知っておきたい!素材別フェンスの特徴&メンテナンス講座

知っておきたい!素材別フェンスの特徴&メンテナンス講座

庭を囲うフェンスは、ガーデンデザインの要です。また、フェンスをたてたあとのメンテナンスも重要。一度たてると長年の付き合いとなるフェンスだからこそ、あなたの庭に合う素材を厳選しましょう。

庭のイメージづくり&メンテナンスも選択の重要事項!

フェンスは植栽の背景となり、庭のイメージを演出する重要なポイントに。しかしイメージ優先で素材を選ぶと、思いのほかメンテナンスに苦労することも。それぞれの素材の長所・短所をよく理解して、フェンスの素材を選びましょう。

 

天然木フェンス

天然の木材は、ナチュラルガーデンにはピッタリのフェンス素材です。温かみがあり、草花に自然に寄り添う存在感は、代えがたいもの。ほかの素材に比べ、リーズナブルで初期費用を抑えられるのもありがたい点です。

木製フェンスは、施工のポイントを押さえれば、DIYもできます。色は自然な木目・木調をいかすだけでなく、カラーペイントも。色を塗り変えれば、庭のイメージを一変させることも容易です。

長所が満載の天然木ですが、「天然素材」であることが短所にもつながります。戸外で紫外線や風雨にさらされることによる劣化、カビ、反りなどは、どうしても免れません。

劣化が進み、板がひび割れたりささくれが生じると、安全面でも不安です。さらに、白アリの食害に遭うことも・・・。

まず、劣化を最小限にとどめるためには、ハードウッドなど劣化に強い木材を選ぶこと。施工時にしっかりと木材用防腐・防蟻剤やを塗りこめること、1年に1~2回は塗りなおすことが大切です。さらに1年に2~3回、全体の汚れを落とすため、高圧洗浄機で洗い流すとよいでしょう。

 

人工木フェンス

人工木は「擬木」とも呼ばれ、天然木と見間違えるほど。樹脂や、木の粉と樹脂を混ぜ合わせたものが原料です。人工木は、戸外の過酷な環境に耐えるだけの強健さが最大の魅力。

天然木と異なり、腐食の心配はなく、紫外線による退色も天然の木材より遅めです。ほとんど反りもないうえ、ささくれも発生しません。

なによりもありがたい点は、メンテナンスが楽なこと。「メンテナンスフリー」として販売されている人工木もあるほどです。

汚れに気づいたら水で洗い流す、それでも落ちなければ、ぬるま湯で薄めた中性洗剤を用意し、柔らかいスポンジにで汚れを取るなど、簡単なお手入れのみで美しさが保てます。

よいことづくめの人工木とはいえ、やはり天然木とは質感が異なります。天然木ならではの肌触り、風合い、木の香りなどは完全に再現できません。

さらに、気を付けるべきことは、人工木は熱がこもりやすいこと。樹脂やプラスチックには熱をためる性質があるため、真夏に長時間日差しを浴びた人工木フェンスは、熱くなっている場合があるので要注意です。

日当たりのよい場所に設置するのならば、熱がこもりにくい工夫を施された人工木を選ぶとよいでしょう。

 

アルミフェンス

アルミは軽量で耐久性があるため、フェンスによく用いられる素材です。風雨にさらされてもサビや腐食に強く、美しさを保ちます。軽くて扱いやすいので、専用キットを入手して、DIYでアルミフェンスを取り付けることも可能です。

また市販品も多く、デザインが豊富。庭のイメージに合わせ、セレクトできます。しかしアルミフェンスは、衝撃には弱いのが泣き所。安価なアルミフェンスだと、ガーデニング作業中にぶつかったりすると、へこんでしまうこともあります。

また、一般的なアルミフェンスは、曲線を作るのが難しく、デザイン性が豊富とは言えません。アルミを原料とした鋳物ならば、曲線も思いのままですが高価です。

なお、劣化しにくいアルミフェンスですが、メンテナンスは必要です。土ぼこりなど汚れがついたときには、接合部の汚れは柔らかな布などでぬぐい、中性洗剤をぬるま湯で薄めたもので全体をふき取ります。その後、乾拭きで仕上げましょう。

 

スチール製メッシュフェンス

スチール製のメッシュフェンスは、アルミフェンスより耐久性に優れ、衝撃にも強いのが特徴です。ほかの素材に比べると安価なものが多く、公共施設などのフェンスでもよく用いられています。

