雲研究者・荒木健太郎、意外と知らない”空のふしぎ”を解説! 「空以外にできる雲」とは?
突然ですが、「一番身近にある雲を描いてください」と言われたら、あなたはどんな絵を描きますか? おそらく老若男女問わずほとんどの人が「空に浮かぶ雲」を描くかと思います。でも実は、熱々のみそ汁やコーヒーから立ち昇る湯気も雲だと知っていましたか?
そうした「へえ、そうなんだ!」となる面白いことから知っておくと便利なことまで、天気についてまるっと楽しく学べる書籍『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』を紹介します。
著者は、2021年8月8日(日)放送のドキュメンタリー番組『情熱大陸』(TBS系)の出演も大好評だった、”雲研究者”の荒木健太郎さん。映画『天気の子』の気象監修でも知られており、Twitterアカウント(@arakencloud)では精力的に天気に関する情報を発信している、気象庁気象研究所研究官です。
先述した「みそ汁の湯気は雲である」は、本書で以下のように紹介されています。
「アツアツのおみそ汁の表面付近では、空気が急激に温められたことに加え、たくさんの水蒸気が空気に与えられます。温められた空気は周囲と比べて軽いために上昇します。このとき、周囲の空気と混ざって空気の温度が下がり、水蒸気が水のつぶとなってあふれたのが湯気です。湯気はその後、周囲の乾燥した空気と混ざってすぐに蒸発してしまいますが、これは空で雲が生まれるしくみとまったく同じです」
もし子どもに「雲は何でできているの?」「雲に乗れないのはなぜ?」などと訊かれても、この知識があれば、湯気の立つ身近なものを利用して説明できそうです。
ほかにも、滝で発生する「カタラクタ」や森で発生する「シルバ」など、空以外でできる「雲」を紹介。聞き慣れない言葉ですが、解説とともに掲載された写真を見ると「あ、知ってるかも」となるはずです。もちろん、よく耳にする「入道雲(積雲のひとつ)」や「積乱雲」なども紹介されており、細かく分けると雲の種類は100種類以上になるというから驚きです。
本書では「雲は地震の前兆にはならない」や「気候を変えつつある地球温暖化」、「『台風の予報円の大きさ=台風の大きさ』じゃない」、「気象庁が臨時記者会見をするときはマジでヤバい!」など、天気に関する不安や深刻な問題についても記載。知っているようで知らなかった情報に「え、そうだったの!?」となる人もいるのではないでしょうか。
本書は子ども向けとされており、天気に関心のある子どもと一緒に読んだり、夏休みの自由研究の参考にしたりするのもおすすめですが、大人にも非常に役立つ情報が詰まった一冊です。荒木さんのYouTubeチャンネルには、本書の内容を解説した動画も投稿されているので、あわせてチェックするとより理解が深まります。
[文・春夏冬つかさ]
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