医師が実践!ウイルスから身を守るための10箇条
こんにちは。
ホワイトホワイト歯科医師の石井です。
コロナウイルスによる不安な時期が続いています。
突然ですが、皆さんは冬のインフルエンザ流行の時期になると、お医者さんがインフルエンザの患者さんの診療を毎日行うのに、インフルエンザに感染しないことを不思議に思ったことはありませんか?
実は、医療関係者の間では感染症予防対策として「スタンダードプリコーション」という言葉があります。
スタンダードプリコーションに基づいて感染予防対策を行うことは、より効率的に様々なウイルスや病原菌から身を守ることにつながります。
今回は、このスタンダードプリコーションに基づいたウイルスや細菌に感染しない・うつさないためのテクニックをご紹介します。
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スタンダードプリコーションとは
スタンダードプリコーションとは標準予防策とも呼ばれ、歯科医師、医師、看護師などをはじめとする医療従事者が実践する感染症予防策です。
隔離予防策ガイドラインによって提唱され、すべての医療従事者、患者さんともに感染している前提で接します。
汗を除く血液や唾液などのすべての体液を感染の危険性があるものとして取り扱うことで、感染の経路を断ち切る予防策です。
お互いが感染している前提で行う感染予防
噛み砕いて説明しますと、病院に来る患者さんは人から人に感染する病気にかかっていても自己申請しない場合や、自身では感染していることに気付いていない場合があります。
また、医療従事者も感染症やウイルスに気付かないうちに感染していることがあります。
医療行為を行う前にすべての感染症やウイルスの検査を行うことはできません。
その中で医療行為を行う場合に、ウイルスや感染症を移し合わないために、お互いが感染している前提で感染予防をすることをスタンダードプリコーションと言います。
医療現場ではどんな予防策が行われているのか
診療科目の種類によって、行われている感染予防策は異なります。
具体的にどんな感染予防対策が行われているのか、代表的なスタンダードプリコーションをご紹介します。
1.マスクやゴーグル、グローブなどの防護具を身に付ける
感染対策の相手は目に見えない微生物です。
マスクやグローブ・ゴーグルなどを身に付けることによって、感染の対象物や微生物が体内に入ってくることを防いだり、まわりに広めることを防ぎます。
これらの防護具は正しく身に着け的確に外して処理することで、感染予防効果を高めることができます。
2.接触感染予防策の実践
接触感染予防策とは、感染した人が触れたものから感染することを防ぐための予防策です。
具体的には、感染者の使う生活用品や食器、部屋を別にしたり、感染者が触れた可能性のある場所や物品を消毒します。
消毒するべき物をしっかり認識すること、正しい消毒を実践すること、感染の疑いがあるものに触れた場合に的確に対処できることが、感染リスクを下げる鍵になります。
3.飛沫感染予防策の実践
飛沫感染予防策とは、咳やくしゃみ・会話などで唾や体液が飛び散ることで感染が拡大することを予防する対策です。
具体的には人と人との距離を1から2メートル離すことや、マスクの着用などが挙げられます。
感染した人が他の人に移さないための対策をしっかり行うこと、人と人との距離が近い場所に身を置かないこと、うがいの実践が感染予防に効果的です。
4.空気感染予防の実践
空気感染する微生物が空気中に漂っているのを、知らないうちに吸い込んで感染してしまうことを予防する対策です。
具体策としては部屋の換気をすること、マスクを着用すること、空気清浄機・加湿器を設置することなどが挙げられます。
空気中の感染物を排除すること、加湿によって菌やウイルスを落下させること、吸い込んでしまった可能性のある場合に速やかにうがいをすることが感染リスクを下げます。
日常で実践できるスタンダードプリコーション10箇条
日常で実践できるスタンダードプリコーションをご紹介します。
また、予防に必要な物資を調達することが難しい場合に、代わりにできる方法もご紹介していきます。
1.マスクやグローブの正しい装着
外出する際にマスク、グローブを装着することは接触感染や飛沫感染、空気感染予防に効果的です。
また、マスクを装着する時は、鼻までしっかり覆うようにしましょう。グローブは穴が開いていないか確認しましょう。
マスクがない場合は布で鼻まで覆うことで代用します。
グローブがない場合は何かに触る場合はハンカチを使うことも効果的です。
帰宅後は必ず布やハンカチは洗濯しましょう。
2.マスクやグローブの正しい処理の実践
マスクやグローブは帰宅後に正しく処理しないと、逆に感染のリスクを高めてしまう場合もあります。
帰宅したらまず、なるべく家の中のものには触れずにマスクとグローブを外して洗濯する際は洗濯機に、廃棄する場合はゴミ箱に入れます。布やハンカチで代用している場合も同様です。
■マスク・グローブの外し方
マスクとグローブの外し方は、まずグローブを顔に手が触れないように外しその後にグローブを外します。
グローブの中の手も感染物に触れている恐れがあるので、家の中のものなどに触れずにそのまま手洗いに向かいます。
3.正しい手洗いうがいの実践
■手洗いの方法
