眞子さまの結婚問題から考える「子どもの結婚相手とその両親との関係」。結婚前の「両家顔合わせ」で親がすべきことは?

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眞子さまの結婚問題から考える「子どもの結婚相手とその両親との関係」。結婚前の「両家顔合わせ」で親がすべきことは?
国民が注目している秋篠宮家の長女眞子さまの結婚。皇族のこととは言え、娘の結婚に関して悩ましい思いを抱くのは一般市民も同じ。親に結婚を認めてほしい娘や息子、本人のことだけではなく結婚相手の親や家のことで気がかりな思いを持つ父親や母親、それぞれの立場に置き換えて、多くの人がそのゆくえを見守っています。

「結婚はふたりの意思」とは言っても、娘や息子から結婚相手を紹介されたとき、相手の人となりだけでなく、親戚関係になる相手家族も気になるのは多くの親にとって自然なことでしょう。コロナ禍では、結婚式の延期や中止をしても、入籍や同棲など次の段階へ進んだカップルが多い一方、親同士の顔合わせを済ませていない場合は、なかなかその先へ進めないということも。また婚活現場では、消極的な子どもに代わり、親同士のお見合いなども盛況のようです。

親世代だけでなく、子ども世代も重きを置く「両家の顔合わせ」。心配する気持ちを心からの祝福へ向かわせるために、親ができることとは?婚活&キャリアコンサルタントの自念真千子さんに聞きました。

両家顔合わせは「ふたりの決意の最後の一押し」であると同時に「立ち止まって冷静に再考する」ための最後の機会。不安材料など家庭の事情はあらかじめ知っておくべきだが、いらぬ先入観は捨てて臨むべし

Q:結婚の形もさまざまな現在、ひと昔前のような「親の許しがなければ結婚できない」という認識は少ないと思われますが、結婚に進む際の「親同士の顔合わせ」に対して、どのような考えがあるのでしょうか?
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ふたりが結婚の意志を固めたら、そのあとの入籍や結婚式、同居へと進む前に、まずはそれぞれお互いの両親へ報告・あいさつに訪れるでしょう。そしてその次に行うのが、両家の顔合わせと結納式になります。

この結納については、地方によって事情が異なりますが、都市部を中心に簡略化が進んでいます。また、一昔前の格式ばった印象ではなくなっていることが、近年の調査で明らかになっています。結納式はせず、両家の顔合わせだけを行うことが主流となっているようです。

ただ地方によっては、儀式的なことなどは省略しても、「支度金」や「準備金」の名目で金銭のみを用意することはあるようです。地域ごと、家ごとにさまざまな解釈や風習があることも、知っておいたほうがいいかもしれません。

どちらにしても、ふたりの結婚に際して、両家が一堂に会し親睦を深める顔合わせの席について、「何を置いても外せない結婚へのステップ」という位置づけは、今も昔も変わりはありません。

Q:ふたりが幼なじみなどでない限り、お互いの親や家の事情をよく知らないというケースがほとんどです。実際に顔合わせを行うまでに、親と子どもの間で押さえておくべきことは?
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子どもが「結婚したい」となったとき、まずは相手の親や家庭について、できる限り多くを知りたいというのは、親として自然なこと。恋愛中はむやみな詮索を遠慮していたとしても、いろいろと確認しておきたいことが増えてくるものです。

交際中の子どもの様子から多少の情報は得られるかもしれませんが、子どもが同居でない場合など、何も情報がないまま話が進んでしまうのは、親にとって不安でしかありません。こうした不安を解消するためにも、ふたりがそろってお互いの家族にあいさつへ行くタイミングを親子で率直に話し合い、相手の家庭環境を知る機会にすることが望ましいでしょう。

婚活の現場では、「育った家庭環境に大きな違いがない」ということが、結婚し円満な家庭生活を続けていくための要素のひとつとなっています。マッチングするにも、本人同士の好みや相性と同じくらい、なるべく育った環境や親の価値観が似ていることを前提に考えます。

恋愛では本人同士の気持ちが重要と考えがちです。結婚する際は、相手に対する思いだけでなく、お互いの背景について一歩踏み込んで知る過程が必要であることを、親子ともに自覚しておかなければなりません。親も体験してきたことですが、お正月や仏事のこと、親戚付き合いの度合い、信仰の対象や傾倒具合など、結婚してから驚くようなことは想像以上にたくさんあるものです。

Q:相手の親の金銭問題など、結婚へ向かうことに不安を覚えるような要素が見られる場合があります。それでも顔合わせまでは、話を進めるべきでしょうか?
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前述のように、お互いの家族にあいさつに出向くタイミングで、お互いの家庭環境や、その後必ず問題となりそうなことを、親子で共有しておくことが大切です。眞子さまのケースで報じられているような金銭問題でなくても、事前に知らされていなかった事実を「顔合わせの席で初めて知る」という事態は避けたいものです。