網目が細かいメッシュフェンスは、足を引っかけて登りにくいため、防犯にも効果的です。また施工を業者に頼む場合、比較的短時間で施工できることから、工事費の節約にも。風通しや日照を阻害しないので、庭の植物にとってもありがたいフェンスです。

しかし、メッシュフェンスは風や日光だけでなく、人の目も通すので、そのままではプライバシーの確保は難しいといえます。 メッシュにつる性植物を絡め、グリーンで目隠しもできますが、常緑性の品種を選ぶのがコツ。落葉する品種は、一定期間は目隠しにならないので、その点を理解して。

また、素材のスチールは、サビの心配が。多くのスチール製メッシュフェンスは、プラスティックや樹脂などで表面加工をされていますが、時々状態をチェックしてください。万一、表面加工がはがれかけていたら、早々にさび止め塗料を塗ってメンテナンスしましょう。

 

コンクリートブロック塀

コンクリートブロックは安価なうえ、非常に頑丈な素材。きっちり積み上げたコンクリードブロックのフェンスは、プライバシーを確保し、防犯機能を高めるのにうってつけです。

また、建築・土木用の味気ないブロックばかりでなく、化粧ブロックと呼ばれるデザイン性に富んだものや、カラフルなブロックなども。お好みのブロックを用いて、デザイン性の高いブロックフェンスを作り上げることができます。

さらに、コンクリートブロックのみでなく、ガラスブロックを組み込んで光を通すフェンスにするなど、個性的なデザインも可能です。

ただし、コンクリートブロックフでフェンスをDIYすることは、簡単に考えないほうがよいでしょう。比較的扱いやすい390×190×100㎝のブロックでも、重量10kg以上。運んで持ち上げるだけでも、かなりハードです。

花壇用に2段程度積み上げるのならまだしも、フェンスに仕立てるとなると…。建築基準法を遵守し、安全な積み上げを行う専門業者に依頼するほうが安心で、確実です。

コンクリートブロックフェンスは頑丈ですが、経年劣化は起こります。もし、小さなひび割れを見つけたら、早々にメンテナンスしてください。

最初に、コンクリートの表面のほこりや汚れを、柔らかいスポンジで落とします。ひび割れたところがきれいになったら、専用補修材を埋め込み、表面をへらで平らにしてください。

 

レンガ塀

レンガ塀は、海外の古い街並みなどでよく見られ、どこかクラシックなたたずまいが人気です。レンガは一個一個は重くはないので、DIYにも向く素材。女性でも取り扱いできます。

サイズ、色、風合いなど、たくさんの種類のレンガがあり、庭のイメージに合わせて選ぶことも可能。経年とともに劣化も起こしますが、それがまた「味」となるのもレンガならではです。

レンガのメンテナンスは簡単。汚れやほこりは、ホウキなどで叩き落とします。施工直後や施工から3年未満の場合によくみられるのが、白いカビのようなものが発生する現象。

これは、レンガの原材料や目地材に含まれているセメント成分によるもので、特に問題ありません。水洗いすればすぐに取れます。

 

生垣

庭にグリーンを持ち込みたい、植栽になじむフェンスが欲しいという場合、生垣はぜひ候補に入れたいもの。選ぶ樹種によって、低くも高くも仕立てられ、花を付けるもの、香りがよいもの、爽やかな印象の斑入り葉、トゲを持った樹木で防犯性も高めてと、満喫法やメリットはたくさんです。

生垣に用いる樹木は比較的手ごろな価格帯が多く、初期費用も安く済みます。さらには、生垣は火災が広がりにくいという、防災面でも高評価が!

生垣は、植物で作られた、いわば「生きたフェンス」。生きているからこそ成長し、姿が乱れるのは仕方ありません。生垣には定期的な刈り込み作業は欠かせず、刈り込んだ分だけゴミるが出るのは覚悟して。

もう一つのデメリットは、樹木に寄り付く害虫。病気を持ち込む、食害する、最悪の場合は樹木を枯死させることもあります。刈り込みのほか、病害虫対策も必要なメンテナンスです。

 

おわりに

いかがでしたか?フェンスの素材によって、庭や建物の表情は一変します。慎重にセレクトしてくださいね。

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