B級フード研究家・野島慎一郎の美味しかったカップ麺 月間ベスト5(2021年7月)

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カップ麺やスナック菓子、ファストフードなどのアレンジレシピを研究する“B級フード研究家”としても活動している、ノジーマこと野島慎一郎です。

いつもガジェット通信ではアレンジレシピを紹介する記事を中心に執筆していますが、普段から研究としてカップ麺をよく食べているので、1か月で食べたカップ麺のなかから個人的に美味しいと感じたカップ麺ベスト5をご紹介しています。

今回は2021年7月のランキングです。新旧問わずに美味しいと感じたものを選んだ個人的なランキングではありますが、皆さまのカップ麺選びの参考にしていただければ幸いです。

第5位:信陽食品 ポンちゃんラーメン しょうゆ味

2021年7月の5位には長野や山梨の一部でしか買えないご当地カップ麺「ポンちゃんラーメン」のしょうゆ味を選びました。いや、選んでしまったという方が正しいのかもしれません。

こちらは先日も記事にて紹介させていただきましたが、1980年頃のカップ麺がタイムカプセルからそのまま発掘されたような、はたまた当時のカップ麺が令和にタイムスリップしてきたかのような、そんなレトロ感で満ち溢れた素朴なカップラーメンになっています。

透明度の高い醤油スープにわかめ、なると、コーン、赤ピーマンなどが入って見た目はかなり色鮮やかなのですが、味は本当にシンプル。余計なものを極限まで削ぎ落とし、なおかつ令和時代のカップ麺なら大切にしそうな要素までも削ぎ落としている感じ。調味油とかそういう概念もないですからね。

でも不思議とまた食べたくなってしまうのがポンちゃんラーメンの魔力。こちらは食べてから1か月近く経ちましたが、無性にもう一度食べたくなっている自分がいるんですよねえ……。一回食べただけでそんな気持ちになるんだから、これを食べて育ってきた人にとってはときどき無性に食べたくなるソウルフード的な存在になっている可能性が高い気がします。

今のカップ麺と同じ物差しでは美味しさを比べられないけど、独特のチープさが癖になる一杯でした。

第4位:セブンプレミアム 銘店紀行 博多だるま

明星食品が製造しているセブンプレミアムの豚骨カップラーメン「銘店紀行 博多だるま」を4位に選びました。

セブンプレミアムが手掛ける銘店の豚骨カップ麺といえば「一風堂」の完成度が高く、万人受けする食べやすい味にまとまっていて個人的にも大好きだったりするんですが、こちらは若干人を選ぶかもしれません。なにより豚骨の香りが強烈!

「香りの一撃」と称された調味油を入れて仕上げるんですが、これがもう豚骨ラーメン屋の店頭の換気扇から出てくる空気とほぼ同じニオイ。ゆえに食べるシーンもちゃんと考えなければならない一杯ですよ。職場とかで隣の席の人にこれを食べられたらちょっと怒っちゃうかもしれないですもん。

でもその分豚骨スープは本格的で、大量に入っているネギも相まってめちゃくちゃまろやか。背脂もプカリプカリと浮かんでいて、麺はコシのある細麺。「一風堂」とはまた違うのにしっかりクオリティの高い豚骨ラーメンに仕上がっているところはさすがですね。

まろやかさが突き抜けているところがあるので、紅生姜とか辛子高菜あたりをトッピングしてあげると味のバランスが整い、かなりガチな感じに仕上がると思いますよ。

第3位:マルちゃん 正麺 炎の汁なし担々麺

3位にはマルちゃん正麺の「炎の汁なし担々麺」を選びました。汁なし担々麺が夏向けの激辛仕様になり、唐辛子の使用量が2倍になったのだとか!

ところが最近は「獄激辛ペヤング」や「蒙古タンメン中本」「辛辛魚」などによって激辛カップ麺はインフレ状態。今作もびびりながら食べてみましたが、ほかの激辛カップ麺によって鍛えられてしまったのかそこまで強烈な辛さには感じませんでした。ゆえにほどよい辛さで食べやすい!

