裏で勝敗を決めてからする勝負の「八百長」、八百は数字の800ではなく八百屋のこと?!

裏で勝敗を決めてからする勝負の「八百長」、八百は数字の800ではなく八百屋のこと?!

「八百長」は真剣勝負とは逆の意味で、ヤラセのような試合を指す言葉となっています。
大勝負などの舞台で耳にすることが多い言葉ですね。

事前に打ち合わせをしておき、結果が決まっている状態で戦う事を指します。

しかしヤラセじみた勝負になぜ800という数字が入るのでしょうか?
実はこの言葉、「八百屋の長兵衛」という人物の略なんだとか。

そこでここでは、「八百長」とはどういう意味があるのか、そしてその由来ついて解説させていただきます。

「八百長」とは

「八百長」にはどういう意味があるのか、まずはその意味と類義語について解説します。

八百長の意味

八百長は、勝負事において前もって勝敗を打ち合わせておき、表面上は演技で真剣に勝負しているように見せかけることを指します。
すでに結果が決まっている勝負事から転じて、馴れ合いで物事を運ぶことなら勝負事でなくとも八百長と表現されることもあります。

テレビ番組などで行われるヤラセなどのことを、八百長と表現することもあります。
しかしヤラセの場合、過剰な演出を指す言葉となっています。
そのため、厳密には八百長とはニュアンスが若干ながら異なる言葉となります。

八百長の類義語

八百長に似たような意味を持つ言葉として「茶番劇」などがあります。

茶番劇とは底の知れた馬鹿らしい物事のことを指しています。
江戸時代の歌舞伎において、お茶入れ当番が余興をしたところから来ているとされている言葉です。

要は誰かに見せるための真剣な演技ではなく、素人の演技で見え透いた行為などのことを指す言葉となっているのです。
そういう意味では事前に結果が決まっている馴れ合いを意味する八百長と似ている点も多い言葉といえますね。

八百長は「八百屋の長兵衛」の略?!

「八百長」は、八百屋の長兵衛という人物から来たとされています。

明治時代、相撲の親方「伊勢ノ海」の囲碁仲間で、八百屋の店主をしていた長兵衛という人物がいました。
この長兵衛、実は囲碁の名人だったのですが、伊勢ノ海を相手にする際はご機嫌を取るためにうまく負けたりもしていました。
そして機嫌がよくなった伊勢ノ海に、自分の店の商品を買ってもらっていました。
この演技はよほどうまかったのか、周りも長兵衛の本当の腕前には気付いていませんでした。

しかしある時、囲碁の名人でもある「本因坊秀元」と長兵衛は対局することになりました。
この時、つい本気を出してしまい、本因坊秀元と互角の勝負を繰り広げた長兵衛は実力者であったことが周囲に知られてしまいました。

このことから、八百屋の長兵衛を略して「八百長」という言葉が生まれ、真剣勝負をしているように見せかけてその実、示し合わせた通りの勝負をするという意味となりました。

長兵衛が八百長したのは違うもの?

長兵衛が自分の実力を隠していたという話以外にも、八百長の由来とされる逸話があります。
それは長兵衛がまわりに、自分のいいところを見せたかったというものです。

ある時花相撲と呼ばれる、番付などに影響をうけない興行に参加した長兵衛。
その中で、取組があったのですが、長兵衛はどうしても親族たちに自分が勝ついい姿を見せたいと考えました。

そこで取り組み相手に事前に相談をもちかけ勝利を譲ってもらったのです。

この話が「八百長」の由来ともされています。

八百長の対義語は「ガチンコ」

八百長の対義語は「ガチンコ」です。
この言葉もまた、相撲用語から来ているのだとか。

ガチンコの意味

ガチンコは格闘技などにおいて、正面からのぶつかり合うことを意味します。

「真剣勝負」という意味でも用いられることが多い言葉で、海外ではセメントやシュート、ピストルとも呼ばれます。

これらは八百長ではない真面目な勝負のことであり、真剣に行う稽古についても指す言葉です。

ガチンコ勝負という表現で使われることもあり、これらの試合に関しては選手が命を削って戦うことを意味しています。
あらかじめ勝敗の決まっている八百長とは違い、お互いがすべてを出し尽くして戦うことそのものをガチンコを表現したりもします。

ガチンコは元々相撲の言葉

ガチンコは、もともと相撲の隠語として使われていた言葉とされています。

語源は力士同士が激しく立ち合いを行った際、「ガチン」という音がするところから真剣勝負でのぶつかり合いを指してガチンコと表現するようになったのだとか。
そこから、八百長などに縁のない力士をガチンコ力士などと呼ぶなど、八百長をすることが恥という文化が浸透していきました。

1950年代に力道山が相撲界からプロレス界に転向して以来、相撲だけではなくプロレスなどの格闘技全般で用いられるようになりました。
以降、バラエティ番組のタイトルにもなったことで、幅広い世代に浸透しました。


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