【インタビュー】地方物件の差別化にIoT機器が活躍

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【インタビュー】地方物件の差別化にIoT機器が活躍

アクセルラボ(東京・渋谷区)が開発・提供しているIoT・スマートホームのプラットフォーム『SpaceCore』は、地方の物件にも導入が進んでいる。

今回は、地方の既存物件をメインに取り扱う企業に話を聞いた。

地方不動産の再生事業成功の秘訣

ゴールドスワンキャピタル(東京・中央区)は、地方の投資物件をメインとした不動産事業を展開している。

なかでも、地方の一棟収益物件を取得してリノベーションを行い、長期に渡って保有する「地方不動産再生事業」が事業の中核だ。

大都市を避けることで利回りの高い物件を仕入れることができるが、リスクがないわけではない。地方の人口流出や人口減少は、不動産業界にも大きな影響を与えている。

ゴールドスワンキャピタルは2011年の設立以来、地方不動産に特化した物件の仕入れや目利き、再生のノウハウを最大の強みとして事業を展開してきた。豊富な実績が裏付けるように、現在ではグループ全体で20棟以上、約1,300戸の物件を保有している。

同社の伊藤邦生社長は野村證券出身。当時「サラリーマン大家」という言葉や資産形成が流行っていた時代に、地方物件の不動産投資を始めたことが独立のきっかけになったという。

ゴールドスワンキャピタル・伊藤邦生社長

 

2021年2月、そんな同社が再生事業を請け負った「Lei knot Wakayama」(和歌山市)の全戸に、『SpaceCore』を導入したことを発表した。「Lei knot Wakayama」は地上13階、全93戸のワンルームマンションだ。

 

『SpaceCore』導入には、どのような期待や意図があったのだろうか。
伊藤社長に加え、IT事業部の藤原匠哉課長、AM部の水野稜子主任に話を聞いた。

AM部・水野稜子主任、IT事業部・藤原匠哉課長(左から)

IoT活用で見えてきた物件の差別化

―和歌山市の「Lei knot Wakayama」に『SpaceCore』を導入したきっかけを教えてください。

伊藤社長
導入のきっかけは、「最近こういったIoTやスマートホームが流行っていて、興味がある。少し勉強してみるか」というコミュニケーションからでした。以前から何度か社内で議題に上がっており、入居者の満足度の向上や物件の差別化などに活用できるのはないかという話がありました。

ただ、様々な会社の製品を見ていてもコストが高く、実際に導入してもどのようなメリットがあるか見えないため、躊躇していました。

藤原課長
そういったなかで、2020年の7月頃にアクセルラボのウェブセミナーに参加したことで接点が生まれ、具体的に話を聞き『SpaceCore』の導入に至りました。

『SpaceCore』の導入後に他社の話を聞きましたが、ランニングコストが倍ぐらい高かったですね。『SpaceCore』は、価格が安かったのでお試しという感覚で導入しました。

 

―導入が決まってから、アクセルラボの担当の対応はいかがでしょう。

水野主任
凄く頑張ってくれました。
実際に現場に来てくれたりと、フットワークも軽くとても良かったです。

「Lei knot Wakayama」は、1987年築と古い物件だったため、『SpaceCore』に対応したスマートロックが取り付けられないといったトラブルも発生しました。

しかし、担当の方からすぐに鍵屋を紹介していただき、取り付けられるようにしていただきました。

 

 

―入居者の反応はどうでしょうか。

伊藤社長
「Lei knot Wakayama」の再生工事がまだ終わっておらず、完了した物件から随時入居いただいているような状況なのですが、入居者のうち半数以上の方には『SpaceCore』アプリを設定いただいているようです。

空室の問題などが顕著になってきているなかで、差別化としてIoT機器を取り入れることは重要だと感じています。

水野主任
「どういう風に使うの?」といった問い合わせも多く。
入居者の生活利便性や満足度の向上には繋がっていると感じています。

私自身、実際に『SpaceCore』を使ってみたら単純に楽しかったですね。

これまでIoTやスマート家電を使ったことがなかったので、ワンプッシュで照明やエアコンが動き出すというのは、新しい生活へのワクワク感が伝わってくると感じました。

 

―その他にも『SpaceCore』の活用方法はありますか。

伊藤社長
スマートロックは、無人内見などにも活用できると感じています。
鍵をわざわざ管理会社に借りに行くことを手間に感じている仲介会社は多いです。現地の物件にキーボックスを置いているケースもありますがそれでは、セキュリティのリスクも大きいため、スマートロックは便利だと感じています。

また、当社ではマンスリーの事業もしていて、スマートロック・スマートキーはそちらにも活用できると感じています。

 

―では、『SpaceCore』に対しての要望はありますが。

伊藤社長
スマートロックに関して、リアルな鍵も必要となる部分ですね。
理想としては、管理会社がリアルな鍵を保管しておき、入居者はスマートロックだけにしたい。そうすれば、鍵交換などの手間もなくなります。

藤原課長
様々な機器を操作するためのハブ機器がシーリングライトと一体になったものが最近出たようなのですが、当社の物件のリフォームが終わった後だったので、タイミングが惜しかったなと感じています。

もう少し、ハブ機器が目立たないものになってくれたら良いなと思っています。

水野主任
入居者や管理会社に対する『SpaceCore』の使い方や機能を落とし込む流れがもっとスムーズになればと感じています。

 

 

―IoT機器を精力的に取り入れているゴールドスワンキャピタルですが、同社が目指す将来の展望はありますか。

伊藤社長
地方の投資物件は、あまりプレイヤーの新規参入がない業界ですが、最近は魅力的な物件も増えてきています。当社としては、「Lei knot Wakayama」のような再生事業に加えて、今後は保有物件を増やしていくことにも力を入れていきたいと考えています。

そのためには、物件をより魅力的にすることが必須で、IoTをはじめとしたサービスやDXツールの活用などはとても重要になってくるでしょう。

常に新しいサービスや情報を取り入れながら、業界の変化にも柔軟に対応していきたいと考えています。

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