マルちゃん正麺のノンフライ麺はもはや生麺と比べても遜色ないほどによくできているので、湯切りをして食べるまぜそばスタイルとの相性は抜群。もちもち食感をバッチリ堪能できます。

ただ、唐辛子2倍の刺激はそこまで強烈には感じなかったけど、花椒のビリビリ感はなかなか強めなので苦手な人はお気をつけください。あとは唐辛子が2倍になった影響か、味付け自体も濃い目に感じるかも。温泉たまごを入れたり、ネギなどの具材を追加して味を薄めさせるといい感じに整うのでおすすめです。

第2位:明星 HYBRID X 蟹×豚骨 crab台風。 蟹そば

2位には明星の新ブランド「HYBRID X」の第1弾として登場した「蟹×豚骨 crab台風。 蟹そば」を選びました。カップラーメンで蟹! 最近の明星はネタに走らずにキレのいい変化球をビシビシと投げ込んでくる印象。ほんと最高です。

こちらはガジェット通信でも連載中の人気ラーメンライター・井手隊長がいち早く絶賛する記事を上げていましたが、その内容にはほぼほぼ同意。実店舗で食べたことがないので再現度はわかりませんが、丁寧に作り込まれていることがわかる濃厚スープの出来のよさには驚かされました!

豚骨と蟹が見事に調和するということにも驚きですが、カップラーメンのスープなのに蟹の芳醇な風味をちゃんと感じられるのは衝撃的。そのスープは弾力のある細麺にもよく絡んでくるので、純粋に麺とスープのコンビネーションだけで十分に満足できます。

難点があるとすれば、スープにステータスを振りすぎたせいか具がちょっぴり寂しいのと、これだけのスープをたった65gの麺で迎え撃つのはどうにももったいなく感じてしまうこと。

トッピングでお好みの具材を追加するのはぜひ推奨したいですし(井手隊長はうずらの水煮推し)、手間はかかりますがいっそのことスープが薄くなって限界を迎えるまで替え玉を楽しみたい。そんな最強スープの一杯でした!

第1位:セイコーマート 山わさび塩焼そば

2021年7月のランキング1位には北海道を中心に展開するローカルコンビニチェーン「セイコーマート」のPB商品 「山わさび塩焼そば」を選びました!

「また地域限定商品かよ!」とツッコミが浴びせられそうですが、実はセイコーマートのは最近イオングループと提携し始めていて、セイコーマートのPB商品がイオングループの各店舗でも販売されるようになっているんですよね。実際こちらも北海道ではなく、地元のウエルシアで入手することができました。

「山わさび塩焼そば」はセイコーマートのPB商品のなかでも圧倒的な人気を誇る「山わさび塩ラーメン」の姉妹品。「山わさび塩ラーメン」は立ち上る湯気と一緒に山わさびの刺激成分が拡散し、一口食べるごとに涙や鼻水がダラダラと垂れてしまう恐ろしいカップ麺で、一部では「食べる催涙ガス」と評されているそう。

その姉妹品ということで厳重警戒したうえで食べてみたのですが、これがいい意味で拍子抜け。味付けはツーンと辛いのに、食べているだけで目や鼻がやられるような殺人的な刺激は薄まっていました。ラーメンではなく焼きそばになったことで湯気が減り、余計な刺激がなくなって食べやすくなったわけですな。純粋にカップ麺に対峙できるのは嬉しい限り。


「山わさび塩焼そば」は具材が少なく、すごくシンプルな塩焼きそばなので、その分味付けに繊細さが求められることになります。でもこちらは旨味と塩味のバランスがよく、アクセントとしてすごく上手に山わさびの辛さを使っていました。絶妙なバランスが素晴らしい!

昨今の激辛カップ麺ブームに便乗し、ただただ辛さをブーストするのではなく、あくまでも美味しさを追求して適切に山わさびを使っているんですよね。残念ながらテレビで紹介された影響もあり、セイコーマートの公式通販サイトでは完売となっていたため、店頭で見かけたとしてもすぐになくなってしまうことでしょう。ぜひ再販を願いたい、そしてもっと全国のイオングループで扱ってほしいカップ麺でした。

総評

以上、2021年7月の美味しかったカップ麺ベスト5でした。次回は9月上旬頃に2021年8月のランキングを発表予定です。どうぞお楽しみに!

(執筆者: ノジーマ)

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