「朝令暮改」とはどんなことば?悪い意味?それとも実はいい意味の言葉?

「朝令暮改」とはどんなことば?悪い意味?それとも実はいい意味の言葉?

「朝令暮改」とは、命令や政令などが頻繁に変更されて一定しないことという意味の四字熟語です。
言ってることが一定しない上司などに対して部下が不満を持って言うような意味のある言葉で、あまり良いイメージのない四字熟語ですよね。
ところが近年は、良い意味でも使われることがあるのだとか。

「朝令暮改」の詳しい意味について、またどうして良い意味でも使われるのかをご紹介します。

「朝令暮改」とは

 

まずは「朝令暮改」の意味や使い方を見ていきましょう。

「朝令暮改」の意味

朝令暮改は、命令や指示などが頻繁に変更されるため、一定しないことをあらわす四字熟語です。
「朝出した命令が夕方の暮れる頃にはもう改められる」という意味合いから来ています。

「朝令暮改」はネガティブな意味合いで用いられる

「朝令暮改」は、基本的にネガティブな意味合いで使われる言葉です。

決まりごとや命令がコロコロ変わってしまうのは、多くの人が戸惑ったり、困惑したりする原因になるためです。
たとえば経営陣が方針をコロコロ変えてしまう会社では、現場や部下が困るのは当たり前です。

そのため、信用ならないというイメージで使われることが多いです。

現在は悪い意味・・・だけとも言い切れない?

しかし、現在では「朝令暮改」をポジティブな意味合いで使われることも増えています。

会社の経営などビジネスの世界では、状況の変化をいち早くキャッチし、臨機応変に状況に合わせていくことが求められます。
どんどん変化していかなければならないため、決まりごとなどは「朝令暮改」となってしまう場合もあります。
そのような場合、「朝令暮改」をスピード感のある対応という意味合いで用いられ、メリットのある言葉として捉えられるのです。

「朝令暮改」の由来

 

次に、「朝令暮改」という言葉が生まれた由来をご紹介します。

由来は古代中国でまとめられた「漢書」にある

朝令暮改の由来は、古代中国の頃にまとめられた「漢書」という歴史書にあります。
後漢の時代に、前漢についてまとめられた歴史書となっており、多くの故事がまとめられています。

そこには、前漢の第5代皇帝・文帝へ、家臣が奏上書を送ったとあります。
その内容は、農民が日々の労働に苦しんでいる様子、そして偉い人からの命令が一定せず農民が振り回されているという様子を訴えたものでした。

その文中にある「朝令而暮改」という1文から生まれた言葉です。

「朝三暮四」との違い

 

「朝令暮改」と似たような表記の四字熟語に「朝三暮四」があります。
こちらはどのような意味なのでしょうか?

「朝三暮四」の意味

朝三暮四は、目先の違いにとらわれてしまって、結論は同じことになるのを理解していないという意味の四字熟語です。
また、言葉巧みに人を欺くことという意味もあります。

「朝三暮四」の由来

朝三暮四もまた、中国の故事に由来します。

中国の宋の時代、「狙公」という人が猿を飼っていました。
その猿たちに「今後の餌はとちの実を朝3つ、晩4つ」と提案したところ猿たちは怒ってきました。
そこで今度は「朝4つ晩3つ」と提案したところ、朝の量が増えたと猿たちは喜んで受け入れました。

一日7つであることには変わらないのに、朝の数だけ見て喜んだ猿のこの様子をあらわした逸話から生まれた四字熟語となっています。

まとめ

「朝令暮改」は命令や政令などが頻繁に変更されて一定しないことを意味する四字熟語。
古代中国でまとめられた「漢書」を由来として、ネガティブな意味合いで使われることが多いです。
しかし、近年では臨機応変に対応できるというようなポジティブな意味として解釈される事もあります。

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