は料理や掃除に使う2種類をイメージしますが、医薬品の重曹もあります。医薬品として販売されていて、胃薬などに使われる『炭酸水素ナトリウム』です。

 

医薬品の重曹は、薬事法で定められた基準で製造されています。純度も高く、3種類の中では一番高額です。食用の重曹は、食品衛生法に基づき、しっかりと衛生管理された工場で製造された商品です。

 

純度は医薬品に比べると、若干落ちますが、高めの純度と医療用よりも手軽な価格の商品になります。掃除用の重曹は、食品としては扱わないことが前提で製造されています。

 

そのため、純度は低くなりますが、低価格で販売されています。純度が低いといっても、95%~98%位あるものが多いので安心です。 

 

 

 

同じ重曹、食用と掃除用の違いは?

食用の重曹、ベーキングパウダーとの違いは?

食用の重曹は、食品衛生法に基づき製造され、衛生管理や安全性がしっかりと満たされたものになります。食用の重曹は、ベーキングパウダーが有名ですが、重曹とベーキングパウダーは少し違います。

 

重曹はお菓子などを作るとき、生地を膨らませるために使いますが、横に膨らむ作用があります。一方ベーキングパウダーは重曹の他に、酸性剤などを加えて縦に膨らむよう加工されています。

 

重曹は加熱したときに発生する炭酸ガスを利用して膨らませますが、ベーキングパウダーは水分で一度膨張し、加熱したときにも膨らむ2段構えです。

 

他にも、重曹は特有の匂いや苦味があるので、使用する量によっては、仕上がりに影響します。少し黄色味がかかり、焼き色が濃くなるので、チョコレートやココアなどを使った生地だと深みが出ます。

 

ベーキングパウダーは、生地の風味を損なわず、焼き色にも影響しないように加工されています。バターなどを使う、洋菓子にピッタリです。

 

食用の重曹は、膨張剤としての役目だけではありません。あく抜きや緑色の野菜を茹でるときに、色よく茹でられる効果もあります。

 

他にも、レモンなどの皮についたワックスを落とすのにも使えます。湯豆腐やパスタを茹でるときに使うと、いつもと違う食感になるので、試してみてはいかがでしょうか。

 

掃除用の重曹について

掃除用の重曹は食用よりも粒子が粗く、研磨するのにむいています。粉のまま使うと、焦げ落としや、茶渋を落とすのに使えます。

 

水に溶けにくい性質が研磨にむいていて、粒子が細かいので傷がつきにくいのが特徴です。アルカリ性の重曹は、酸性の汚れを中和させて落とします。

 

食用と掃除用の重曹は兼用できる?

掃除用の重曹を、食用に使うのはNG。食用の重曹を掃除に使うのはOKです。しかし、ベーキングパウダーは重曹以外にもいろいろと入っているので、掃除には使わない方がよいでしょう。

 

 

重曹は掃除に便利!使い方は?

重曹が得意な汚れ

重曹は酸性の汚れを中和して落とします。しかし、重曹はとても弱いアルカリ性なので、しつこい汚れだと力不足なこともあるので注意しましょう。

軽い油汚れ

皮脂汚れ(手垢や襟袖の汚れ)

たんぱく質の分解(血液の汚れもタンパク質)

湯アカ(水アカはアルカリ性の汚れ)

焦げや茶渋を磨いて落とす

生ごみの匂い

 

重曹と似ている?セスキ炭酸ソーダとの違い

セスキ炭酸ソーダをご存じでしょうか?重曹と同じ、アルカリ性のナチュラル洗剤です。重曹と効果が似ていますが、重曹よりも油汚れが落ちやすいと感じている方も多いのではないでしょうか。

 

重曹とセスキ炭酸ソーダの違いはいくつかありますが、セスキ炭酸ソーダはpH10弱です。重曹よりもアルカリ性が強いので、油汚れに効果的です。

 

しかし、セスキ炭酸ソーダは水に溶けやすいので、研磨力が劣ります。焦げや茶渋など、磨いて落とす汚れは重曹向きです。

 

重曹は熱を加えることで、セスキ炭酸ソーダと同じくらいのpHになります。重曹を熱湯で溶かすとpHは10弱まで上がります。

 

ステンレスやホーローの鍋に重曹と水を入れ、沸騰した状態でしばらく熱を加えるとpHは10を超えます。もちろん濃度にもよりますが、熱を加えるとアルカリ性が強くなるのも重曹の特徴です。

 

冷めても効果が変わらないので、作り置きしておくと便利です。1週間くらいで使いきるようにしましょう。注意点は、アルミの鍋を使うと、変色や、ひどい場合は溶けて穴が空いてしまいます。

 

使用時もゴム手袋を利用し、素肌につかないようにしましょう。重曹よりもアルカリ性が強くなっているので肌荒れしてしまいます。

 

 

おわりに

食用と掃除用の重曹は、ハッキリとした違いがあります。また、同じ食用でも、重曹とベーキングパウダーにも違いがありました。

 

正しい使い方をすると、より効果的に重曹を活用できます。重曹を使って掃除したけれど、いまいち効果が感じられなかった方は、お湯を利用して洗浄力の違いを感じてください。

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