花も楽しめる!家で育てられるおすすめスパイス7選
スパイスには、南国原産のものがが多いため、特別の施設がないと育てられないことが多々です。しかし、日本でも十分育てられるスパイスもあります。庭やベランダガーデンで、自家製スパイスを育ててみませんか?
自分でスパイスを育てると、花が咲く様子も楽しめる!
ニンニクはムラサキの球状の花、トウガラシは小さな白花、ユズの花は香り高く、サフランの紫色の美しい花の姿! 自分の手で育てれば、収穫の喜びにプラスして、スパイスの花を鑑賞できますよ。
そもそもスパイスって?
スパイスとは、日本語では「香辛料」。香辛料はその名の通り、料理の際、芳香性や刺激性などの風味を与える植物で、世界中に100以上あると言われます。
香辛料を加えることで食欲が増し、消化吸収が促進され、疲労回復など健康維持に役立つため、古くから珍重されてきました。かつては貴重な宝物扱いをされ、中世ヨーロッパでコショウは金銀と同等の価値をもっていたとか。
今や世界中にスパイスは広まり、たくさんの家庭で常備されていますが、実は「スパイスとは何か?」という世界的な定義はないというから意外です。
スパイスとハーブはどう違うの?
香辛料を取り扱う企業などが集った全日本スパイス協会では、香辛料とは「植物の一部」で、「飲食物に香り付け、消臭、調味、着色等の目的で使用」するもので、「スパイスとハーブに大別」されると定義。
そして、スパイスを「香辛料のうち、利用部位として茎と葉と花を除くものの総称」とし、ハーブは「香辛料のうち、茎と葉と花を利用するものの総称」としています。つまり、用いる「植物の一部」がどこかによって、スパイスとハーブを仕分けしているのです。
主なスパイスは、コショウ、シナモン、クミン、サフラン、ニンニク、ショウガ、トウガラシ、ユズ、サンショウの実など。ハーブは、シソ、コリアンダーの葉、パセリ、セロリ、ミョウガ、バジル、レモングラス、ローズマリーなどです。
世界四大スパイスである、コショウ(インド原産)、クローブ(チョウジノキ・インドネシア原産)、ナツメグ (ニクズク・インドネシア原産)、シナモン(ベトナム産)に代表されるように、スパイスといえば熱帯や亜熱帯で育てるものと思いがち。
しかし、温帯の日本で育てられるスパイスもあり、自家製スパイス栽培も可能です。
ニンニク
ニンニク(ヒガンバナ科)は、ビギナーでも育てやすいスパイスのひとつ。地植えでも、プランター栽培でもすくすくと育ちます。10月ごろに球根を購入して植え付ければ、冬を越して5月の終わりから6月に収穫が可能です。
ニンニクは、美しい紫の花を咲かせます。ただし、充実したニンニクを収穫したいなら、花芽は摘まなくてはいけません。たくさんニンニクを植えて、ニンニクの収穫用と、愛らしい花を楽しむ用に分けて楽しむのも一法です。
またニンニクは、イチゴのコンパニオンプランツ。ニンニクの香り成分「アリシン」の抗酸化作用で苺の病気を防ぎます。さらに、アブラムシなどの害虫を遠ざけ、イチゴの実付きをよくするので、ぜひ混植してみて。
サフラン
サフラン(アヤメ科 )は、サフランライスでおなじみのスパイス。クロッカスの仲間で、10月中旬から12月にかけて、美しい紫色の花を咲かせます。
サフランは高価なスパイスとしても有名ですが、それもそのはず。一つの花から糸状の雌しべは3本しかとれず、しかも手作業で収穫するのですから。
サフランは丈夫な球根植物で、育てるのは容易です。1年限りと割り切るならば、お気に入りのグラスなどに入れて、半日蔭に置いておくだけでも花を咲かせます。
サフランを庭などに地植えする場合、しばらくは植えっぱなしでも問題ありません。植えてから3年もたつと子球が増えるので、球根を掘り上げましょう。
トウガラシ
トウガラシ(ナス科)は世界中で広く栽培され、世界中のレストランや家庭で用いられているスパイス。辛み成分の「カプサイシン」が、食欲を刺激し、血行をよくするのは有名です。
トウガラシは丈夫な多年草ですが、日本では冬越しが難しいため一年草として扱われます。4月下旬~6月上旬に苗を植えれば、小さな白い花が咲き、開花から60日に真っ赤なトウガラシが収穫できます。
なおトウガラシは育て方で、いくらか辛さを調節できます。あまり辛くしたくないなら、ストレスをなるべくかけないように、水や肥料を適宜与えます。
逆に辛くしたいなら、水や肥料を控えめにして株にストレスをかけて。カプサイシンが増量し、辛みが増すのです。
ユズ
ユズ(ミカン科)は、日本はもちろん、海外でも人気を博しているスパイスです。
日本には、中国から奈良時代には渡来したと考えられています。以降、さわやかな香りと酸味で、日本料理に欠かせないスパイスになりました。
ユズは家庭果樹としても人気。樹高は1.5mほどで収まり、狭い庭やベランダガーデンでも十分育てられます。特別な栽培テクニックは必要なく、果樹ビギナーにもおすすめです。
ユズを育てる際には、日当たりのよい場所で。鉢植えの場合、水枯れに要注意。鉢土が乾いたら、鉢底穴から水があふれるくらいに水を与えてください。
庭植えの場合も、植えたばかりの苗には水やりはしっかりと。また、ツボミがついて白い花が咲き、実が充実するまでの時期は、水切れ厳禁です。
クチナシ
クチナシ(アカネ科)は、香り高い白花を愛され、花木として扱われるものの、その実はスパイスの一種。おせち料理のきんとんや、タクアンの色付けなどに用いられる天然の色素です。
クチナシは日陰の樹木という印象もありますが、実を得るために欠かせない花を咲かせるためには、日当たりのよい鵜場所で育てるのが大切です。
クチナシは、乾燥を嫌います。地植えするなら、少し湿潤な土壌を選ぶと最適。また庭植え・鉢植えにかかわらず、乾燥しないように水切れには注意してください。
ただし、湿気がこもる風通しの悪い所では病気になりがちです。枝が込み合ったら剪定し、株の中心にまで風と光が届く状態をキープして。なお、香り高い花が咲いた後は、お礼肥を与えて実を充実させましょう。
おわりに
いかがでしたか? いずれも難しい栽培テクニックは無用の植物ばかりです。ぜひ自家製スパイスの収穫にチャレンジしてくださいね。
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