ponanzaが将棋倶楽部24で大暴れ

ponanzaが将棋倶楽部24で大暴れ

今回はやねうらおさんのブログ『俺のブログがこんなによっちゃんイカなわけがない』からご寄稿頂きました。
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ponanzaが将棋倶楽部24で大暴れ

先日の世界コンピュータ将棋選手権*1で5位だったponanzaが将棋倶楽部24*2で大暴れ中。

*1:「 第21回 世界コンピュータ将棋選手権」(2011年05月06日)『俺のブログがこんなによっちゃんイカなわけがない』
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20110506

*2:「インターネット将棋道場」『将棋倶楽部24』
http://www.shogidojo.com/

ponanzaは大会5位とは言ってもマシンスペックの差などから考えるに、マシンが同条件なら優勝の可能性も十分あったソフトだし、レーティング的に見ても大会で1位~4位のソフトともほとんど遜色は無いと思われる。

そんなponanzaがプロ棋士もお忍びで指していると言われている将棋倶楽部24に参戦。
※ コンピュータ将棋ソフト開発者のソフト指し参加は公認。

ponanzaはR2400からスタートして、5日目である現時点(2011年5月14日9時現在)で62勝2敗。勝率0.96875。
ponanzaは将棋倶楽部24のR3000(トップアマか奨励会3段以上だと思う)前後に連戦戦勝。

現在R3172で、将棋倶楽部24の最高R保持者となった。

ponanzaが将棋倶楽部24で大暴れ

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しかも、このまま指し続ければいまの勝率から言ってR3300ぐらいまで行くだろう。
コンピュータ将棋はもはや早指しでは人間を軽く越えていたことをponanzaがいま証明した。

しかし圧倒的な勝率なだけに、ponanzaの序盤のもろさが目立つ。
序盤・中盤でponanza不利なまま終盤にもつれ込んで、それを豪腕でひっくり返す。そんな勝ち方も結構ある。

棋譜を見ているとponanzaは中盤で次の一手みたいな華麗な手を繰り出すし、終盤で羽生マジックのような素晴らしい手もよく出てくる。ぶっちゃけ、NHK杯より面白い。

人間側は相手がコンピュータだから対策が立てやすいのかと思っていたら、定跡選択はランダム(?)なので、ponanzaはいろんな戦型をやってくるし、どの戦型をやってきてもめっぽう強いので、オールラウンドプレーヤー型の将棋のようだ。羽生さんを彷彿とさせる。

以前、Bonanzaが渡辺竜王と対局したときBonanzaはR2800程度であったと言われている。渡辺竜王は(当時の)Bonanzaを「奨励会三段クラス」と評した。それがもし本当なら、いまのponanzaは、そのレーティングからすると少なくとも並のプロ以上だと言えるだろう。

高段との対局なら、長い持ち時間になればなるほどコンピュータ将棋の勝率は下がるだろうけど、それがどれくらい下がるのかは興味深いところだ。この勝率からするとNHK杯ぐらいの持ち時間(1手30秒 + 考慮時間10回×1分)だとプロ棋士とやってもコンピュータが互角以上のように思える。

ところでプロ棋士は将棋倶楽部24のRで言うとどれくらいなのだろう?

将棋倶楽部24 *3には「Xは誰だ?」という企画があり、プロ棋士が名前を隠したままXとして参戦してくることがある。

*3:「将棋倶楽部24」『Wikipedia』
http://ja.wikipedia.org/wiki/将棋倶楽部24

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Xの勝率は結構いいのだが、Xは高段のみを相手にしているわけではないので(ファンサービスとしてまんべんなく相手にするらしい)、勝率だけでは評価しにくい。しかし、まんべんなく相手にしてこの勝率なら、ponanzaのほうが強いのかも知れない。

ちなみに現在のXの対戦成績はこれだ。

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よく見ると中断局と時間切れ負け以外は負けなしだ。R3056の人にも勝っているし、それからするとXのRは3300ぐらいは十分あるのではないかと推測される。やはり、プロ棋士は強いのかも知れない。

ちなみに、上のXの中断局の最終局面は互角ぐらいの局面。また、時間切れ負けのうち片方の最終局面は互角ぐらい。もう片方はX側負け。(次図)

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※ 85歩は打ち歩詰め。後手は43馬のように銀を外しても35金打ちで詰み。放置すれば34銀成からの詰み。25角成など34に利かせても23龍同玉32銀打ちからの詰み。

あと、米長会長の日記*4によると米長会長は激指10と対戦して次のような成績らしい。

*4:「敵を知り、己を知る。」(2011年04月25日)『電王戦最新情報』
http://www.yonenaga.net/taisenroku.html

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■敵を知り、己を知る。(2011.4.25記)
 コンピュータソフトと私が戦うとどちらが勝つんでしょう。激指10と密かに戦ってみました。
 どうも持ち時間の設定に鍵があるようです。
○一手10秒以内。これは私の勝率は20%くらいです。
○酒が入っているケース。全く歯が立ちません。
○一手30秒ずつ。実力伯仲です。
○持ち時間10分ずつ。一手30秒以内の秒読み。
 これも好勝負です。ただ奇妙なことにソフトの方は29秒以上は考えません。従って私が時間を使い果たしたり、59秒すれすれまで考えても、ソフトの方は持ち時間は10分残したままで、一手29秒で指してきます。
不思議なことに一手29秒は必ず使ってくるのですが、この辺りは私には理解出来ないことです。

 ところで引退してからの私の棋力はどうなっっているんでしょうか。まさか強くなっているとは思えない。
 それでは私自身はどのくらい弱くなったのか。それを次週は述べてみます。

■はじめに(2011.4.16記)
今日から私とコンピュータソフトとの対戦録や、将棋の勉強の仕方を書き綴りたいと思います。
相手は「激指10」です。
一手10秒ずつですと私の勝率2割のようです。
酒を飲むと殆ど勝てません。

「持ち時間10分残したまま」っていうのがそもそも何か設定がおかしいような気がするし、米長会長はロースペックのPCを使ってそうだし、そういうのを考えると、いまの将棋倶楽部24のponanzaにも米長会長は勝ち越せないんじゃないかと思う。

ともかく、コンピュータ将棋が面白くなってきた。

執筆:この記事はやねうらおさんのブログ『俺のブログがこんなによっちゃんイカなわけがない』からご寄稿いただきました。
※この記事は2011年05月11日に書かれ、寄稿いただいた2013年02月21日時点のものです。

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