じゃがいもやネギ、キャベツなど、定番野菜の花5選
野菜にも花が咲くと聞いて、意外に感じる人もいるでしょう。今回は、スーパーなどでよく見かける定番野菜の花を5つ紹介します。
咲く前に収穫される野菜の花
あまり見る機会がありませんが、野菜も花を咲かせます(一部、花を咲かせない品種もあります)。野菜には、雄しべと雌しべが受粉することで実ができるものと、花が咲く前に実を収穫してしまうものがあります。後者の場合、開花にたくさんの栄養が必要となるため=実の生長を妨げるため、花が咲く前に収穫してしまいます。こうしたことなどから、野菜の花はあまり見る機会がありませんが、それと引き換えにおいしい野菜が育つのです。
定番野菜の花5選
●キャベツ
キャベツは、菜の花のような黄色い花を咲かせます。同じアブラナ科のブロッコリー、水菜、白菜、大根も同じ形の花を咲かせます。
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大きくなったキャベツの苗が1~2カ月寒さに当たると花芽を作り、春に花を咲かせます。キャベツは内側から結球するため、中に花芽ができると葉の成長がストップして実ができなくなります。
●じゃがいも
じゃがいもは、白や薄紫色の花を咲かせます。水仙のように、花の中にもうひとつの花が咲いているような形です。花が咲き始めるころ、土の中では実が大きくなっています。
●にんじん
にんじんの実は赤やオレンジ色ですが、花は白色です。ただし、花を咲かせると花に栄養分を取られてしまうので、花ができる前に収穫します。小松菜、ごぼうなども、このタイプです。
●ネギ
白くて丸い形の花を咲かせます。花が咲く前の花蕾は「ネギ坊主」とも呼ばれます。なお花蕾ができると葉鞘部が硬くなってしまうので、花蕾ができる前に収穫します。そのためネギの花は、あまり目にすることがありません。ちなみに、タマネギにもネギ坊主があります。
●かぼちゃ
かぼちゃの花は、雄花(上のイラスト左)と雌花(右)に分かれて花を咲かせます。雄花が先に咲き、続いて付け根が膨らんだ雌花が咲きます。どちらも黄色い花です。
豆知識:今回紹介した5つの野菜、どこを食べているの?
●キャベツ
地上に出ている葉の部分が巻かれ、結球した部分です。
●じゃがいも
地下にある茎がふくらんで、実になります。地下で生長しますが、根ではありません。
●にんじん
地下にある根がふくらんだ部分です。
●ネギ
地上に出ている緑色の葉と、地下で育てて白くなった葉鞘部です。
●かぼちゃ
茎にできた、実の部分です。
最後に
日頃よく食べている定番野菜の花を、話題にしてみてください。
[キャベツ]栄養を逃さない料理のコツと保存法
ビタミンCやビタミンK、葉酸などを多く含む、アブラナ科の野菜。原産はヨーロッパで、日本で広く食べられるようになったのは明治時代からです。
最終更新:2022.02.28
文:アーク・コミュニケーションズ
イラスト:林タロウ
監修:カゴメ
参考文献:
『野菜とハーブのプランター菜園』藤田智監修(ブティック社)
『NHK趣味の園芸 やさいの時間 藤田智の 野菜づくり大全』藤田智監修(NHK出版)
出典:
農研機構 野菜花き研究部門 野菜の花の写真
神奈川県 農業技術センター 野菜の花 果樹の花(2006年6月 ネギの花 タマネギの花)
独立行政法人農畜産業振興機構「やさいのひみつ」
花の役わりを調べよう!(受粉で実ができる野菜、花が咲く前に収穫する野菜)
食べているのはどの部分?(じゃがいもの実)
「寒玉系キャベツ 4~5月需要への対応策」 (キャベツの花の咲く時期、特徴)
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