景色に内包される現象を捉える。河野未彩 個展「←左右→ 」
CALM & PUNK GALLERYにて、3年半前に開催された「not colored yet」以来、河野未彩による2回目の個展「←左右→」が開催される。
2018年の「not colored yet」では、光の三原色の原理を利用し色づいた影をつくる照明装置「RGB_Light」を特許取得から製品化まで取り組み、会場にて発表。個展と同年に京都で巡回展を開催したのち、2019 年にラフォーレ ミュージアム原宿で大型展覧会「PHENOMENON : RGB」に参加、2021 年夏にはアートプロジェクト「PROJECT ATAMI」に選出され、熱海での滞在制作に取り組むなど精力的に作品発表を行なってきた。
その活躍は、展示にとどまることなく、BOREDOMS / SHOCK CITY や加山雄三など全く毛色の異なるレジェン ドたちへのアートワーク提供や MVディレクションを行い、ラフォーレ原宿の広告ビジュアル制作、PUMA × SLY や Lululemon などアパレルブランドとのコラボレーションなど、多彩なポートフォリオに描かれている。また、あらゆるジャンル –グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、映像、ビジュアルアート–を横断する 姿勢は、アートディレクターとしての領域を越えた頃から、「視覚ディレクター」という肩書きを名乗り活動していることにもあらわれている。
本展では、これまで目にした景色に内包される「現象」を作品を通して捉えようとしている。描かれる自然の木々や山々、海に広がる水平線、それらの空間にひかり輝く色彩は、今回全長3.6M のレンチキュラー作品によって表現される。視覚の移動に合わせて変化する色彩は、まるで不変的に広がる自然界の「現象」であるとと同時に会場にいる人間それぞれの視覚を通した内面までは共有できないことをうつし出しす。
鑑賞するたびに変化したように感じる景色、実はそれらは静かに佇んでいて自身の視覚や内面によって変わるものなのかもしれない。
【アーティストステイトメント】
明け方、光の気配が空と海を二分した。
刻一刻と変わっていく色、左右に広がる水平線。
水平線はいつも「私」が真ん中に存在しているかのように世界をみせる。
この普遍の線に意識を置いた。
明←→暗
古←→新
柔←→硬
静←→動
いろんな座標軸を右往左往して誰もがいつも宇宙の唯一の点にいる。
どの点からも違ってみえる、その美しい現象を共有してみたい。
ー 河野未彩
【アーティストプロフィール】
河野未彩
視覚ディレクター/グラフィックアーティスト
2006 年多摩美術大学プロダクトデザイン専攻卒業。音楽や美術に漂う宇宙観に強く惹かれ、2000年代半ばから創作活動を始める。グラフィックデザイン/映像/プロダクト/空間演出など数多くの色彩快楽的な作品を手がける。ラフォーレミュージアムや浅間国際フォトフェスティバルをはじめ国内外での展覧会多数。2019年に作品集「GASBOOK 34 MIDORI KAWANO」をGAS AS INTERFACEより刊行。影が彩る照明「RGB_Light」を開発、Panasonic 関連企業から製品化まで実現。
河野未彩 個展「←左右→ 」
[会期]
2021.9.25(土)- 10.10(日) 13:00-19:00
開廊:水曜日〜土曜日、最終日曜日
休廊:日曜日〜火曜日
※開廊時間にご注意ください。
入場無料
[会場]
CALM & PUNK GALLERY
〒106-0031 東京都西麻布1-15-15 map
http://calmandpunk.com/
[制作協力]
株式会社マル・ビ
http://calmandpunk.com/exhibition/midorikawano_soloexhibition/
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