[キャベツとレタスの違い]見た目が同じでも分類も歴史も違う!
見た目の似ているキャベツ(上のイラスト左)とレタス(イラスト右)。キャベツはレタスよりも葉がかたい、レタスはキャベツよりもふんわりと葉が巻いているという見た目以外に、その違いを明確に説明するとなると、なかなか難しいものです。今回は、由来や種類などキャベツとレタスの違いを紹介します。
キャベツはアブラナ科でレタスはキク科
見た目の似ているキャベツとレタスですが、分類上、全くの別物です。
キャベツは、ヨーロッパの地中海や大西洋の沿岸が原産地で、アブラナ科の一年草(野生種)または二年草(栽培種)。レタスは、エジプトや地中海沿岸が原産地の、キク科の野菜です。
キャベツとレタスの歴史や進化の違い
●キャベツの歴史と進化
キャベツ栽培の歴史は古く、紀元前600年ごろ。ケルト人が栽培したケールがキャベツのルーツと言われています。ただし当時のキャベツはボール状ではなく、約1000年前に葉が巻くことで現在の形になりました。そこから、ヨーロッパ各地に伝わったようです。
日本には江戸時代末に伝わり、明治時代から本格的な栽培が始まり、大正時代に広く食べられるようになりました。1950年ごろから人気が高まり、現在のように食卓に欠かせない野菜となったのです。
【進化した主な品種】
冬系(寒玉)、春系(春玉)、グリーンボール、芽キャベツ(下の写真左)、紫キャベツ(写真右)、コールラビなど。
●レタスの歴史と進化
レタス栽培の歴史も古く約2500年前の古代エジプトといわれています。その後ヨーロッパ各地で品種改良が重ねられて広まったようです。
日本では、奈良時代には中国から「ちしゃ」の名前で伝来しています。ただし当時の「ちしゃ」はボール状になっておらず、現在と同じ形状のレタスは、江戸時代から明治時代に欧米から輸入されてきたものです。
【進化した主な品種】
結球レタス、サラダ菜(バターヘッドなど)、葉レタス(下の写真左。サニーレタス、グリーンリーフなど)、立ちレタス(写真右。ロメインレタス、コスレタスなど)、茎レタス(掻きちしゃ、ステムレタスなど)など。
キャベツとレタスの産地
キャベツもレタスも旬はあるものの、一年を通じて店頭で見かけます。それは産地に秘密があります。
●キャベツの産地
キャベツは、生育適温を15~20℃とするため、夏には北海道や本州の高冷地で作られ、冬には温暖な地方へと産地が移動します。通年で、葉がやわらかい生食向きの春キャベツ、高冷地で栽培される夏秋キャベツ、甘みがあり煮込み料理に最適な冬キャベツがあります。
●レタスの産地
生育適温を15℃前後とするため、春レタスは茨城県、香川県や兵庫県などの大都市近郊の農業地帯でトンネル栽培により生産され、夏秋レタスは長野県や群馬県など冷涼な気候の露地で生産されます。冬レタスは比較的温暖な静岡県や香川県などで、トンネル栽培で生産されています。
おいしいキャベツとレタスの選び方
●キャベツ
春玉(春キャベツ)は巻きがやわらかく、弾力があるもの
寒玉(冬キャベツ)は巻きがかたく、重量感のあるもの
葉がきれいでツヤとハリがあるもの
芯がみずみずしくて、白く、変色やひび割れしていないもの
●レタス
結球レタスは、巻きがゆるく軽いもの
切り口が変色せず、直径が10円玉ぐらいの小さいもの
葉の緑が濃いもので、外葉の白い部分(葉脈)が極端に飛び出していないもの
最後に
キャベツとレタスの特徴を知って、料理に生かしてください。
[キャベツ]栄養を逃さない料理のコツと保存法
ビタミンCやビタミンK、葉酸などを多く含む、アブラナ科の野菜。原産はヨーロッパで、日本で広く食べられるようになったのは明治時代からです。
最終更新:2022.02.28
文:アーク・コミュニケーションズ
イラスト:林タロウ
監修:カゴメ
参考文献:『新・野菜の便利帳』板木利隆監修(高橋書店)
出典:
独立行政法人農畜産業振興機構
キャベツ(キャベツの歴史、種類、特徴)
レタス(今月の野菜)(レタスの歴史、種類、特徴)
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