まず最初に手洗いから行います。
手に感染物が付着している場合もあるので、必ず手洗いから行ってください。
手洗いは、まず大量の流水で肘から手に向かって流していきます。
その後肘から手首、手を石鹸で洗っていきます。
指の間や爪の中まで、1分くらいかけてしっかり洗ってください。
洗い流す際もまず肘から手に向けて洗い流し、その後手を水で流します。
清潔なタオルで手を拭いたら完了です。
あればアルコール消毒も行うとより効果的ですが、ない場合でも十分に手洗いできていれば問題ありません。
■うがいの方法
続いて、うがいを行っていきます。
うがいは水またはうがい液で行ってください。
1分くらいの間に数回うがいをしたら完了です。
うがいした水は、周りに飛び散らないようなるべく静かに吐出しましょう。
できればその後お風呂に入ると、髪の毛や体に付着している感染物質を洗い流すことができるのでより良いと思います。
4.外から持ち込んだ物品の消毒
外から持ち込んだ物品は、アルコールまたは次亜塩素酸で消毒してお家の中にウイルスや感染物質が広がらないようにしましょう。
次亜塩素酸を使用する際は、高濃度で使用すると脱色してしまう事があるので必ず適切な濃度を守ってください。
特にスマホなど無意識に接触回数が多いものは、感染物が付着している可能性が高いのでよく消毒しましょう。
消毒液が手に入らない場合は、洗えるものは洗う・捨てられるものは廃棄することが望ましいです。
5.帰宅した際に手洗いの前に触れた場所の消毒
帰宅した際には、手を洗う前に触れた場所もしっかり消毒しましょう。
アルコールまたは次亜塩素酸を用います。
次亜塩素酸を使用する際は、高濃度で使用すると脱色してしまうことがあるので必ず適切な濃度を守ってください。
ドアノブや蛍光灯や電機のスイッチ、水道の蛇口などが手洗いの前に触りやすい場所です。
また、ペットを飼っている場合、ペットがお出向かいしてくれるとついつい可愛くて触ってしまいがちですが、必ず手洗いした後に触りましょう。
万が一、手洗い前に触れてしまった際は、ペットを洗うかペットに使える消毒液で軽く消毒することが有効です。
6.加湿器・空気清浄機の設置
空気感染を防ぐには、空気清浄機・加湿器が有効です。
加湿することでウイルスや感染物は水分と共に床に落ちるので、特に加湿は積極的に行いましょう。
加湿器がない場合は、洗濯ものを室内に干したりお湯を沸かすことも有効です。
空気清浄機が手に入らない場合は、定期的に窓を開け空気を入れ替えましょう。
2時間おきくらいに換気をすることが望ましいです。
7.三密を避ける
換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集空間、間近で会話や発生する密接場面の3密の条件がそろうと、集団発生のリスクが高いと言われています。
このような場所は極力避けて、感染のリスクが上がらないようにしましょう。
8.ペットを散歩させた際は体も洗う
わんちゃんや猫ちゃんをお散歩させた後は、体を拭くかペットに安全な消毒液で消毒するか洗うことが望ましいです。
ペットは人間より地面や外の汚染物質に触れやすいため、手足だけでなく鼻先や体にも感染物質が付着しやすいです。
お家に入れる前に必ず綺麗にしてあげてください。
9.家族とタオルや歯磨き粉を普段から共用しない
普段つい家族間でタオルや歯磨き粉を共用しがちですが、できれば別々に使った方が感染のリスクを減らすことができます。
家族が知らない間に感染しているかもしれないからです。
タオルや歯磨き粉は、各自のものを使うようにしましょう。
10.家族に感染の疑いが出た場合は隔離・触れた場所の消毒
家族に感染の疑いがある人が出てしまった場合は、隔離して感染が拡大しないようにしましょう。
家族で共用しているスペースや生活用品の消毒を行い、食器も別にすることが望ましいです。
お風呂やトイレなども、いくつかある場合は別にし、1つしかない場合は細めに消毒を行いましょう。
ペットを介して感染が広がることもあるので、ペットは洗って感染の疑いのある人には触れさせないようにしましょう。
感染の疑いがある人との接触は最低限に減らし、携帯やテレワークツールなどでコミュニケーションをとると良いでしょう。
食事を運ぶ場合などは、1~4に挙げたような感染予防対策を行いましょう。
まとめ
以上が日常で実践できるスタンダードプリコーションでした。
まだまだコロナウイルス感染が心配な時期が続きます。
また、マスクなどの必要なものが手に入らない場合もあります。
上に挙げたようなことが全ては実践できなくても、できることから行うことで感染のリスクは確実に減らすことができます。
栄養と睡眠をしっかりとって、適度に息抜きをしながらストレスを溜めすぎないことも免疫力アップにつながります。
辛い時期ではありますがお互い励まし合い、正しい情報を共有しこの時期を乗り切りましょう。
[文:ホワイトホワイトビューティー(https://whitebeauty.tokyo/)]
監修:石井先生
店舗:恵比寿本店・LUMINE新宿店・LUMINE有楽町店
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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