強力粉と薄力粉の違いはなに?原料や成分まで徹底解説

強力粉と薄力粉の違いはなに?原料や成分まで徹底解説

強力粉と薄力粉の違いを解説します。原料も違えば、成分も違い、使用される用途も違います。同じ小麦粉でありながら、驚くほどの違いがある強力粉と薄力粉の性質を理解し、上手に活かしていきたいですね。薄力粉と強力粉の、等級による違いも紹介しますので、参考にしてください。

薄力粉と強力粉の決定的な違いは成分!原料も違います

 

強力粉と薄力粉、どちらも小麦粉であることに変わりはありません。しかし、分類として違うがあるのは事実です。強力粉と薄力粉の決定的な違いを、詳しく紹介しましょう。

 

強力粉と薄力粉の違いは、タンパク質の量です。タンパク質の含有量が多いものが強力粉、少ないものを薄力粉と分類されます。ちなみに、中間には中力粉という分類もあります。

 

グルテンという言葉を聞いたことはありませんか?グルテンとは、2種類のタンパク質である、グルテニンとグリアジンが、水を加えて絡まったときに出来るもので、小麦粉の粘りに大きく関わります。

 

このグルテンを生成するためのタンパク質の含有量が、強力粉、薄力粉の違いになります。

 

ちなみに、強力粉のタンパク質の含有量は11.5%から13%。薄力粉は6.5%から9.0%。この間にあるのが、中力粉となります。

 

商品の袋には、必ず強力粉とか薄力粉と表記されていますが、自宅で容器に移し替えたあと、どちらだったか違いが分からなくなることはありませんか?

 

そんな時は、小麦粉を手で握ってみましょう。固まれば薄力粉ですし、固まらなければ強力粉です。一見、逆のように感じますが、水分が含まれていない状態だと、強力粉は固まりませんので覚えておきましょう。

 

見た目の違いは、強力粉の方が少し粒が荒く、薄力粉の方がきめ細かな粉という違いがあります。

 

薄力粉の原料は、軟質小麦といわれるもので、含まれるタンパク質の表面には、互いがくっつくのを防ぐフライアビリンという成分が確認されています。

 

対する強力粉は、硬質小麦が原料で、製粉する前の小麦自体が硬いのが特徴です。

 

薄力粉と強力粉それぞれにある等級の違いってなに?

 

強力粉や薄力粉に、それぞれ等級があることを知っていますか?強力粉、薄力粉の等級とは何なのか?どういった違いがあるのか解説します。

 

小麦粉の色は、一般的に淡いクリーム色が主流です。しかし、実際は真白なものから、茶色がかったものまであり、これが等級で識別されています。

 

この色味は、製粉される時の灰分で大きく左右されます。灰分とは、米でいうヌカに相当する部分で、これをしっかり排除して製粉すれば真っ白な小麦粉が出来上がります。

 

この真っ白な小麦粉を特急粉といい、製パンの材料などに使われます。白さが落ちるごとに、1等粉、2等粉となります。

 

少し茶色の色味が着いた2等粉を使い、パン粉などが作られます。揚がった後の色が食欲をそそるキレイな茶色になるようにとの狙いがあります。

 

この等級には、強力粉と薄力粉の違いはありません。あくまでも、配分の含有量と色味で決められるものです。

 

薄力粉と強力粉の用途の違いと代用するときの注意点

 

薄力粉と強力粉の成分の違いからくる特徴を紹介しました。そうした特徴を踏まえて、それぞれに最適な使い方を紹介します。

 

強力粉が最適な調理とは

強力粉は、その粘性を利用した調理法に向いています。例えば、パンや麺類、ピザ台などが最適です。

 

パンやピザ台などは、適度な発酵をさせることで、生地も扱いやすくなります。うどんは発酵という工程が無い分、粘度の扱いが難しいかもしれません。その場合は、中力粉でもコシのあるうどんができますので、試してみてくださいね。

 

薄力粉が最適な調理とは

薄力粉の用途は、とても広範囲です。てんぷら、クッキー、ケーキ、ホワイトソースやカレールーなどにも使います。

 

もしかしたら、パンなどを作らないという家庭では、薄力粉しか置いていないという人も多いのはないでしょうか?

 

強力粉と薄力粉を代用するときの注意点

強力粉が無かったとき、薄力粉で代用ができるのでしょうか?例えばパンを作る場合…代用できます。ただし、食感は全く違ったものになります。

 

強力粉で作ったパンは、もっちりした食感になり、薄力粉で作ったパンはふんわり軽い仕上がりになります。それぞれを混ぜて、自分の好みの食感を見つけ出すのも良いかもしれません。

 

一方、薄力粉の代用を強力粉でできるのでしょうか?こちらもOKです。ただし、粘りが強い強力粉ですから、次のような注意が必要です。

 

てんぷらに使用すると、衣の食感がもったりとした感じになります。なので、できるだけ練らずに使うことと、量を可能な限り少なくすることがポイントです。

 

クッキーなどに強力粉を使用すると、粘性のため、カチカチのクッキーが焼ける可能性があります。できるだけ混ぜないことが大切ですが、粒子が洗い強力粉はダマになってしまうことが考えられます。

 

総じて、同じ小麦粉ですから、代用はできます。が、グルテンの粘性を考慮することが大切です。強力粉と薄力粉を、それぞれ代用した場合、決して同じものをできないことは覚えておきましょう。

 

おわりに

強力粉と薄力粉の違いを、成分、材料、等級、利用法という視点から紹介してきました。日頃、当たり前に使い、食べている強力粉や薄力粉に、こんなにも違いがあったことに驚きです。目の前にあるものの違いを、まだまだ知らないことに改めて気づかされました。

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