ヌルヌルした魚の「ウナギ」と「アナゴ」その違いは何?
ウナギとアナゴは共にヌルヌルした魚です。
綱のように長い体をしている点も共通していますので、非常に似通った箇所が多いともいえます。
しかし、科で見ると分類が違ってくる他、よく見ると形状も生態も違い、さらには味も栄養素も名前の由来も違うのです。
そこで、ここでは似ているようで違うウナギとアナゴの違いについて、より詳しく解説します。
「ウナギ」と「アナゴ」の生き物としての違い
ウナギとアナゴは一見そっくりなように見えますが、比較をしていくと生き物としてそもそもの違いがあることが分かります。
まずは以下のウナギとアナゴの写真を見比べてみましょう。
こちらが日本における典型的なウナギの「ニホンウナギ」です。
対してこちらが「マアナゴ」と呼ばれる、国内でよく食用にされるアナゴです。
分類の違い
まずは分類の違いを見ていきましょう。
ウナギの分類
ウナギはウナギ目ウナギ科に分類される生き物です。
ウナギ科にはニホンウナギだけではなく、オオウナギからアメリカウナギやヨーロッパウナギといった種がいます。
ちなみに、韓国料理などで出てくるヌタウナギはまた別の生き物となっています。
アナゴの分類
アナゴはウナギ目アナゴ科に分類される生き物です。
アナゴ科にはヒモアナゴの他にクロアナゴやツマグロアナゴ、オキアナゴやギンアナゴなどの種類がいます。
水族館で人気者として展示されるチンアナゴもアナゴの仲間です!
形状の違い
ウナギもアナゴも全長が1mになることが珍しくない生き物ですが、サイズ感が近しくとも形状に違いが実はあります。
ウナギの形状
ウナギ、特にニホンウナギは薄い黒色をしていて、特に背中が黒色です。
逆にお腹が黄色に近い白色をしているのが特徴となっています。
色だけではなく顔も下顎が突出しているのが特徴で、体では尾びれが丸いという形状をしています。
成魚の大きさは1m前後とあり、大きいものでは1.3mほどにまで成長します。
アナゴの形状
マアナゴは薄い茶色をしていて、薄い斑点が広がっています。
全体的を通して斑点が広がり、薄茶色をしているのが特徴です。
色の他には顔だと上顎が突出しているのが特徴となり、体を見る尾びれが尖っています。
大きさはメスの方が大きく、メスが90cmほどにまで成長するのに対し、オスは4~50cmほどとなっています。
生態の違い
ウナギとアナゴはそれぞれ生息する場所といった生態にも違いがあります。
ウナギの生態
ウナギは淡水魚で、主に河川や河口など淡水域に生息しています。
普段は淡水域で生活しているのですが、産卵期になると海に移動するという生態をしています。
アナゴの生態
アナゴは海水魚であり、普段から海などの海水域に生息しています。
海水域から出るということはなく、生涯を通して海で生活するという特徴があります。
「ウナギ」と「アナゴ」の食材としての違い
ウナギとアナゴは食材としても違いがあります。
以下、それぞれの写真を添えてみましたので、まずは確認しておきましょう!
こちらがウナギです。
こちらがアナゴです。
ここからはそれぞれの味と栄養素の違いについても簡単にご紹介します。
味の違い
ウナギとアナゴは味が違ってきます。
まずウナギですが、ウナギの身は脂が乗っていていることから、味も濃厚で旨味が凝縮されているのが特徴となっています。
その一方、アナゴの身はウナギに比べると淡泊な味わいです。
味はあっさりしていてほんのりと旨味も感じられるのが特徴です。
栄養素の違い
ウナギとアナゴは栄養素が違ってきます。
特にアナゴに比べてウナギは栄養素だけでいえば圧勝するほどです!
ウナギは各種ビタミンが非常に多く含まれており、特にビタミンAであるレチノールがアナゴの約5倍含まれているとされています。
その他、カルシウムやEPAやDHAなどが豊富に含まれていて、成長はもちろん美容にも良いとされています。
一方、アナゴはウナギと比べるとビタミンは若干劣るものの、他の魚と比べると栄養もしっかりしていてミネラルも豊富です。
ウナギはアナゴに比べるとタンパク質や脂質が高いです。
アナゴはウナギに比べてカロリーが低く、ナトリウムやカリウムはウナギよりも多くなっています。
「ウナギ」と「アナゴ」の名前の由来
ウナギとアナゴはそれぞれ名前の由来も違ってきます。
そこで、ここからはそれぞれ語源ついてご紹介します。
「ウナギ」の名前の由来
ウナギという呼称が初めて使われたのは奈良時代の万葉集とされます。
当時は「むなぎ」と呼称されていました。
これが転じてウナギになったという説が有力です。
他にもウナギの語源については諸説あります。
「身」の古語形「ム」と体の長さにちなんで「身長(ムナガ)」とする説です。
ウナギが細長い体をしていたことからそう呼ばれるようになったのだとか。
その他、お腹の色を指す「胸黄(ムナギ)」から来たという説、細長い体型が棟の木に似ていることから「棟木(ムナギ)」とする説、鵜が飲み込むのに難儀するところから生まれたという説、調理の際に「胸開き(ムナビラキ)」にするところにちなむという説などがあります。
「アナゴ」の名前の由来
アナゴは日中は隠れていて夜中になると行動するところから「穴子(アナゴ)」と呼ばれるようになったとする説が有力とされています。
その他には「穴籠り(アナゴモリ)」が変化したという説もあります。
また、「ナゴ」の語根がウナギの「ナギ」と共通しているとする説もあります。
水中に住む細長い生き物を「nag」という音で発音していたことに由来しているともされるなど、アナゴの語源にも諸説あるわけです。
ちなみにウナギと同様に「体が長い魚」というところから名付けられたという説もあり、「長魚(ナガウオ)」が転じて「アナゴ」になったともされます。
まとめ
ウナギとアナゴは、まずウナギ科とアナゴ科なので、そもそも違う生き物とされています。
その他、形状や生態も違いがありますし、味や栄養素も違います。
比較すると全然違うという事が分かります。
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