スリラー映画『RUN/ラン』トリビア集 前作『search/サーチ』とのつながり、オマージュなど[ホラー通信]

『saerch/サーチ』のアニーシュ・チャガンティ監督と製作チームが再集結し、母親から娘に注がれる危険な愛を描いたスリラー『RUN/ラン』が現在公開中。

生まれながらの病気で車椅子生活を送る娘クロエと、彼女を甲斐甲斐しく世話する献身的な母ダイアン。しかし、クロエの自立を前に、ダイアンの恐るべき本性が顕になっていく。

このたび、本作に散りばめられたオマージュや、前作『search/サーチ』とのつながり、物語の核心に迫るキーワードなどの一部を明かすトリビア集が解禁となった。ネタバレにあたる内容も含むため、鑑賞前の方はご注意を。

『RUN/ラン』トリビア集

ワシントン大学

クロエが進学を希望しているこの大学は、ワシントン州シアトルに実在する名門の州立大学。映画の序盤には、クロエが同大学の公式サイトを閲覧するシーンがある。そのページ内の“引っ越しに関するヒント”のコーナーに掲載されている写真の女性は、『search/サーチ』で“fish_n_chips”というハンドルネームのアカウントに使われていたアイコンの女性と同一人物だ。

メイン州デリー

クロエが母ダイアンに飲まされている薬を調べるため電話番号案内「411」に電話をすると、「お調べする州名と都市名を言ってください。例えば“メイン州デリー”のように」と自動音声が流れる。“メイン州デリー”はベストセラー作家のスティーヴン・キングが創造した架空の田舎町。彼の小説「IT -イット-」「不眠症」などの舞台になった。さらにこの時、クロエがランダムに電話をかけて薬の詳細を調べてもらう男性は、『グランド・ブタペスト・ホテル』「サーヴァント ターナー家の子守」の俳優トニー・レヴォロリが演じている。

劇中映画『Breakout』

クロエとダイアンが訪れた映画館で上映中の作品『Breakout』。その題名の意味である“脱出”が、クロエのその後の運命を予感させている。『Breakout』のポスターには、『search/サーチ』の主演俳優ジョン・チョーが協力している。

キャシー・ベイツ

映画館を抜け出したクロエが薬局に駆け込むシーンで、彼女に応対する薬剤師の名前は“ミセス・ベイツ”。のちにダイアンが電話をかけるシーンで、その女性のファーストネームは“キャシー”だと判明。キャシー・ベイツはスティーヴン・キング原作映画『ミザリー』の主演女優であり、同作品へのささやかなオマージュになっている。

ダイアンの背中の傷

ダイアンが自宅でシャワーを浴びるシーン。このとき彼女の背中に、いくつもの惨たらしい傷痕があることが判明する。劇中では削除されたが、ダイアンは幼少期に母親から虐待を受けていた過去を持つ。監督はダイアンの幼少時代や、母、祖母の人生まで遡ったバックストーリーを書き記しサラと共有していた。キャラクター作りに重要な役割を果たしていたという裏話も。

代理ミュンヒハウゼン症候群

子どもへの虐待の一種で、親が自らの欲求を満たすため、子どもにわざと病気や障害を作り、その面倒をみることによって周囲の注目や同情を集めようとする精神疾患。加害者には母親が多くみられる。2019年のTVシリーズ「見せかけの日々」は、2015年にアメリカのミズーリ州で実際に起こったディーディー・ブランチャード殺害事件を題材にしており、代理ミュンヒハウゼン症候群を扱った衝撃的な内容が大きな反響を呼んだ。チャガンティ監督はホラー通信のインタビューで、ダイアンの行動や選択について代理ミュンヒハウゼン症候群の症例を参考にしたと明かしている。

『RUN/ラン』
全国公開中

監督・脚本:アニーシュ・チャガンティ 製作・脚本:セヴ・オハニアン
出演:サラ・ポールソン、キーラ・アレン
2020/英語/アメリカ/90分/5.1ch/カラー/スコープ/原題:RUN/G/字幕翻訳:高山舞子
配給・宣伝:キノフィルムズ 提供:木下グループ

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レイナス

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