AIが牛の健康状態を分析! NTT東日本の実証実験とは
AIやIoTという言葉が毎日のようにビジネスシーンで聞かれるようになって久しい。これからは「酪農業」という分野でも、最新のテクノロジーが活用されそうだ。
かながわ酪農業協同組合とNTT東日本、NTTビズリンクは、IoTカメラを通した牛の映像データ(動画や画像など)から疾病等を早期検知するシステムのサービス化に向けた実証実験を行った。この実験は、農場での酪農生産性向上および知見・スキルの承継を目指したものだという。
酪農業に課題を抱える神奈川
実は神奈川県は、牛乳生産量が北海道に次ぐ全国第2位*の県だ。その一方で、酪農に携わる人口は年々減少・高齢化が進んでおり、生産性の向上や後継者育成などの点で課題を多く抱えているという。
これらの課題を解決する手段として、かながわ酪農業協同組合員の農場では「遠隔で牛を見守るためのIoTカメラ」を導入することで、農場の見回り回数の削減などを実現してきた。今回の実験は、そのIoTカメラで録画した映像データを活用して牛の行動をAIが分析する。牛の健康状態等を検知する仕組みをテスト導入し、その有用性を検証するものだ。
AIが牛の健康状態を分析
具体的には、収集された動画・画像データについてAIに学習させることで、酪農経験者を介することなく牛の健康状態を把握し、疾病等の早期検知を可能とするシステムの構築を目指すという。今回の実験を通じ、酪農経験・場所・時間を問わずに牛の健康状態を把握できる環境をつくることで、酪農業界における働き方改革の実現、そして後継者の育成を目指していくという。
また同時にNTT東日本では、安定かつ精度の高いシステムを市場価格に比べて安価に提供できるよう、本実験で得たデータをもとに検証を行っていく。「農業の高齢化」は今や日本中で大きな課題だ。かながわ酪農業協同組合、NTT東日本、NTTビズリンクの3つの組織が協力することで、未来へのソリューションを見出せるかもしれない。
*農林水産省「作物統計」(2019年)
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