コンセプトは“マイスペック” パナソニックが自分仕様にカスタマイズできる、オーブンレンジと炊飯器を今秋発売。
共働き世帯の増加や働き方の多様化、そしてニューノーマル時代の到来――。ライフスタイルの変化が著しい近年においては、家電製品にも一人ひとりの暮らしに寄り添う機能が求められている。そんな中、パナソニックでは、IoTに対応したオーブンレンジと炊飯器の新コンセプトモデルを今年9月に発売する。これに先駆けて、メディア向け発表会が6月30日に開催された。
冒頭では新製品のコンセプトについて、同社コンシューマーマーケティングジャパン本部 岡橋藍氏より説明された。
少子高齢化や晩婚化、未婚化など、ライフスタイルが多様化する近年だが、特に単身や二人暮らしなどの少人数世帯の増加が目立っている。今年9月1日に新発売する2製品はいずれも少人数世帯に着目した。また同社が独自調査を行ったところ、家電にシンプルさを求める声もあれば本格調理を求める声など、ニーズは多岐にわたることが判明。そこで最小限の機能を持つハードとカスタマイズ可能なアプリをかけ合わせることで、“一人ひとりにちょうどいい価値”を提供していく。
「必要な時に必要な機能を追加し、ライフスタイルに合わせた使い方が可能になった。フルスペックでもハイスペックでもなく、“マイスペック”として提案したい」(岡橋氏)
「ライス&クッカー」(写真左)は本体の炊飯コースを自分仕様にカスタマイズできる、IoT対応IHジャー炊飯器だ。2つのIHコイルにより、強力な泡の熱対流を生み出し、ご飯を大きくふっくら炊くことができる。さらに高温浸漬で米の中までしっかり吸収させ、解凍後のべたつきを防ぐ「冷凍用ごはんコース」を搭載。まとめてご飯を炊く機会が多い人にはうれしい機能と言えるだろう。
「調理コース」では、材料を入れるだけでスープや煮込み料理を作ることが可能だ。アプリで「自動」か「手動」を選択し、さらにレシピを選んで本体に送信。本体の「炊飯」を押すと調理が開始される。自動調理では10のレシピの中から選ぶことができ、さらに今後は「DEAN&DELUCA」監修メニューなど随時レシピを追加していく予定だ。
「ビストロ(NE-UBS5A)」は、購入時はシンプルなオーブン・レンジ機能に絞り、必要となった時に機能のアップデートが可能なIoT対応オーブンレンジだ。本体キー操作をダイヤルに集約し、キッチン空間になじみやすいノイズレスなデザインとなっている。
アプリで興味のあるキーワードを選ぶと、おすすめのカテゴリーからメニューが提案される。その時の気分で自分にピッタリなメニューに出会えるのも魅力だ。「ライス&クッカー」同様、DEAN&DELUCAとコラボしたメニューも配信される予定だ。トレンドを捉えたメニューを随時配信し、多様な食のニーズに対応していく。
別売の「スチームポット(NE-US1)」はポット内で水を蒸発させることにより、卵など様々な食材を蒸すことができる。また底面にフェライトゴムを搭載しているため、フライパンのように熱々になり、餃子や焼きそばなどの蒸し焼きにも使うことが可能だ。
発表会ではスチームポットを使用した「朝食フレンチトースト」の実演も行われた。ポットにリンゴ、アパレイユ液に浸したパン、バターを入れ、蓋をして庫内にセットする。
アプリで「朝食フレンチトースト」を選択し、本体に送信する。
本体液晶画面に「朝食フレンチトースト」が表示されたのを確認し、スタートボタンを押す。
待つこと数分後、完成。パンの裏面に焼き色がついているのが印象的だ。裏返しして追加加熱すれば、両面を焼くこともできる。
フレンチトースト以外にも、ビストロで作った「豚肉のポルペッティーニ」とライス&クッカーで調理した「アボガドとライムスープ」を試食することができた。
松の実を練り合わせたイタリア風ミートボール、ポルペッティーニ。松の実の香ばしさとミントの清涼感がアクセントに。冷やして前菜としても楽しめる一品だ。
夏野菜がふんだんに使われたライムスープ。ライムの酸味とアボカドの濃厚さが見事にマッチしている。具材を切って入れるだけで完成するのも魅力的だ。
見事な焼き色が食欲をそそるフレンチトースト。バターの香ばしさも引き立っており、まるでフライパンで作ったような仕上がりだ。
スチームポットは食卓にそのまま出せるデザインとなっているため、ホームパーティーにも活躍するだろう。さらに朝食目玉焼きセットなど、忙しい朝時間に重宝しそうなメニューも提案する。
シンプルな家電を、自分仕様にカスタマイズするオーブンレンジと炊飯器。機能を詰め込むのではなく、自分らしく使う“マイスペック”というスタイルは、多様性が求められる時代において、注目を集めるに違いないだろう。
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