被弾で広がる嫌中ムード…保険タダ乗りも住宅高騰も「中国人が悪い」

　韓国の人気音楽グループ「ＢＴＳ（防弾少年団）」メンバーの発言で火が付いた中韓対立がこじれている。中国では韓国締め出しが広がり、韓国では嫌中ムードが高まっている。

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　対立の発端は朝鮮戦争開戦７０年をめぐるＢＴＳリーダーのＲＭの発言だった。今月上旬、米非営利団体「コリア・ソサエティー」が開いたオンライン授賞式で、「（米韓）両国が共に経験した苦難の歴史と無数の男女の犠牲を忘れない」と話すと、中国のインターネット上では批判が殺到。中国共産党機関紙の人民日報系の環球時報（英語版）が「米国が侵略者なのに、ＢＴＳは米国におもねった」と非難したため、騒動はさらに大きくなった。中国ではＢＴＳファンクラブからの脱会宣言が相次ぎ、韓国メーカーに対する誹謗中傷も相次ぐ。

「真偽は不明ですが、中国版ツイッターの微博（ウェイボー)に『ＢＴＳの携帯ケースをつけているという理由で、路上で暴行を受けた』という書き込みもあった。そのユーザーは足を骨折し、顔に重傷を負ったと主張しているのですが、それに対して、『当然だ』などの反応もあります。中国物流大手の韻達（ユンダー）がＢＴＳ関連商品の配送の当面中止を発表するなど、余波は広がる一方です」（中国メディア関係者）

　一方の韓国では、大手メディアが「ＢＴＳの受賞の感想まで中国が検閲してる」と反発するなど、一歩も引かない。偶然なのか必然なのか、中国に関するネガティブ情報がどんどん流されている。

「日本と同様に国民皆保険制度を運用する韓国では、外国人の『健康保険タダ乗り』が社会問題化しています。診療目的で入国し、定められた保険料を支払わずに保険医療を受けて出国するケースが後を絶たず、特に中国人の悪用が目立つ。最新の統計でもそれが裏付けられ、世論の怒りを増幅させています」（在韓ジャーナリスト）

野党議員が国民健康保険公団に請求した資料によると、２０１５年から今年６月までに上位２０カ国・地域の外国人に支給された健康保険給付額は計３兆４４２２億ウォン（約３２００億円）。そのうち、中国人に対する給付額だけで２兆４６４１億ウォン（約２３００億円）に上り、全体の７１・６％を占めていた。

文在寅政権の逆風になっている住宅高騰問題をめぐっても、「中国の富裕層がソウルの高級マンションを買い漁っている」などとする報道があった。市場調査専門機関スタティスタによると、ソウルで住宅を購入した外国人のうち、中国人比率は２０１５年の３２・５％から２０１９年８月には６１・２％に上昇し、５年間で倍増していた。２０１７年以降、約５割も上昇したソウルのマンション価格に符合する動きにも見える。

対立が尾を引くほど、バッシング合戦は激しさを増しそうだ。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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