例えば顔合わせの食事会では終始和やかだったのが、食後のお茶の席で双方の親だけになった時に、「実は親との同居が条件」「近い将来は地元に戻り、家業を継いでもらいたい」など、結婚生活を左右するような話をいきなり出された場合。その要望自体は納得できないものではないとしても、誠実さにおいて大きな疑いを抱いてしまうことになります。

深刻な内容ならなおのこと、「本人は良い人だが、あの親とは親戚にはなれない」と、決裂してしまうようなことにもなりかねません。最悪の事態を招かないためにも、人生に関わる重要な内容ほど、前もって知らせてもらう必要があります。

そして、事実としてそのことを知った上で、先入観を持たずに顔合わせの席に臨むことが大切です。あまり好ましくない要素があったとしても、実際に会ってみると、それほど大きな問題でもなく、歩み寄ることができる場合もあります。
二人の幸せな未来が思い描けないほど受け入れ難いものでなければ、はじめから色眼鏡で見るべきではありません。

Q:慣れない顔合わせの席は、いろいろと戸惑うことも多いもの。押さえておきたい具体的な段取りは?
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顔合わせの席は「プチ・ウエディング」と言っても過言ではないくらい、その場にいる人にとって気が張るものです。お互いの家族が親しく語り合うことを優先したいので、できるだけほかの雑事に煩わされることがないように、しっかり準備をしたいものです。

まず、親睦を図る食事会のようなものか、結納式を兼ねた儀式的な集まりなのか、両家の認識に違いがないよう確認しておきましょう。

なぜなら、最も気になる費用負担は、「その席がどういう意味を持つのか」で変わってくるからです。近年主流とされる「顔合わせ」だけの食事会なら、食事代を両家で折半することが多いようです。

気をつけたいのは結納式の要素が強い場合です。従来は、男性側から女性側に支度金や結納品を持参し、その返礼として女性側が食事などを供することが多かったので、簡略化して支度金だけを持参したとしても、その食事代は女性側が持つことになります。厳格に考える必要はないかもしれませんが、双方で認識を共有しておくと安心ですし、どちらがどういった配分で支払うかを、あらかじめ決めておくに越したことはありません。

また、服装や手土産などのバランスもそろえるようにしましょう。手土産を持参するなら、熨斗(のし)は「松の葉」がおすすめです。

段取りとしては、上記のほか当日の話題をおおまかにでも想定しておきましょう。双方の親同士の話が弾むと、おおむねその食事会は成功と言えるからです。趣味や仕事など、話題はどんなものでも構いません。ちょっとした共通点を事前に確認しておくと、気持ちも随分楽になります。

Q:顔合わせの席を設ける時点で、すでに親戚付き合いが始まっているとも言えます。本人が結婚相手やお互いの家と良好な関係を築いていくために、親はどのようなことに注意すべきでしょうか?
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双方の家族が一堂に会するということは、この結婚を認めて応援することが大前提なわけで、いわば「ふたりの将来へ向けて、ただ話を進めるのみ」という段階です。

ところが別の見方をすれば、この顔合わせがある意味「最後の砦」とも言えます。

前述のように、両家がそろう席で初めて重大な問題が明らかになって決裂したり、親同士が険悪になってしまう、というケースがないわけではありません。親同士の価値観の違いや感情の行き違いもあれば、家族同席の場で改めて相手を見ると「思っていた以上に家族への依存度が高い、横柄」などと、別の一面が際立って現れてくることがあります。少し立ち止まって、冷静にこの結婚について考え直せる最後の機会が、この顔合わせとも言えるのです。

ここまできて、親が子どもに再考を促したとしても「話がこじれるだけだろう」と思うかもしれませんが、案外そうでもありません。本人の意思で自由に結婚相手を選べる世の中ですが、近年の若年層は、「親の意向に反する結婚はなるべく避けたい」という思いが強く、一昔前のような「駆け落ち」という概念もありません。

自己肯定感が低いと言われるこの世代は、自分の選択にも確信が持ちにくく、結婚に限らず「家族に喜んでもらえないことは、なるべくしたくない」といった傾向があります。自分の決断に自信を添えてくれる最後の一押しを求める気持ちもあるのです。

だからこそ、親の好みや都合だけで、人生の決断を惑わせるようなことはできません。違う価値観や問題があっても偏見を持たず、努力して歩み寄ることができるかどうか「親子で真剣に考えることができれば」と思います。

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