【長い】2013年日本はこうなる!(2003年放送・フジテレビの深夜番組による)
番組のストーリーは以下の通り。
2003年9月、クイズ番組の収録が行われていた。司会者は井上和香。解答者は左からくわばたりえ、おさる、松村邦洋の3人。「井上和香のキス・賞金100万円」の優勝賞品に解答者が盛り上がる中、突然停電。その後照明が明るくなった途端、井上は監禁され(後に開放)、謎の男(伊武雅刀)が現れ、勝手に「クイズ平成25年」に番組を変える。
この謎の男は賞金も5000円に変更。理由を聞くと、「デノミが発生した」と言う。
予測:デノミが発生し平成25年の大卒初任給は10銭5文、宝くじの一等賞金が100円になる
現在:ジンバブエや北朝鮮など外国で行われたが日本はなし。鳩山由紀夫が総理時代に検討した程度。
そして、第1問が出題される。
第1問
平成25年10月、ある喫茶店にてカップルが別れ話をしていた。彼氏側が別れようと振り、彼女が泣き出した。ここまでは単なる別れ話だったのだが、後日、彼氏の家に警察が訪問し、逮捕されてしまった。なぜ彼氏は逮捕されてしまったのか?
松村が「殺人鬼だった」、おさるが「ズボンのチャックが開いていた」と答えるが不正解。くわばたが誤ってボタンを押してしまい、適当に「彼氏が振ったから…」と答えたがこれが正解。
これには当時(平成15年)に施行した「健康増進法」が影響しているのだという。
平成14年(2002年)、東京都千代田区で路上喫煙禁止条例が施行された。ここから番組では「路上喫煙が禁止になる地域が全国各地に出てくる」と推測。
予測:平成21年、タバコの所持・栽培が禁止になる。
現在:この10年ではtaspoの登場、若干値上げしたのみ。
その他、食生活についても推測。
予測:エレベーターに体重制限が設けられる。
現在:今のところなし。
予測:外食において、1食分のカロリー制限が設けられる。
現在:今のところなし。
予測:その結果、カロリーの高いラーメンを売っていたなんでんかんでんの社長が逮捕される。
現在:今でもご健在。
(ちなみにこの「なんでんかんでんの社長が捕まるシーン」は本人がわざわざ出演。警察に替え玉をぶつける攻撃を繰り出すもあえなく逮捕となった。)
そして、第1問の解説へ。この彼氏は、彼女を振ったことにより、彼女が精神的ストレスを負わせたとして逮捕されたという。また、その後、彼氏はイヤイヤ付き合ったことにより円形脱毛症を起こしたとされ、別れることができたという。
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これらの予測を総括すると、全く当たっていない。また、番組では「食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康の保持その他の生活習慣に関する正しい知識の普及に関する事項」の一文から国民に健康になることを義務付けたとしているが、あくまでも正しい知識の普及。煽っているだけのようにも思える。
では、続きである第2問をご覧いただこう。
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第2問
ある日、会社社長である田中さん(仮名)がビルから飛び降り自殺をした。業績も好調であり、自殺とは全く無縁であるといえる人物であった。亡くなった田中さんの遺族の元へ行ってみると、お葬式の最中であるにもかかわらず全員大喜びしていた。
さて、親戚のひとりを亡くしたにもかかわらず、なぜ遺族は大喜びしていたのか?
「みんなお父さんが嫌いだった」「家族を喜ばそうと変なおじさんの真似をしていたら転落死した」の回答が飛び出す中、おさるが「死んだと思ったらゾンビになった」とボケたところ、以外にも謎の男は惜しい回答なのだという。
この問題のヒントは「携帯電話」にあった。携帯電話はめざましい進化を続けており、今後も新しい機能を持った携帯電話が登場するという。
予測:匂いが伝わる(匂いが出せる)携帯電話が登場する。
現在:Nokiaが「Smellular Phone」を発表したが、日本での実用化はなし。
予測:ネットショッピングの登場により、百貨店が相次いで閉店する。
現在:ネットショッピングはここ10年で成長したものの、閉店する理由にはなっていない。
予測:携帯電話のGPS機能を使って、夫が浮気していないか調べられるようになる。
現在:2011年に「カレログ」が登場するも、多くの批判を浴び、あまり流行せず。
予測:互いが互いを監視するようになり、電波の入らない店が流行する。
現在:SNSなどの登場により相互監視社会が問題化しているが、電波の入らない店は流行していない。
予測:感触が伝わる携帯電話が登場し、早速風俗店で活用される。
現在:2009年に触力覚メディアとしてNTTドコモが発表するも実用化せず。
予測:事務所を持たずに、携帯電話だけで起業ができるようになる
現在:2006年に会社法が改正し1円起業ができるようになったが…
この起業で見事に成功し、インタビューで「従業員を雇わなくていいので人件費がかからないし人間関係の柵が一切無いので楽」と語る実業家がいた。今回自殺した田中さんである。
自殺に至ったきっかけは携帯電話の紛失から始まった。しかも、身分証明を携帯電話のデータのひとつにしていた。よって自分を証明する物がなくなり自殺に至った。
夫が亡くなり、途方に暮れる妻と子供2人。ところがそこに「田中さんの携帯電話が見つかった」との電話が入った。
これにより、止まっていた取引などが再開。遺族全員が大喜びしていた理由がこれであった。
よって正解は、「自殺の原因だった失くした携帯電話が戻ってきたから」。
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第2問を見ると、身分証明を電子データ化し、証明書を取っておくなどをしないというのは疑問だが、多少は当たっている。ちなみに、近年に登場した「スマートフォン」のような携帯電話は番組の中で登場していない。
筆者が「もう10年経つけど実際どうなのかな」と思い出し書いた記事だが、10年後のことを当てるのはやはり相当難しいのだろう。この時「トリビアの泉」が好調だったフジテレビが今、韓国エンタメ推しでデモが起きるほどの批判を浴びたり、満を持して始めた番組が全くウケなかったりする姿を見ると、よりそう思える。
※この記事はGAGAZINEさんよりご寄稿いただいたものです
ウェブサイト: http://gaagle.jp/gagazine/
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