ガーデンにお勧め!紅葉を楽しめるコンパクトな庭木
秋が深まると、真っ赤に染まる美しい葉。遠くまで出かけて行かずとも、家の庭で紅葉が楽しめたら、とてもぜいたくな気持ちになれるはず。小さな庭やベランダガーデンでも楽しめるコンパクトな品種をご紹介します。
紅葉する樹木を自宅で育てるポイント
紅葉する木は、秋から葉を落としますから、お隣との境界線に近い場所に植えないほうが安心です。また冬は葉を落として幹と枝だけになるので、常緑の下草などを植えておくと庭が寂しくなりませんよ。
ドウダンツツジ
ドウダンツツジ(ツツジ科)は、樹高1~3m程度の手入れしやすい落葉樹です。庭植えのほか、鉢植えでも充分に育てちます。さらに、刈込にも耐えることから、生垣に利用することも可能です。
美しい紅葉のためには、栽培場所が肝心です。日向、もしくは半日陰程度の日照が確保できるところで育てましょう。ただし、夏の高温や直射日光は苦手です。鉢植えならば、夏は半日陰に移動させて。
とはいえ、まるっきりの日陰で育てると、葉の色づきが悪くなるので要注意。
マルバノキ
マルバノキ(マンサク科)は、あでやかな紅葉が鑑賞できる、樹高2~4mほどの落葉低木です。ハート形の葉が愛らしく、春はみずみずしい緑色の新芽、秋のあでやかな赤い紅葉が満喫できます。
日向で育てるのが基本ですが、半日蔭で栽培すると、すべての葉が赤く染まらず、緑や黄色の葉が混じるのもまたよい風情です。
マルバノキは、乾燥が苦手なため、適度な湿度を保てる土壌で育てるとよいでしょう。夏の強い西日や乾燥には注意してください。
夏は乾燥防止のため、株元に腐葉土などでマルチングをするのがおすすめです。植えたばかりの苗木や、2年未満の若木は、地植えであっても乾燥したら水やりを。その際には、マルチング材にもしっかり水を与えると、土の乾燥を防げます。
ブルーベリー
ブルーベリー(ツツジ科)は、住宅街の庭でもよく育てられている果樹。地植えはもちろんのこと、コンテナや鉢でもよく育つので、ベランダガーデンのシンボルツリーにもできます。
ブルーベリーは、一年を通じてカラフル!若葉のグリーンのあと、4~5月には小さな白い花が咲き、6~9月には濃紺の実りを楽しめ、さらに真っ赤な紅葉と、季節ごとに異なった色合いを庭にもたらしてくれるのが魅力です。
ブルーベリーにはたくさんの品種があり、紅葉の具合は種類によって異なります。暗めの赤色、オレンジがかった赤、赤紫色などなど。購入の際には、どんな実がつくのかと同様に、ぜひどんな色に紅葉するのかを調べておきましょう。
ニシキギ
ニシキギ(ニシキギ科)は、漢字で書くと「錦木」。この「錦」はもちろん、見事な秋の紅葉を示したものです。ニシキギは、「スズランノキ」「ニッサシルバチカ」とともに、世界三大紅葉樹の一つにあげられています。ほかの2種と比較すると、紅葉の鮮やかさや育てやすさで、ニシキギは特におすすめ。
ニシキギは大きくなっても樹高3m、剪定すればもっと樹高を低く調整が可能です。「ニシキギ・コンパクタ」など矮性種では、成木になっても1.5m程度の大きさにとどまります。
ニシキギには、ちょうど紅葉の時期、赤いタネが実る様子が鑑賞できます。また、枝にはコルク質の翼(よく)がついているのも特徴です。
ニシキギは耐寒性が強く、日陰でも栽培できます。そのうえ、刈込にも耐えるので生垣や盆栽にも向くと、さまざまな多彩な用い方ができるのも、大きな魅力になっています。
コバノズイナ
コバノズイナ( ユキノシタ科)は、樹高1m程度のコンパクトな落葉樹です。耐寒性・耐暑性に富み、日向はもちろん半日蔭でも栽培ができる、大変育てやすい樹木。
紅葉は、「紅葉木」の別名があるほど、見ごたえ充分! コバノズイナは紅葉以外にも、5~6月にはブラシ状の白い花穂をたくさん付け、ふんわりとよい香りが漂うのも魅力的です。
コバノズイナは、日当たりとはけのよい場所で育てましょう。剪定や植え替えは冬の間に、施肥は芽を吹く前の3月頃が適期です。
オタフクナンテン
オタフクナンテン(メギ科)は、「難を転じる」ナンテンに加え、たくさんの福を呼ぶ「お多福」と、ダブルで縁起の良い名前を冠したナンテンの仲間。樹高10~40cmと非常にコンパクトなので、グラウンドカバーにも利用されます。
葉は、ナンテンに比べ広く、丸みを帯びて愛らしい形。常緑性ですが、葉は秋になると鮮やかな赤色に染まります。草花とも合わせやすいサイズなので、寄せ植えに用いるのもおすすめ。また、日陰でも生育でき、シンボルツリーの下草に配しても美しい景色が作れます。
カシワバアジサイ
カシワバアジサイ(アジサイ科)は、1.5~2mの育てやすい落葉樹。6~7月に円錐形の大ぶりな花を、枝がしなるほど重たげに咲かせます。
葉は、柏葉の名の通り、深い切れ込みが入っており、人の手ほどのサイズ。秋にかけて、徐々に赤銅色に変化していきます。
花期には真っ白だった花をカットせず、そのまま枝につけておくと、紅葉の頃には立ち枯れて濃茶色に。紅葉した葉とともに、秋らしい風情を醸し出します。
カシワバアジサイを育てる際には、半日陰で適度な湿度を保てる場所に植えましょう。乾燥が苦手なため、特に鉢植えの場合には水切れに要注意。鉢土が乾いたら、鉢底穴から水があふれるくらい、たっぷりと水を与えてください。
おわりに
いくら紅葉を楽しみたいからといって、高木になるモミジやカエデを庭に植えるのは大変です。扱いやすい低木で、しかも育てるのがやさしい樹種ならば、住宅地に庭やベランダでも楽しめますよ。
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