「東京・目白の田中角栄邸から新潟の生家まで3回曲がったら着く説」を実験してみた │久田将義

「東京・目白の田中角栄邸から新潟の生家まで3回曲がったら着く説」を実験してみた │久田将義

昭和の闇将軍、今太閤とまで呼ばれた元首相田中角栄氏には、「東京・目白の家から新潟の生家まで3回曲がったら着く」という都市伝説があります。日本列島改造論をぶちあげた「コンピューター付きブルドーザー」の異名を持つ剛腕首相。高速道路や新幹線などで地方と地方を結び、過疎化している地方を活性化させるという事にトライした事でも有名です。

道路に対するこだわりは凄まじく、国会議事堂から神楽坂の店にら行くために午後は一歩通行の道を逆方向でも通れるようにしたという逸話(真偽不明だが)が残っているくらいです。

実は本サイトでライター西牟田靖君が「3回曲がって着いた」というものを証明しているのですが、道路の写真がないため今回はドラレコと動画付きデジカメの両方で撮影しながら、本当に3回曲がって着くのかをトレスしたいと思います。

では、目白通りの田中角栄邸(現在は田中直紀・真紀子夫妻が住んでいる)から出発。

この通りはいつも通っているので走りやすいです。日本女子大や学習院大学、川村女子大など大学ストリートでもあります。

 

●1回目左折

 

真っすぐ走る事数キロ。「南長崎一丁目」の交差点を左折

ここで痛恨のミス。iPhoneの地図アプリに新潟の田中角栄邸の住所を入れたのですが、僕の頭の中では「新潟だから関越に入って真っすぐ」がインプットされいたにもかかわらず、地図アプリの言う通りに曲がってしまいました。新潟には車で何回か行っているので分かっていたはずなのに。
で、山手通りに出ます。

「3回曲がるうち、既に1回使っちゃった」……。悔いが残ります。

 

●2回目右折

 

真っすぐ行くと2回目の曲がり角。新目白通りにぶつかります。

これを右折して、ひたすら真っすぐ行けば関越に乗ります。右折のマークが出たので右に曲がろうとしたら、完全な信号無視自転車野郎に遭遇。

自転車も免許制にすれば良いのに。右に曲がって真っすぐ行くと関越の標識が出ます。

 

『映画秘宝』はなぜ失敗したのか 権威化した人々がやるべき事|久田将義 | https://tablo.jp/archives/41858

会ってる合ってる。というかこの辺りも走り慣れているのでストレスもありません。関越自動車道の入り口ににつきました。

高速乗ればあとはひたすら道なりに真っすぐに新潟を目指すのみでする。距離200キロ余りといったところでしょうか。
ところで前日は雨だったのでこの取材を止めたのですが、まだ雪が残っていたら車にとっては致命的。前もって新潟市役所に市内の様子を聞いておきました。またもっとも危険な雪道が越後湯沢あたりです。なので、前もってNEXCO東日本のホームページにアクセスし湯沢付近のライブカメラでチェックしておきました。関越をただひたすらに走ります。

行きは時間が長く感じるものです。埼玉も群馬も面積が広い。早く通り過ぎたいと思いながらハンドルを握ります(因みに東名を走る時は「静岡が長い」と感じる人は多いでしょう)。

関越トンネルにようやく入ります。長さ11,055m。高速自動車国道として日本最長。このトンネルを過ぎると一気に景色が変わるはずです。

そして抜けます。「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」という小説の一節を思い出します。

それよりも、前日雨だったので道の具合が気になります。ゆっくりと車を走らせていきます。どんどん進めていきましょう。北陸道とのJCTが見えます。
真っすぐ行くと新潟市内に行きますが、田中角栄さんは柏崎市出身。新潟とはかなり離れています。

西山ICで降りればそこはもう「角栄さん」(地元の人がそう言っているようなので)の地元です。

 

●3つ目右折

さて道なりに下っていくと料金所につきます。ここで3回目の曲がり角の遭遇。

「3回曲がったら角栄さんの家に着く」はず。iPhoneの地図アプリの通りに右折。ここを真っすぐ行くと着くのだろうか……。と思ったらTの字。

どっちか曲がらなければならないじゃん。3回ではなかったのか。というか東京から出発した時点でミスった事を実感

●4回目左折

そして左折。本当に着いてくれ。が、道は人も車も走っておらず少し寂しいし、田中角栄さんの生家が本当にあるのかと不安感が。

と、思いきや道に「田中」の標識がある豪邸があるではないですか。路肩にハザードを出して停車。検索で引っかかった田中角栄さんの実家の写真と同じ。あまりそこで写真を撮るのも失礼かと思い、早々に引き上げる事にしました。

周囲には人が本当にいなかったのですが、近所でご自宅の庭を手入れしているご婦人がいました。一応、本当に田中角栄さんの生家か確認したかったのです。

僕「すみません。いきなりごめんなさい。田中角栄さんの生まれた家ってあそこで良いんですか」
ご婦人「そうそう。その道をまっすぐ行ったところです(良かった合ってる)」
僕「有難うござました!」と立ち去ろうとしましたが、ふと聞きたい事が浮かびました。
引き返し「ごめんなさい! 一つだけ。田中角栄さんは皆さんにとって英雄なんですね」
「そうそう。道をよくしてくれてこんな雪の深い……(聞き取れず)」
「有り難うございました!」
と踵を返すと後ろからご婦人の声が聞こえました。

「新潟というか日本の(英雄)だね」

思わず後ろを振り返りました。ご婦人は僕の事などいなかったように、また庭掃除にいそしんでいました。これ以上声をかけるも迷惑だと思い車に戻りました。東京・目白の邸宅から4回(本当は3回)曲がれば田中角栄生家に着く。本当でした。これから東京へ戻ります。(文・撮影@久田将義)


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TABLOとは アメリカが生んだ、偉大な古典ミステリーの大家レイモンド・チャンドラー作品の主人公フィリップ・マーロウの有名なセリフがあります。 「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」 人が生きていく上で、「優しさ」こそ最も大切なものであることを端的に表現した言葉です。優しさとは「人を思いやる気持ち」であり「想像力を働かせること」です。弱者の立場に立つ想像力。 「人に優しく」 これは報道する側にも言えることだと思います。 現在、ヘイトニュース、ヘイト発言、フェイクニュースがネットの普及に従い、増大しており、報道関係者の間では深刻な問題となっています。そこには「人に優しく」という考えが存在していません。 なぜ、ヘイト(差別)ニュースがはびこるのか。「相手はどういう感情を抱くのか」という想像力の欠如がなせる業です。ヘイトによって、人は人に憎悪し、戦争が起き、傷ましい結果をもたらし、人類は反省し、「差別をしてはならない」ということを学んだはずです。 しかし、またもヘイトニュースがはびこる世の中になっています。人種差別だけではありません、LGBT差別、女性差別、職業差別等々、依然としてなくなっていないのだな、ということは心ある人ならネットの言論にはびこっていることに気づいているはずです。本サイトはこのヘイトに対して徹頭徹尾、対峙するものです。

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