コマース分野への展開目指すInstagramとコミュニティ・中小ビジネス支援を強化するFacebook 日本法人が近況と今後を解説
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Facebook Japanは12月3日、2020年を振り返るメディア向けラウンドテーブルをオンラインで開催。リリースから10周年を迎える「Instagram」を筆頭に、同社が提供するアプリ製品群の近況や今後について解説しました。
同社が「ファミリーアプリ」と呼ぶアプリ製品群「Facebook」「Messenger」「Instagram」「WhatsApp」「Workplace」「Oculus」は、2020年9月末時点には全世界で利用者が32億人を突破しているとのこと。ラウンドテーブルでは、ファミリーアプリの中でも日本を始め利用者数が伸びているとみられるInstagramに関するアップデートが時間を割いて解説されました。
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アプリ画面について、利用トレンドをふまえてデザインを変更。よく利用される機能が画面下部にまとめられ、すばやくアクセスできるようになりました。
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画面下部に追加された機能のひとつは、短尺のエンタメ動画を楽しむ新機能の“リール”。こちらは最大30秒の短尺動画を作成・共有できる機能で、フィードに投稿されている動画の45%が15秒以下の短い動画であることをふまえて実装された機能。
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もうひとつは、ユーザーの好みに合わせて商品や投稿を表示する“Instagram ショップ”。ショップはカテゴリーごとに商品をまとめた「コレクション」を作成することもでき、ユーザーが商品やブランドを発見できる場を提供します。
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Instagramでは、グローバルでは米国以外で初めて日本にプロダクト開発チームを設置。フィード投稿にイベントをタグづけする機能、話題のハッシュタグをまとめて表示する「旬の話題」、QRコードの読み取り機能が日本発の機能としてリリースされています。
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Facebookが主催するビジネス活用をテーマにしたオンラインセミナーでは、Instagramの無料ビジネス機能に特化した初心者向けセミナーが活況で、ユーザーによるInstagramライブやストーリーズ、ショップ機能のビジネスへの活用事例が紹介されています。
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Instagramの今後の展望については、MessengerとInstagramのメッセージ機能の統合に続いて、WhatsAppとの統合も予定していることが明らかになりました。
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日本ユーザーは2019年から2020年の間にショッピングタグがついている投稿などから商品詳細を見たユーザーの割合が65%増加、他国と比較してショッピングタグがついた投稿などから商品詳細を見る割合が3倍と、Instagram上でショッピングを楽しんでいる傾向が見られるとのこと。現在、ライブショッピングの機能や化粧品、家具などのARショッピング機能がテスト中で、今後コマース領域へ注力していくとしています。
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FacebookアプリではFacebookグループ機能が提供開始から10年を迎え、コミュニティの支援にフォーカス。一例として、祭りサポートの専門会社として全国の祭りをサポートするオマツリジャパンと共同で「祭り未来プロジェクト」を立ち上げ、Facebookグループ「祭り未来会議」を中心にお祭りに関する知見の共有、交流会などの活動を展開しています。
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Facebook社全体の取り組みとしては、経済再生への貢献を目的とした“中小ビジネス助成プログラム”を9月から開始。東京都に本店を置く約690社のビジネスに対して、1社あたり25万円の助成金と15万円分の広告クレジットを提供するプログラムで、助成対象はFacebookやInsagramアカウントの有無を問わないとのこと。年明けには支給対象となったビジネスに支給を完了する予定。
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この他、同社が提供するサービスをユーザーが安心安全に利用できる環境づくりを目的として、NPOあなたのいばしょと一緒にメンタルヘルスに関するまとめをInstagram上で公開した他、ユーザーがデジタル世界で求められるスキルを身に着けるオンライン・オフラインの教育プログラム「みんなのデジタル教室」を開始。12月3日からは、Instagram上で同教育プログラムのエッセンスを体験できるコンテンツ「タグでたどる物語」も公開されています。
Oculusを中心としたVR/ARに関する近況と今後については別記事でご紹介します。
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宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
ウェブサイト: http://mogera.jp/
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