「春夏冬中」で営業中を意味するってどういうこと?トンチの効いた読み方を解説!!

営業中などを意味する「春夏冬中」という言葉、一度は目にしたことがあるという方も多いと思いますが、読み方が謎ですよね。
コレは、実は「あきないちゅう」と読むのです。その読み方にはちょっとトンチを利かせる必要があります。
古くから、「春夏冬中」のようにトンチの効いた読み方をする「判じ物」というものが存在し、現代にもその文化が残っています。
そこで、ここでは代表的な判じ物である春夏冬中はもちろん、それ以外のものに関してもご紹介します!
「春夏冬中」の読み方とその理由
まずは「春夏冬中」の読み方と、どのような理由でその読みになるのか、という点を見ていきましょう!
「春夏冬中」の読み方
「春夏冬中」に関しては「しゅんかとうちゅう」とは読めませんし、「はるなつふゆじゅう」とも読むことはありません。
では、どう読むのでしょうか?
この春夏冬中、「あきないちゅう」と読みます。
そして意味は「商い中」を指しています。
「春夏冬中」が営業中となる理由
では、なぜ春夏冬中と書いて商い中、つまり営業中という意味になるのでしょうか。
これは、春と夏と冬はあるのに、秋だけがないためです。
まさにトンチともいえるのですが、春夏冬中という漢字表記の中には同じく季節を意味する「秋」だけがありませんよね。
そこから「秋がない⇒秋ない⇒商い」という解釈をするとされます。
そして後ろに「中」が付いているので「商い中」、つまり営業中を意味する表現として用いられるようになったのだとか!
他にもある商売に関するトンチの効いた読み方

他にも、トンチを利かせないと読めない言葉はあります。
そこで、ここからは商売に関するトンチの効いた読み方をそれぞれ紹介しますね。
二升五合
「二升五合」とは「ますます繁盛」という意味の言葉です。
二升は、升(マス)が2つなので「ますます」となります。
そして五合は、半升とも言い換えられます。
そこから転じて「繁盛」となります。
春夏冬とセットで「春夏冬二升五合」という言い回しで使われることが多いです。
この場合は「商いますます繁盛」という意味になり、商売繁盛を願った言葉となるわけです。
弓矢の看板
「弓矢の看板」とは「湯屋」「銭湯」「温泉」などを指す表現です。
なぜ弓矢が湯屋を表すようになるのか。
まず弓矢は「弓射る(ゆみいる)」動作をあらわします。
そして、この読み方は「ゆにいる」という言葉に掛けられています。
この「ゆにいる」の漢字表記は「湯に入る」、つまり入浴を指す言葉です。
この連想ゲーム的なダジャレから、弓矢の看板は湯屋を指すようになりました。
十三里
「十三里」は、サツマイモを販売するお店や焼き芋屋さんなどが出していた看板です。
ここでの「里」は昔の距離の単位のように見えますが、あくまで「十三里」ということに意味があります。
サツマイモや焼き芋が、「栗より美味い」と宣伝するために用いられました。
なぜその宣伝が「十三里」になるか、それは「栗(九里)より(四里)美味い十三里」というダジャレです。
九里+四里で十三里というわけです。
ちなみに、さらにおいしい焼き芋ということで、後に「十三里半」と看板を掲げるお店も出てきたのだとか。
現在でも、和菓子屋さんの中にはサツマイモを使ったものに「十三里」と商品名を付けるところもあるようです。
トンチの効いた読み方「判じ物」

「春夏冬」や「二升五合」など、トンチを利かせたものの読ませ方をするものを「判じ物」と言います。
「判じ物」とは
判じ物とは、文字や絵画にある意味を隠しておき、それを当てさせるようにした謎解きのことを指していました。
文字のものは「字謎」と呼ばれることもある他、絵画のものは「絵解き」という呼ばれ方もしていました。
そこから転じて、トンチの効いた読み方をする物事を判じ物と呼ぶようになったのだとか。
今でいうところのクイズのようなものですね。
記号や目印の組み合わせなどから、その法則を推測して楽しむという性質のものを指すことが多いとされています。
日本では平安時代からこのような遊びがあったとされます。
それが江戸時代からは浮世絵などの登場によってより流行が盛んになったとされています。
ヨーロッパ版判じ物「レブス」
判じ物は何も日本だけのものではありません。
ヨーロッパ社会にも判じ物と同じようなものがありました。
この西洋版判じ物とでもいうものは「レブス」と呼ばれています。
言葉やイラストなどの組み合わせで解かせる一種のパズルです。
このレブス、その歴史は15世紀ごろまでさかのぼれるとされます。
そして1582年には、フランスでレブスを集めた本が刊行されています。
日本だけではなくヨーロッパでも、言葉遊びや絵遊びによる謎解きを好んでいたということがわかりますね!
まとめ
「春夏冬中」と書いてあったら「商い中」を意味します。
これは判じ物と呼ばれる文化で、トンチを利かせないと読めない言葉遊びのひとつになっています。
他にも、「二升五合」と書いて「商売繁盛」を意味する言葉などもあります。
判じ物は、江戸時代のダジャレ文化の集大成ともいえるかもしれません。
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