LANケーブルの寿命~交換のタイミングと正しい捨て方
なかなか壊れる印象がないLANケーブル。その寿命や捨て方をご存知でしょうか?実はLANケーブルも寿命が存在し、適正な捨て方が決まっているのです。ここではLANケーブルの寿命や交換のタイミング、正しい捨て方を詳しく紹介します。
LANケーブルの寿命はどのくらい?その基準は?
LANケーブルの劣化速度は、発売時期や材質、設置・使用状況などで大きく異なります。そのため「LANケーブルの寿命は◯◯年」と断言はできません。
ひとつの指標として国税庁の『法定耐用年数』を参考にすると、ケーブル類の寿命の目安は18年との記載があります。しかし法定耐用年数はあくまでも税法上の観念であり、実際はもっと長く使用できるLANケーブルが大半。屋内であれば20~30年ほどの耐久性を記している資料もあるので、かなり長持ちする印象ですね。
外的要因の劣化を除いたLANケーブルの寿命のサインは『通信速度の遅延』や『頻繁に回線が切れる』といった症状の出現です。通信が遅いと、ネット環境やモデムなどの機器が原因だと考えがちですよね。実は「何年も前のLANケーブルを使い続けていたため」といった事実も少なくありません。
PCや通信機器を新調したにもかかわらず通信速度が出ないとお悩みの方は、機器の性能に見合うLANケーブルへの変更を検討してみてくださいね。
LANケーブルを寿命以外で交換するタイミング
LANケーブルの経年劣化はやむを得ないものの、環境によっては数年で交換を要する事態もありえます。ここでは寿命以外でLANケーブルの交換が必要なポイントをまとめました。項目に当てはまるLANケーブルをお使いの方は、速やかな交換をしましょう。
LANケーブル自体の破損
LANケーブルを交換をせざるをえない状況として、もっとも多い原因がケーブル自体の破損ではないでしょうか?突然インターネットに繋がらなくなるため、ストレスの元ですよね。ケーブルにダメージを与える主な要因は、下記の通りです。
コネクタの破損
無理な抜き差しの繰り返しで、LANケーブルの先端についている端子(コネクタ)の爪折れが発生
ケーブル内部の断線
過度な引っぱり・圧迫・ねじ曲げなどは、ケーブル内断線の原因
高温の環境や湿気の高い場所、紫外線を浴びる場所への設置
極端な環境下では、ケーブル自体の劣化が早い
油分や水分がコネクタからケーブル内に浸透
屋内用は汚れや浸水に耐久性がなく、故障やショートの原因
自身での修理は専門知識がなければ難しく、おすすめしません。早急な買い換えが懸命だといえるでしょう。
高速回線への乗り換え
契約している回線の変更時が、LANケーブルの寿命以外で交換するタイミングでもあります。というのも、高速回線に乗り換えてもLANケーブル自体が古い規格ならば、通信が遅くなってしまうのです。
LANケーブルの規格は『カテゴリ(CAT)』でわけられています。『CAT5』などど製品に表示され、数字が大きいほど高速回線にも対応可能。一般的には『CAT6』のLANケーブルで十分ですが、4K画質の映像やオンラインゲームをプレイする予定がある方は『CAT7』以降を選ぶと安心です。
寿命が訪れたLANケーブルの正しい捨て方とは
寿命が訪れたLANケーブルを、クローゼットの奥にしまったままではありませんか?ケーブル類を捨てる場合、いつ・どのように捨てればよいのかが、いまいちわからないと思います。正しい捨て方について、3つ紹介します。
住んでいる自治体のゴミ回収を利用
LANケーブルの捨て方は、自治体のごみ収集にて下記の扱いとなります。
長さが30cm以下→『不燃ごみ』
長さが30cm以上→束ねたり切断したりすれば『不燃ごみ』
長さが10mを超えるような太いケーブル→『粗大ごみ』
一般的に『可燃ごみ』としては扱いません。なぜならLANケーブルに使用されている主な素材のポリ塩化ビニールが、摂氏800℃以上でなければ完全焼却ができないためです。
ただし自治体によっては『可燃ごみ』として収集可能な地区もあるので、処分前に自治体のホームページに掲載されている『ごみ分別早見表』などをチェックしてくださいね。
小型家電回収ボックスにて無料回収
環境省の『使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律』にもとづき、自治体によっては小型家電回収ボックスにて無料回収を勧めています。パソコン関連に使用されている有用金属(銅やレアメタルなど)をリサイクルして活用する目的です。しかし回収ボックスの設置は義務ではなく、ボックスを取り扱っていない自治体もあるので注意しましょう。
メーカーにパソコンと一緒に回収してもらう
パソコンを捨てる際に標準添付品であるLANケーブルがあれば、メーカーが一緒に回収してくれます。自治体のゴミ収集による不燃ごみとして捨てる場合、束ねたり切断したりと手間がかかるうえに、収集日まで待たなければなりません。しかしメーカーでの回収はその煩わしさが省けるメリットがあります。ただしパソコンとは別に購入したLANケーブルは回収不可なので、気をつけましょう。
ネットで調べると、無料回収業者の名前も挙がります。しかしそのなかには法令遵守をせず、適切な処理をおこなわない悪質業者が存在する事実は否めません。LANケーブルを捨てる際は、ここで紹介した正しい方法をおすすめします。
おわりに
LANケーブルの寿命は18年以上ですが、環境や扱いによっては数年で劣化します。回線不良や故障、状況によってはショートする可能性も否めません。「おかしいな」と感じたら早めの交換し、自治体やメーカーのルールに沿って正しい方法で捨てましょう。また、新調する際にはLANケーブル規格の『カテゴリ』にも注目してみてくださいね。
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