ワラにもすがりたい阪神藤浪・・・ダーツ、アーチェリーの次は斉藤和巳「チラ見」投法
復活のためなら何だってやる。にじみ出んばかりの内なる闘志を秘め、プロ9年目キャンプを迎えた阪神藤浪晋太郎投手(26)が、また新たな挑戦に取り組んだ。沖縄・宜野座キャンプで披露したのは「チラ見」投法だ。
ブルペン投球で、左足を上げた際に視線を一瞬、三塁側に送る新フォームを試し「(元ソフトバンクでエースだった)斉藤和巳さんだったり、一流の投手は大体、頭が残っているとオフに聞いてきたので」と説明した。
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「続けるかわからない」と前置きするあたり、悩みが深い。「良い」と言われたら耳を傾け、散々試してきた。「プロ4年目に2ケタ勝てなくなって、何かを変えなきゃといろいろな理論を学び、フォームを修正し、評判のいいトレーニングを取り入れるなかで、本来の投げ方を見失ってしまった」。
大阪桐蔭で甲子園春夏連覇を果たした大型右腕は、12年ドラフトで4球団競合指名を受けた末、阪神に1位入団。ルーキーから2ケタ勝利をマークし、3年間で35勝を挙げた。順調な出だしから一転、以降5年間で16勝にとどまり、不調に苦しむ。トンネルを抜け出すべく、これまでさまざまな練習法を取り入れてきた。
◆井川慶流「ダーツ」投法
ブルペン投球時「肘からしっかり出さないときれいなリリースができない。ダーツみたいな感じ」と腕の使い方を研究。かつて阪神エースだった井川も取り入れた練習法で、当時の野村克也監督が制球難克服のために助言した。
◆藤川球児流「内角」意識付け
右打者に向かっていく、すっぽ抜けが課題で、プレートの一塁側を踏んで投球していたが、〝火の球ストレート〟で知られる藤川球児から「プレートの三塁側に立って、右打者の内角に向けてボールをつかまえる投球練習から始める」と助言され、実践した。
◆山本昌流「チェンジアップ」投法
阪神臨時コーチを務めた山本昌氏から、手首を立てないと投げられないチェンジアップを要求され「手首が寝ていると抜けたとき、ボールは左右に行く。手首を立てていれば、抜けてもボールは上か下にしか行かない」と制球力向上に取り組んだ。
◆ダルビッシュ流「プライオボール」トレ
メジャーで活躍しているダルビッシュ有と合同自主トレ。重さや大きさが違う数種類のボールを投げるトレーニングに「面白いから使ってみたら?」とすすめられた。プライオボールと呼ばれる器具を使い、新たな調整法として取り入れた。
◆五郎丸流「アーチェリー」投法
18年の公式戦でチャレンジした「アーチェリーポーズ」は、投げる前にグラブをはめた左手を真っすぐホームベース方向に指し、右手はアーチェリーの弦を引くように後頭部に上げる。独自ルーティンで話題となったラグビー五郎丸歩選手を指導したトレーニングコーチの助言を受け、集中力アップを図った。
球界レジェンドのアドバイスは氷山の一角で、おそらく数え切れないほどのアドバイスを試してきたことだろう。ただ、思うような結果が出ていないことから、迷走を心配する声も少なくない。「今度こそ!」のチラ見投法。なりふり構わない必死な思いが、復活への糸口となるか。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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